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BLの丘
週末の夜 10 (策略SS)
2009-08-30-Sun  CATEGORY: 策略はどこまでも
ふつふつと熱を帯びる肉体に飲み込まれようかという時、ふいに久志から掛けられた声に、那智の蕩けかけた意識が戻された。
…今、なんて…?
真上にある久志の射抜くような眼差しを受け止めれば、悪戯や冗談で言っていることではないと即座に判断できる。
これまでだって勝手に鍵のコピーを作り、我が家同然に過ごしていた人間が、そんなことを言い出せば驚きだって生まれる。
思わず目を見開いた那智に久志は言葉をたたみかけた。

「こんな、半同棲みたいな生活、嫌なんだよ。ちゃんと毎日那智が俺んとこに帰ってくるっていう事実が欲しい」

久志がこの家にやってくるのは、気まぐれか?と思うくらい脈略がない。当然それは久志の不定期な公休日に影響されているからなのだが、週末だけは必ずやってきた。
確かに那智も、帰ってきて久志の顔を見るとホッとするところがある。
帰宅時間がまちまちな自分とは違って、久志はほとんど変わることはない。
そんな生活時間の違いを懸念する気持ちもあるのだが、二人で始められるものがあるのなら、甘えたい衝動が光のごとく胸に沸いた。
那智は週末が訪れることを喜んでいた心を否定しない。どんなに理不尽な接待に付き合わされたとしても、久志が待っていてくれるという確信があったからいつも以上に頑張れたし、常に早く帰りたいと願っていた。

「俺はいつだってヒサのとこにいる…」
那智は自分を包みこんでくれる逞しい身体に手を伸ばした。
鋭いながらも優しい双眼が見下ろしている。ピッタリとくっついた熱い胸板から、ドクドクと血の流れる音が響いてきた。
同じように、久志にも自分の慟哭は聞こえているのだろう。
見上げた先で久志の瞳が緩やかに弧を描いた。
「同意って受け止めるからな。誰が何と言おうと絶対に那智は渡さないし、誰からも守ってやる」

…男なのに、守ってやるってなんだか変な話だ…
ぽつりと胸の奥で呟いたが、何よりも嬉しい言葉だったことに間違いはない。
久志が散々言うように、きっと自分は警戒心も猜疑心も欠落しているのだろうから、身を委ねたほうが傷を受けなくて済みそうだ。

厚い胸板を精一杯抱き寄せたところで、那智の両手の指先は久志の背中で出会うことはない。
僅かに首を縦に振った那智は、そんな真面目な話はそれこそ素面の時にしてくれと言わんばかりに、身体の中に籠り始めた熱を何とかしてほしいとさりげなく訴えた。
満面の笑みをたたえた久志はこの世のものとは思えないほど気高い表情を浮かべて那智の心をまた奪った。

…今週も眠りに付けるのは明け方になりそうだな…。そして起きたら、また久志はいなくなっているんだろうな…。
ぼんやりと頭の隅で思いながら、見目麗しい姿を脳裏に焼き付けて、与えられる口付けに答える那智だった。

☆終わり☆

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えっちで終わりにしようと思っていたのに、気力を失いました。
甘くなったのでしょうか…???
こんな終わり方で申し訳ございません。
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コメント

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コメントきえ | URL | 2010-03-24-Wed 20:05 [編集]
拍手コメ様

駄文にお付き合いくださいましてありがとうございます。
私の中では『策略』は失敗作に等しかったのでこんな感想をいただけて受けしいです。
>策略シリーズ一気に読んでしまいました。すごく良かったです。久志×那智最高♪
またいつか番外SSでもあげようかなとと思います。
明日からリクエスト版【安住編】(?!内容的にはかなり怪しい)が始まります。
また遊びにきてくださいね。
コメントありがとうございました。
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