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BLの丘
冬の遠足 8
2011-03-02-Wed  CATEGORY: 『想』―sou―
夕食は地酒とお鍋が楽しめる和食だった。
掘りごたつ式のテーブルの上には長い囲炉裏が用意されている(団体様用の席)。
目の前で川魚が串に刺されて焼かれ、網の上ではバーベキューさながらの肉料理も堪能できた。
上から吊るされた鍋は間をとって4箇所になり、それぞれが、鹿鍋、熊鍋、猪鍋、よせ鍋と分かれていた。
中身を覗きこみたく、じっとしていないお子様があちこちと動き回っている。
「これ、食べたい!!」と言えば、近くの保護者と飼育員(添乗員)がよそってくれるのだから便利なものだ。(ちゃんと給仕係がいますけどね)

千城・英人・那智・久志・日野・神戸
  鍋  鍋     鍋  鍋
安住・一葉・成俊・佐貫・龍太・雅臣 (席はこんな感じだろう)

お椀の中身をはふはふ言いながら食べ尽し、一日の出来事をあれこれと振り返り雑談を続けて夜が更けていく。
夕方しっかり寝込んでしまった子供たちはまだ元気なままだ。
そんなところで雅臣が急に、「もしよろしければ向かいのラウンジをお借りしたので…と」少々控え目に言葉を発した。
お腹がいっぱいになったし、少しの休憩と会話で寛いでから部屋に戻るのも悪くない…と誰もが思っていた時だ。
レストラン街として様々な店舗が入るこの階は、展望風呂がある階から一つ降りたところにある。
雪景色をライトアップさせた光景は、残念ながら現在いる『囲炉裏端料理』の店からは望むことができなかった。
ゲレンデを一望できる場所は反対側になってしまうのである。(経営上色々あるんでしょう)

もちろん、すべてが貸切なのだから、何の躊躇もしない連中だった。
雅臣に促されるまま、ぞろぞろとラウンジへと向かうと、光を抑えた薄暗い客席が迎えてくれた。
すでに全員が座れるように配置された窓側の席に、流れるように皆が座りこむ。
座り心地の良いソファに身を預け、気持ち良くグラスを傾けてゆったりとした時間を堪能している時、フッと室内の電気が消えた。
それだけではない、ゲレンデをライトアップしていた電気までも消えたのだ。
千城「何だっ?!」
神戸「停電?」
龍太「ちょっ…っ」
ざわざわと騒がれる中、千城が店員を呼ぶよりも早く、窓ガラスの外で突然閃光が走った。
子供「「「「光った!!!!」」」」
次の瞬間、連続でカラフルな色を纏わせた花火が冬の夜空を飾った。
子供「「「「花火(だーっ)~」」」」
薄暗い中でも立ち上がった子供たちはばたばたっと窓際に走り寄るとべったりとそこにはりついた。
少しの間を開けてはまた花火があがっていく。
冷たい澄んだ空気の中で咲きほこる大輪の輪は、夏の夜空に輝く時よりもずっと鮮明に映り、色鮮やかに見せてくれた。
光り輝く星空の下に新たにかがやく光。
すぐ近くで聞こえる「ドーンっ」という音は体にまで振動を伝えてくる。
英人「ちかーいっ」
一葉「おっきーっ」
成俊「きれーっ」
那智「すごーいっ」

