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BLの丘
冬の遠足 2
2011-02-24-Thu  CATEGORY: 『想』―sou―
飼育員日野の苦労が分かった神戸もゲレンデに戻って行き、しばらく4人で仲良く遊んでいたのだが、一か所ではどうにもつまらなくなった連中は次の行動にでることにした。
どこのコースに出向いてしまったのか、保護者たちは視界から消え、一向に戻ってくる気配がない。
4人一緒にいれば心配されることもないだろうと、『お子様ゲレンデ』を後にした4人は、ソリを引きずり、しばらく歩いた先にロープウェイを見つけた。
英人「ロープウェイだっ!!」
那智「あれだったら4人一緒に乗れるね」
一葉「どこまで行くんだろう…」
英人「行ってみよう!!」
成俊「…(大丈夫かな…)…」

その頃…。
すでに上級者コースに辿り着き、バランスを崩すことなく猛スピードで傾斜40度近い場所を降りてきた久志と龍太は、中腹にあるリフト乗り場で一度足を止めた。
山ごとに分かれる広大なゲレンデは、この先、麓までなだらかになる中腹からUターンするように山頂へと伸びるリフトがあって、それを見つけてしまった二人はその一角から離れようとしていなかった。
もう何度目になるのか分からない行動である。
傾斜角度に嵌り込みすっかり意気投合して、スキーに飽きた彼らは「ボードにしよう」とどちらからともなく言い出した。
ヒサ「人いないし、端から端まで好きなだけ使える」
龍太「こんな最高なゲレンデまずないよ」
ヒサ「マイゲレンデだ。シャチョーに感謝しとこ」
二人は珍しく興奮した様子で、現状を満喫している。
貸切なのだから当然と言えば当然で、邪魔になる人間がいるはずもなく、例の保護者たちも姿を見せる様子もない。
だがさすがにスキーからボードに履き変えるためには一度下界(?)に戻らなければならず、一度山頂から麓まで、一気に降りようという話になる。
二人のスピードと技術は目を見張るものがあった。
息が合ったように互いに交差する技などは、何のショーかとリフトの係員の目を惹いていたくらいだ。

中級者コースをしばらく堪能していた保護者たちが、そろそろ様子でも見に行くか…と連なってお子様ゲレンデに戻ると、カラフルな色のウェア姿はどこにも一つも見当たらない。
神戸「ちょっと、いないじゃないっ」
千城は咄嗟に携帯電話を取り出したが、運の悪いことに、この山奥は『圏外』だった。
安住「ホテルにでも戻ったかな」
日野「ありえねぇ…」(あの連中が早々大人しく帰るわけがない。睡眠もいっぱい取ったし)
すぐに佐貫が何やら機械を取り出してピコピコと弄り始めた。
『圏外』と知った全員が不思議そうに佐貫の行動を目で追う。
安住「何をしているの?」
佐貫「成俊に発信機を取り付けてある」
神戸「…(口、あんぐり)…」
日野「…(最強だ…)…」

龍太と久志は、勢いよくゲレンデを滑り降りていった。
素早く身につける物を変えて表に出ると、何やら集団が見える。
今日のスキー場で人の姿が見られるとなれば、『冬の遠足』の参加者だけだ。
久志は一度は確認して行こうと龍太を留めて、団体の中に向かったが、いるはずの人間がいないことに二人とも気付いた。
ヒサ「あれ?那智たちは?」
日野「今行方不明」
龍太「えぇぇぇぇつっっ???」(添乗員危機:客の安全は一番に確保)
佐貫「これって、どこになるんだ?!」
地図を映し出した端末を千城に見せながら佐貫が詰め寄ると、「第4ロープウェイ…」と逡巡する千城の声が漏れた。
龍太「第4?!俺たちの上を通っていたやつじゃん」
千城が答えを見つけるよりも先に状況を把握した龍太が驚愕する。
久志と龍太は中腹からのリフトを利用していたので、麓から一気に上がっていくロープウェイを使うことはなかった。
だが行きつく先は似たような場所だ。
ヒサ「ぜって―無理…」
あの急斜面を思い出せば、一つ転んだだけで怪我は免れないだろうと、今そこから降りてきた人間は思う。
神戸「君たち、どこに行ってたの?」
ヒサ「一番上。山頂からここまで3分くらいで来た…」
つまりはそれだけのスピードを生み出せる傾斜を表す。

