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BLの丘
策略はどこまでも 49
2009-08-17-Mon  CATEGORY: 策略はどこまでも
岩村はサラリと言ったが、那智は自分の名前を上げられた理由が分からずに理解に苦しんだ。『なっち狙い』って何が?
疑問だけが頭の中に浮かぶ。いや、疑問すら出てこないくらい岩村の言葉を反芻するだけだった。
飯田がハッとしたように人差し指を立てる。
「あっ、やっぱりー。卓(たく:岩村卓也)の送別会を兼ねてる割には変な連中だなーって思ってたんだよね」
ますます意味の分からなくなった那智は硬直した。岩村はニコニコとしながら、那智を見据えた。
「なっちってば、在学中からいろんな人に狙われてたの、気付いてないでしょ。今までは僕も久志に色々情報を流してあげてたけどさ。もうそんなことしてられないし。久志には『いい加減手に入れるなり手放すなりしろ』ってハッパかけたんだけどぉ。きっかけが掴めなさげにいたからさぁ。同窓会と送別会を兼ねてなっち狙いの連中に片っ端から連絡したんだよね。年末のこの時期に来るなんて、入れ込んでる証拠?かは分からないけど、何かしら那智に対してアクション取るだろうなって思って」
岩村は故意的に12月を選んだのだと伝えてきた。そこまで聞いても那智は事の流れが分からずに大きな目をパチクリさせるだけだった。
今日再会した連中は昔から何かと声をかけられたり世間話をしたり、決して仲の悪かった奴などいない。
もちろんそれは『友人・知人』という部類にある人物で、久志と同様か?と問われたら確実に『NO!』と言える。
「狙われる…って…。なんか違わない?俺、久志みたくモテる話なんて無縁だよ…」
那智が岩村の言葉に反論を述べれば、室橋と飯田が露骨に表情を曇らせ、大きな溜め息をついて見せた。
「これだよ。タカの気苦労が分かる気がする」
徐に肩をすくめられ、両手を広げられれば、那智はどこか責められている気分になった。

実際那智は恋愛事を気にしたことなどない。たまに声をかけてくる女性はいたが、どういうわけかすごーく親しい仲になることはなく、友人としても長く続くことはなかった。
那智自身、当時女性に興味があったというほどでもない。どちらかといえば、男連中と話している方が気楽だったし、特に久志とは話が合って時間が空けば一緒だった。
今となっては、その状況を故意的に作り上げていた自分自身を振り返ることができるが、当時はどう感じていたのだろうか…。
たった一度の過ちである、部室事件を除いては、平穏無事な日々を過ごしてきたし、特に誰かを気にかけることが無かったのだから、『狙われていた』と言われてもピンとくるものはない。

情報屋と呼ばれた岩村が今でも数多くの人間と連絡を取りあっていることは知っている。
久志とも頻繁にやりとりをしていると聞いたが裏側にそんな事情があったなどとは露知らず。
「まぁ、どこの誰がなっちに声をかけたところで、なっちには興味がないとは思っていたけど。久志がさぁ、まぁったく動かないから僕の方が焦れて計画を立ててあげたってわけ。…久志ってばこれまで与えられるお付き合いしかしたことないから、なっちに対してどう接したらいいか分からなかったんだよ。笑えるでしょ」
「お、まっ!ホント余計なことを…っ!!」
久志はキッとキツイ視線で岩村を睨みつけていたが、岩村は全く動じずにクスクスと楽しい笑みを浮かべていた。
さすがに今岩村が言ったことは室橋や飯田にも意外だったようで、マジマジと久志を見てしまう。それこそ交際相手については不自由もなく手慣れたようにそつなく過ごしていた印象しかないので、本当のこととは思えなかった。
「なっちに近づいてくる連中、片っ端から久志が牽制してたから、なっちが気付かないのも無理はないと思うけど、さすがに再会したらどうなるかわからないじゃない。当時は近寄れなかったとしても一同に集まれば状況は変わるし。なっちがどう出るかっていう反応も見たかったしね」
岩村は今回の計画のネタをバラした。あまりにも意外な内容に那智は理解するのにしばらく時間を要していた。第一自分がどうこうっていう話が現実のものとは想像ができない。
確かに声をかけられたことなど稀だった。友人付き合いを始めた人間の大半は久志を通してだったことをふと思い出す。
自分に近づく人間が久志の手によって狭められていたと、今になって知った。
「なのにさ、蓋を開けてみれば、『もう落ち付きました』状態で…。今日、どうしようかと思っちゃったよ」
「えー、別にいいじゃん。結果報告したようなもんで」
岩村が苦笑しながら那智と久志を見比べるのを飯田が笑った。
「そうだよ。あんだけ堂々と見せつけられちゃ、もう誰もなっちに手ぇ出そうなんて考えねぇよ」
室橋にまで続いて言われて、那智は恥ずかしさで顔を赤くした。そんな風に振舞った覚えはないのだが、見ている連中には『いかにも』としか映らなかったのだろうか…。

「それにしても、卓が計画立てるほど進展がなかったのに、よく自分たちでまとまったね」
飯田が不思議そうに尋ねてくるのを岩村が一笑した。一度は那智と久志に向けられた視線が岩村へと流れる。岩村は全て知っています、といった感じでニッコリと、悪魔が微笑んでいるのかと思えるくらいニッコリと笑った。
「ほとんど強姦だよな」
久志は飲みかけていたビールを噴き出した。那智は完全に固まった。

…っていうか、ヒサってばどんなことまで岩村に話してんの…???

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書けません…まったく…。(生活面でも精神的にも…)
うちの粗大ゴミが19日まで休み…とかほざいてて、まともにパソコンも開けやしない(ーー゛)
もし明日お休みしたらごめんなさい。
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コメント

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こんにちわ~
コメントメグミ | URL | 2009-08-17-Mon 12:17 [編集]
今、昼休みです・・・
最後の「ほとんど強姦だよな」って台詞に私もお弁当吹き出しました(笑)

会社のPCの前だったので、笑いを堪えるの必死です~(>.<)
あぁ、ニヤける・・・(笑)
間違いなく強引だったなぁと思い返しておりました♪

それと、近くに誰か居ると・・・書きにくいですよね~
解ります!
Re: こんにちわ~
コメントきえ | URL | 2009-08-17-Mon 15:05 [編集]
メグミ様

こんにちは。いらっしゃいませ。

> 今、昼休みです・・・
> 最後の「ほとんど強姦だよな」って台詞に私もお弁当吹き出しました(笑)
貴重なお昼休みにこんな駄文にお付き合いくださいましてありがとうございます。
私も書きながら、ここまでは楽しかったんですけどね~汗
続きがまったく浮かんでこない状況になっちゃって、頭の中が空っぽです。まずい。

> 会社のPCの前だったので、笑いを堪えるの必死です~(>.<)
> あぁ、ニヤける・・・(笑)
> 間違いなく強引だったなぁと思い返しておりました♪
だ、大丈夫でしょうか、会社のPCでこんなものを読んでいて…
周りの方には気を付けてくださいね~。
>
> それと、近くに誰か居ると・・・書きにくいですよね~
> 解ります!
えぇ!!本当に! 思い立ってもすぐにPC開けないし。
集中しないと書けない私には辛い状況です。

コメントありがとうございました。
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