龍太「(小声)ま、雅臣さん…???」
誰も予想しなかった中で一人、余裕ぶっている人間を感じ取った。
雅臣「(小声)へへっ。昼間こちらのチーフと少し話をしたんだ。何かの記念日とかに、追加料金でこういうサービス、提供してくれるらしいの。今日は榛名さんが来ていたからトクベツ」
恋人同士で訪れた時など、部屋から花火が見られれば、また違った熱い夜を呼んでくれそうだ。
そんなムード作りの一役までかってくれるらしい。
冷たい夜空に咲く花火は一瞬で燃え尽きてしまうが、宿す熱は早々冷えることはない。
龍太「びっくりした…」
雅臣「一組だと金額的にもキツイし、数も少なくてしらけるし、他のお客さんにも見られるとなると府に落ちない点もあるだろうけど、指定日にして一口単位で募集したらいい企画になりそうじゃない?」
つまりのところ、イベント参加者限定企画にしようとしているらしい。
望んでくれる人は多少の上乗せ料金があったとしても喰いついてくるとは、企画部の龍太が一番良く知ることだった。
龍太「それ、うちら企画部の仕事なのに…」
自分の趣味にばかり走っていたと思っていた雅臣が、龍太のフォローを入れるように動いてくれていたことは予想もせず、ただ感動するだけだった。
雅臣「俺だって、すごくいい時間過ごしたんだよ。少しばかりの御礼、したいなって思っただけ」
リゾート地への添乗員として付いてきたはずなのに、何の結果も出せない昼間の行動だった…。
本当だったら自分が実地調査しなければいけないのだ…。
客を見守ることなく危険極まりない地まで追い込み、挙句に甘えて仕事まで放置して自分が満足できる時間を過ごしてしまった。
辛いことよりも楽しいことを選んでしまうのは人間の性なのかも知れないけど…。
龍太「ごめんね、雅臣さん…。俺が何の資料も持って帰らなかった時のこと、考えてくれてたんだ…」
雅臣「龍太は身体で感じたんでしょ?僕は目で見たってことで…ねっ」
子供ではないが未知なる力を、目と身体で合体させればいいじゃないと、小さく首を傾げる姿が、何ともかわいい。
二人で一つ、と言われているようだ。
人目があろうとなかろうと、全員の目が外に向かっている今、ぎゅーっと抱き締めたかった。

雅臣「(小声)ここはだめ…。少し離れたところに露天風呂があるんだよ。雪見のね…いいとこ…。いく?」
龍太「もちろん。ずっと入りたくてしかたなかったんでしょう?」
見学だけでは済まなかった身体の疼きなど、龍太にはすぐに知れることだった。
雅臣「ばーか」
内緒話で呟いた言葉を、花火に夢中になっている人間が聞きとめていたなど、もちろん、本人たちは知らない。

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邪魔しちゃダメ―っと騒ぎたくなるww 次回最終話にする予定です。(冬から春に変わりそうだしwww)

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コメント

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No title
コメント | URL | 2011-03-02-Wed 11:40 [編集]
s様
こんにちは。

>「とびっきりの夜」?って、この花火のこと~と思っていたら、こっそり行こうとしてる「露天風呂」?のことかな(^^ゞ。まだまだ目が離せません。

みんなに対しては花火で、龍太に対しては…なんでしょう。
しっかり使い分けましたね。
雅臣ってば、しっかり趣味と実益を兼ねて行動してましたね。
花火は自分も見られて良かった~なんでしょうけど。
もう3月ですね。『冬』も終了です。
コメントありがとうございました。
No title
コメントらぅら | URL | 2011-03-02-Wed 20:38 [編集]
雅臣ってばやるぅ~コノコノォ~(´¬∀¬`)つ☆
花火企画でしたかぁ~♪流石ですねぇ~。

この後も二人?でゆっくり露天風呂を官能出来るんだろうか。。。?
無理だろうけどね。。。ボソ

もう冬も終わりですね。。。って事で。
春ヾ(・∀・。)ノダ-!!!! 花見ヾ(・∀・。)ノダ-!!!!
(・艸・`; ぁ… ( ´艸`)ムププ
Re: No title
コメントきえ | URL | 2011-03-03-Thu 08:33 [編集]
らぅら様
おはようございます。

> 雅臣ってばやるぅ~コノコノォ~(´¬∀¬`)つ☆
> 花火企画でしたかぁ~♪流石ですねぇ~。

雅臣も色々考えますね~。
さすが売り子さん(?)

> この後も二人?でゆっくり露天風呂を官能出来るんだろうか。。。?
> 無理だろうけどね。。。ボソ

(ボソ)(笑)
そうです。無理でーす。

> もう冬も終わりですね。。。って事で。
> 春ヾ(・∀・。)ノダ-!!!! 花見ヾ(・∀・。)ノダ-!!!!
> (・艸・`; ぁ… ( ´艸`)ムププ

おーっ!!!
もう次のお題がwww
書きたいものはいっぱいあるのに、全然進まない(汗)
夏、秋、冬…と来てしまったからねぇ…(春…)
四季、一巡だw
コメントありがとうございました。
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