佐貫「山岳レスキューを呼ぼう」(自分が行けない場所だとすぐに悟る)
龍太「とりあえず、俺たち行ってきます」
呑気に滑っている時ではないと、龍太と久志は、ビンディングを外すと、雪の上だというのにボードを抱えてロープウェイ乗り場まで走っていった。
もちろん、後を追っていく保護者である。(全然追いつけていないけど)
龍太と久志が乗り去って数分後、千城がロープウェイの係員に、子供たちが乗らなかったか?と尋ねれば、「えぇ、4名様、お乗せいたしました」と平然と返され、「馬鹿がっ!!」と八つ当たり気味に怒鳴られた。
ロープウェイに乗り込もうとする千城を神戸が制する。
神戸「行ってどうやって帰ってくるの?!」
千城「これに乗って帰ってくればいいだろ?!」
…なるほど、その手があったか…とその場の全員が思ったかどうだか…。
とりあえず全員で乗り込んではみるものの、途中から斜面の角度が変わるのを嫌でも知らされることになる。
晴天の本日、下を見下ろせば、他の客がいないはずなのに、幾つものシュプールが描かれていて、それだけ多くの回数を”あのふたり”が通ったことを表していた。
日野「すごい連中…」
神戸「崖じゃない、ここ…」
安住「位置は変わっていないの?」
佐貫「いや、…降りていっている」
千城「こんなところを滑っているのか?!」
遊び道具で与えたのはソリだけだ。
係員やその他の手によって、スキー道具なりボードの道具なりを付けてもらったとしても、使いこなせないのは保護者が一番良く知ることだった。
だからといって今のこの時点で、ロープウェイを逆回転させろとも、ここで降ろせとも言えない。
もちろん、自分たちが自力で斜面を下れないのも、嫌でも知らされている。
乗り込んでしまったことを後悔しても始まらないのだ。
山頂に辿り着いたところで、取れる手段など考えつくものはなかった。
そして無情にも、千城をはじめとした5人(安住・佐貫・神戸・日野)を降ろした場所には、先に降りたはずの龍太と久志の姿もなかったのである。

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遠足のはずなのに、子供が出てこないwwww
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コメント

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No title
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 06:56 [編集]
拍手コメI様
おはようございます。
こちらからのレスで失礼いたします。

>こんにちは。コメント、まだ2回目です(笑)    「淋しい夜」を読むのは3度目ですが、この回のお話を読むと必ず泣いてしまいます。もう、だめです。それを言いたかっただけなんです←アホ 

あの長い話を3度も読み直していただいたなんて…(涙)
時間の無駄遣いです…と思っちゃいますが。
感謝感激で胸いっぱいです。
私が書く話はどうしても暗くなってしまって…(反省点もいっぱいあるし…)

>心と魂の連載お疲れさまでした。毎日夢中になって読んでました。最後はホッとしましたよー。

この話もご心配おかけいたしました。
無事佐貫も戻ってきたし、ますます絆も深まって幸せ感いっぱいでいると思います。

>「冬の遠足」も楽しみです。『雪のあるうちに行かせないと』は、かなりうけました!(ここにこの話題を書いちゃだめですよね。スミマセン)         これからも、楽しみにしています。

リク頂いていて、GWまで雪あるかな…などと呑気なことを思っていました(笑)
でもそしたら「冬の遠足」にならないんですよねww
ということで急遽書カキカキしたわけです。
見切り発車ですからどうなることやら…。
コメはどこに書いてくださっても結構ですよ。
全部目を通しておりますので。
ただ、レスがどの記事に貼りつけられるか…。
コメントありがとうございました。
No title
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 11:50 [編集]
s様
こんにちは。

>おはようございます。佐貫の発信機、すごい~。欲しい人、たくさんいそうだね。発信機だらけになりそう~!

発信機!!絶対に欲しがる人、います。
どんな所に行こうが位置確認をする刑事さん…。
きっと成俊はそんなものが仕込まれていた…なんて知らないんだろうな。
教えられることもないんだろうな…。
コメントありがとうございました。
No title
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 11:55 [編集]
MO様
こんにちは。

>今回も、お子ちゃま達 やってくれますね~!でも保護者にも、最強の人材が加わりましたからね(苦笑)。これからどれだけ振り回されるのか・・・楽しい(?)遠足になりそうですね♪

相変わらずハチャメチャなお子様です。
最強の保護者、登場ですね。
少しは千城のヤキモキも軽減され…ないかな…。
すでに振り回されていますが…。
コメントありがとうございました。
No title
コメントヨッシ | URL | 2011-02-24-Thu 12:25 [編集]
イケメン有能軍団の普段見られない焦る姿って堪りません♪
無邪気に大人たちを翻弄させるお子様たちにエールを(@^^)/☆
子供は何をしでかすか分からないものですよね~
あは(^v^)そうこなくっちゃ!

発信機>しゃちょーもマネして当てにならないGPSから発信機へお取替えも??

