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BLの丘
白い色 34
2010-11-20-Sat  CATEGORY: 白い色
R15くらい? ちっとだけ絡みがあります。閲覧にはご注意ください。

夜の戸締りを終えると暗闇が自分たちを包む。
閉店は19時だった。
夕食に間に合う主婦の買い物時間に合わせているようなところがある。
無駄に長く開店して、光熱費と人件費をかける実績はまだない。
すでに従業員は全員帰したあとだ。
「大翔、厨房の方は全部締めたからね」
明るい美祢の声が廊下ごしに響いた。
事務所の電気を消してしまえば、裏の出入り口の曇りガラスに、それも外から届く明りだけになる。
そこに立って大翔を待つ姿、浮かび上がる白い頬がまるで誘っているように見えた。

「美祢…」
近付くと一瞬堪えるような仕草を見せる。
だけど口付けてしまえばそれ以上の抵抗はなかった。
舌を絡め取る激しい口付けのあと、薄明りの下に照らされる銀糸がやたらと卑猥に見える。
「夕飯、食って帰ろうかと思ったけど…。ルームサービスでもいいだろ?」
「大翔、明日、休みだよね…」
美祢は改めて確認した。
「うん、美祢不足だ…」

この職場について一番に変わったことは『休日』だった。
定休日を持たない職場は、休みを交代でとる。
週休2日制をとる会社に対して、特に予定の無い美祢は他の事務員に週末を譲った。
交代制のために、3人いる事務員もほとんど2人で過ごす事務室だ。
時に1人というときもある。
それでも事たりるように事務処理は済まされるようになっている。
取引が『本社』ということもあって、多少の細かいことは先送りにできる。
大翔との調整までつけてくれるのは、滅多に顔を出さない駆のおかげといっていい。
表向き、『店長』の駆なのだが、実質的には大翔に任されていて、駆は本社との往復をくりかえしていた。

早速ホテルへと流れ込んだ二人は、何の迷いもなくバスルームに入った。
大翔が泡立てたホイップクリームのような泡を全身に纏わせると、大翔が微笑んだ。
「泡だらけの美祢って、白無垢を着ているみたい」
一瞬何事か、理解できなかった。
やわやわと洗われる肌に、欲情の色が浮かんでくる。
ここ最近、情事とは無縁だったから余計に欲が滾るのだろうか。
浅ましい姿を見せたくなくて身を捩るのだが、無駄な努力だった。
「美祢…」
泡につつまれた身体を背後から抱き締められ、耳元で囁かれる。
腰に当たる熱が、何とも逃がし難い。
薄い尻の丘を揉み扱かれながら、骨ばった指が、後孔を撫でた。
「美祢、俺の色に染まれよ…」
「ん?」と美祢は顔を上げた。
切ないような、だけど射ぬく瞳が美祢を捕らえてくる。
「真っ白な美祢もいいけどさ。俺のだって分かる色をつけて安心させてほしくなる…」

これまでも何人かと付き合った事実を大翔は知っている。
だが、最後までその人物に合わせた『色』に染まることがなかったのを、美祢も大翔も感じていた。
誰に抱かれようが、最終的に穢れることがなかった、『純真無垢』な美祢であった。
分かるから大翔は焦がれるのであろう。

自分色…と唱える大翔に、思わず苦笑が浮かんでしまう。
そんな美祢を見て大翔は徐に訝しさを見せた。
「何?」
不機嫌になりそうな大翔の背に振り返った美祢は細い腕を回す。

「もう、大翔の『色』じゃん。大翔、真っ白、大好きでしょ?お豆腐みたいなの…。大翔がいるから今の僕がある。この『白』は大翔のものなんだよ」
誰と付き合おうが、誰かの色に染められることに、最終的な抵抗があったのは、戻る場所を思ったからなのかもしれない。
結局美祢は、最後の最後まで大翔を求め、彼の欲しがるものを受け入れるために他を拒絶し続けた。
『白い色』は大翔が一番に好むものであって、他の人間に汚されてはいない。
美祢の色を維持するのも変えるのも大翔なのだ…。
何より、大翔が作り上げた…。
あとは好きに、大翔が変えればいい。

「美祢…」
被さってくる唇に応える。
「大翔が、これが良いって言うから…」
「ぁぁ、美祢は『白』が一番似合う…」
「大翔が言う、『俺の色』って何色だったの?」
それはまるで悪魔の質問のようだった。
答えに詰まった大翔が「ぅんっ」と喉奥を鳴らした。
自分の傍にいてくれることに色など思い浮かばなかった。
美祢はいつだってまっさらだ…。
改めて問われても『白』しか浮かばない。

「真っ白が一番…。俺だけの美祢…」
静かに美祢も頷いた。
「うん、大翔が全部、染める…」

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週末休みかなぁ。何かあったらUPしますので。いつものごとくこんな宣言。
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コメント

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No title
コメントきえ | URL | 2010-11-20-Sat 07:30 [編集]
MO様
おはようございます。

>『白い色』は大翔が一番に好むもので、他の人間に汚されていない美祢なんですね。二人とも、公私ともに充実していて、幸せになれそうですね♪ きえ様、良い週末を~(^^)v

やっと『色』の意味が出た?!って感じです(^_^;)
でもなんか、うまく書けていない気がしています。
もうちょっと練った文章が書けないのか?みたいな…。
遠回りしたけど、一番幸せな場所に辿りつけたようです。
何より、本人たちが実感していることでしょう。
コメントありがとうございました。
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