FC2ブログ
ご訪問いただきありがとうございます。大人の女性向け、オリジナルのBL小説を書いています。興味のない方、18歳未満の方はご遠慮ください。
BLの丘
【クリスマス企画】 吐息 後編
2010-12-11-Sat  CATEGORY: 『想』―sou―
まだ湯も溜まらないというのに、急いたように身につけていたものを脱ぎ捨て、バスタブの中に入った。
瑛佑の膝を跨るように向かい合わせて美琴が座った。
滅多に日に当たることのない美琴の身体は、雪のように白い。
冷えた体をお互いの体温と、徐々に溜まり始めるお湯で温め、絶え間ないくちづけを交わし合う。
今一番熱を持っているのは、お互いから零れてくる呼気ではないかと思うくらいに、それは熱く長く続いた。
貪るようにして舌を絡ませ、柔らかな頬を内側からなぞる。
いつもであれば決して聞かれることのない、甘い吐息が口腔に流れ込んでくるたび、瑛佑の中に興奮と愛しさが増した。
気高い貴婦人のようななりも、こんな時は無防備になり内面を曝け出す恋人の変貌が瑛佑は好きだった。
「…っ、え、い…っ…」
すでに形を作り上げた性器が、湯船の中でぶつかりあった。
あまりにも激しい口腔内の逢瀬に、苦しくなったのか、美琴が僅かな距離を取ろうとする。
「…んっ…」
瑛佑は名残惜しいながらも、唇を離して代わりに首筋に当てた。
胸を大きく上下させた美琴がクタリともたれかかってきて、耳元で荒い呼吸を繰り返し酸素を求めていた。
白かった身体が、ピンク色になっていた。

「ごめん、飛ばし過ぎ?」
「ばっ…っか…」
「すっげー、好き。大好きだよ、美琴さん」
瑛佑の言葉に、耳の後ろで美琴が小さく「私もですよ…」と呟いた。
こんな素敵な夜の時間を作ってくれた社長にも感謝だ。
まぁ、スケジュールの都合などは美琴の手があってのことなのだろうが、自分の為にここまでしてくれたのかとも思えば、美琴に対して今まで以上の愛情が湧いてくる。
社長に言われたからなのかどうかは疑問だが、美琴なりに負い目でもあったのだろう。
「無理、してくれたんだ…。ありがとう…。ホント、ありがと…」
美琴はこれには声を出しては答えず、ただ小さく頷いただけだった。

バスタブの中でも充分なほど美琴を可愛がった瑛佑は、立ち上がれなくなる美琴を抱きあげて、無駄に大きく感じるベッドへと運んだ。
二人の身体が重なれば、ほんの僅かなスペースがあればいい。
部屋にある冷蔵庫の中からミネラルウォーターのボトルを取り出してくると、横たわった美琴に口移しで飲ませてやった。
冷えていた身体はこれ以上ないくらいに温まり過ぎて、美琴から水分を奪っていた。
ふぅ…と長い息を吐き出す美琴の濡れた髪を梳いてやる。
「大丈夫?」
「"大丈夫ではありません”と言ってほしいですか?」
「やだよ。せっかくのこのベッド、使わなかったらもったいないじゃん」
「だったら手加減してください」
「はーい」
しおらしく答えてはみたが、自分で際限なく許可していることを当の本人は理解しているのだろうか。
この頃、こんな発言が増えたな、と瑛佑は振り返る。
隙のない人間だったはずなのに、気付かないうちにボロボロとほつれを見せる。
もちろんそれは嬉しいことに違いなく、また自分だけに向けられるものであって、自分が変えてきたものだ。
自分の為に変わってくれたと分かるだけに絶対に守り抜いてやろうと決意を新たにできる。

瑛佑は、美琴に並んでゴロンと横になった。
肩肘をつき、まくら代わりに頭を支えて、湿り気のある白い肌を撫でる。
初めての異国の地は思いがけない感動に迎えられた。
何もかもが特別で嬉しかったが、全てはこの愛しい人がいてくれるからだ。
この人がいてくれるから得られる感動。
巡り合えてよかった…と心の底から思う。

「貴方が楽しんでくださって良かったです」
ポツリと呟かれた言葉に、瑛佑から穏やかな笑みが漏れる。
「美琴さんがいてくれるだけで幸せなのにさ。こんなにしてもらって、どこに何を言えって言うの」
そっと抱えた体、頬に瞼にと、再び唇を落とす。
啄ばむような動きに、くすぐったさが混じるのか、時折身を捩りながら、だけど応えてくれる。
一度放出した美琴の身体はどこを探っても敏感になり、ただ瑛佑を煽るものにしかならない。
「ねぇ、もう我慢できないんだけど…」
「手加減してくださるんじゃなかったんですか?」
「これ、終わったらまた”休憩”にしてあげるから」
終わりがない発言に、美琴は気付いたのだろうか。
それとも求めてくれたのは美琴のほうだったのだろうか。

伸ばされた掌が瑛佑の頬に触れた。
後頭部に回される手の温度が心地よい。
甘美な吐息が注がれ、そして贈ってあげる。
何度も囁かれる「愛している…」の言葉が、互いの口腔に飲み込まれていく。
雪のような白い肌に、瑛佑が飾ったイルミネーションが赤く輝きを放っていった。

―完―

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
Rにならなかった…(汗)
いや、なったよ。読者様の脳内で。
ちなみに社長からもらった5000€は"ご祝儀"です。(あれこれしてくれるんだね、社長…)

Back←
関連記事
トラックバック0 コメント3
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
No title
コメントmiki | URL | 2010-12-11-Sat 16:30 [編集]
社長たまにはイイ事しますね。こんな風になってるとは知らずにお子様達はハシャいでるんでしょうね~♪いつも振り回されて大変な美琴さんなのでたまにはゆっくりして下さい(^^) 翌日動けないかもだけど(笑)←余計なお世話だ
Re: No title
コメントきえ | URL | 2010-12-11-Sat 17:28 [編集]
miki様
こんばんは。

> 社長たまにはイイ事しますね。こんな風になってるとは知らずにお子様達はハシャいでるんでしょうね~♪いつも振り回されて大変な美琴さんなのでたまにはゆっくりして下さい(^^) 翌日動けないかもだけど(笑)←余計なお世話だ

たまにはいい仕事してくれないとね。社長さん。
振り回しっぱなしなので。
そう、たまにはゆっくりね。
来年度の目標はきっと『体力をつけること』でしょう(←爆)
お子様~、お子様~、お子様~(←誤魔化すな、オイ)
きっと大騒ぎ。
コメントありがとうございました。
No title
コメントきえ | URL | 2010-12-11-Sat 17:33 [編集]
s様
こんばんは~。

>美琴さんたちだけじゃなく、お子ちゃまたちのクリスマスも知りたいです・・・

ですよね~。
言い出しっぺの話がなーんにも出てきていないし。
ってか、お子様人気、高いですね。
なんでしょう。あのバカッぷりがいいんでしょうか。
ドイツでもきっと園児服、着ていると思います。
コメントありがとうございました。
トラックバック
TB*URL
<< 2019/12 >>
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


Copyright © 2019 BLの丘. all rights reserved.