次回、お子様たち暴走が明らかに成るのでしょうかね、ドキドキ・・・
コメントかすり | URL | 2011-02-24-Thu 13:07 [編集]
発信機ウケました(≧▼≦)
佐貫っち 成君のどこに?!とニヤニヤ顔がとまりません(●´mn`)
Re: No title
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 15:30 [編集]
ヨッシ様
こんにちは。

> イケメン有能軍団の普段見られない焦る姿って堪りません♪
> 無邪気に大人たちを翻弄させるお子様たちにエールを(@^^)/☆
> 子供は何をしでかすか分からないものですよね~
> あは(^v^)そうこなくっちゃ!

そう、そうなんです。何をしでかすか分からないところが…。
さすが園児というか、箱入り息子というか…。
そして翻弄される父兄。

> 発信機>しゃちょーもマネして当てにならないGPSから発信機へお取替えも??
>
> 次回、お子様たち暴走が明らかに成るのでしょうかね、ドキドキ・・・

携帯GPSあてにならないことをしりましたね。シャチョー。
お金ならどれだけでも払って身の安全を確保っていうシャチョーですから(爆)
お子様、どこにいったのかしらね~。
コメントありがとうございました。
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 15:43 [編集]
かすり様
こんにちは~。

> 発信機ウケました(≧▼≦)
> 佐貫っち 成君のどこに?!とニヤニヤ顔がとまりません(●´mn`)

何が何でも追いかける過保護保護者…。
どこにって…ふつーにポケットとか…(それ以外の場所は動きづらくなるからダメでしょ…って違う?!)
かすり様、もし御面倒でなかったらタイトル欄に入る「NO title」消さないでいただけますでしょうか。
ご自身で考えるタイトルを入れてもらわなくて結構なんです。
何もないと前の方との境目が分かりづらくなってしまうというか…。
私がもうちょっと設定に詳しければいいんですけれど…。
我が儘を申し上げてすみません。
是非今後も足を運んでください。
コメントありがとうございました。
(~▽~;) アハッ
コメントらぅら | URL | 2011-02-24-Thu 21:28 [編集]
最強保護者、佐貫(爆)
発信機を付けてるとは、凄い!!
(まぁ、また何かあったら困るからでしょうが。。。)
他の保護者も欲しいっていいそう。。。って言いますね(笑)

お子様達は何をしでかすか分からないからなぁ~。。。
フォーレンジャーだから最強だとでも思っているんだろうか?(A;´・ω・)アセアセ

どこいっちゃったのぉ~(ノД`)ハァ




そうそう、傾斜40度近いって・・・ほんと崖ですよ。
私はそんな所まで行ったことはありませんが。。。
斜度30度近くだって、何ここぉ~Σ((゚д゚ノ)ノって思いましたから。。。(´_`。)

Re: (~▽~;) アハッ
コメントきえ | URL | 2011-02-24-Thu 22:05 [編集]
らぅら様
こんばんはー

> 最強保護者、佐貫(爆)
> 発信機を付けてるとは、凄い!!
> (まぁ、また何かあったら困るからでしょうが。。。)
> 他の保護者も欲しいっていいそう。。。って言いますね(笑)

今までいなかった最強の保護者です。
これまでいろいろありましたからね。心配なのはわかるけどさ…。
バラしたら他の保護者、喰いつくって…www

> お子様達は何をしでかすか分からないからなぁ~。。。
> フォーレンジャーだから最強だとでも思っているんだろうか?(A;´・ω・)アセアセ
>
> どこいっちゃったのぉ~(ノД`)ハァ

探検族に変身でしょうか。
子供の妄想は時に怖いです。
親の気持ちも知らずにうろちょろ…。

> そうそう、傾斜40度近いって・・・ほんと崖ですよ。
> 私はそんな所まで行ったことはありませんが。。。
> 斜度30度近くだって、何ここぉ~Σ((゚д゚ノ)ノって思いましたから。。。(´_`。)

はい、崖です。
そこを行けるのが体育会系です。
まぁ、あくまでもふぁんたじーですから…(笑)
昔海外まで行ってヘリスキーを楽しんでいた人をちょっと思いだしてしまいました(爆)
コメントありがとうございました。
No title
コメント甲斐 | URL | 2011-02-25-Fri 00:17 [編集]
無謀な子供たちだ
いますよね、こんな子たち
目の前の楽しいことしか見えてないっていうのが
けど、笑い事じゃない
助けてパパ~
Re: No title
コメントきえ | URL | 2011-02-25-Fri 07:11 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 無謀な子供たちだ
> いますよね、こんな子たち
> 目の前の楽しいことしか見えてないっていうのが
> けど、笑い事じゃない
> 助けてパパ~

新しいおもちゃを与えられた感覚でしょう。
危険を顧みず(知らず)遊びを追及する子供たち。
パパ達の心配なんて露知らずです。
えぇ、パパ、笑い事じゃないですよね。
コメントありがとうございました。
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