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BLの丘
白い色 17
2010-11-04-Thu  CATEGORY: 白い色
目覚めたのは朝というにはまだ早い時間のようだった。
すぐ隣で、スースーと安らかな寝息を立てる息使いを感じる。
広いベッド(実際には2つに分かれているのだが)の隣に並んでいるのが駆だと気付くまでに、そう多くの時間を要しはしなかった。
その距離は、決して『くっついている』ものではない。
それから、美祢は自分がワイシャツと下着だけの格好でいることに気付いた。
スーツを脱がせてくれたのは駆だろう。
そのことにわずかな恥ずかしさが胸を襲う。

ベッドサイドを照らすオレンジ色の小さな明りの下、覗きこんだ駆の寝顔は、どことなく大翔に似ていると、美祢は思った。
伏せられた長い睫毛や、キリッと結ばれた口元。
普段は大翔との言い争いばかりでその細部に触れることはないが、改めて凝視してみれば、似通ったところばかりだ。
どちらかといえば、駆のほうが、母の春代に似ているのかもしれない。
温和な雰囲気は駆の方が強く、大翔は野心的なイメージがある。

結局、『付き合う』とはいったものの、こうして同じ部屋に寝ながら、何もなかったことに安心していた美祢だった。
自分が酔い潰れてしまったから自粛したのだろうか…。
求められたら、どう、反応するのだろう…。
様々な疑問が美祢を襲ってくる。
どことなく控え目な駆の態度は美祢の中でも燻っている。
『恋人』と呼ぶにはまだ何も足りていない気がした。
だが、今のままでいたい気持ちもある。
性に関しての期待と、これまで過ごした日々にこれ以上のスパイスを加えたくない日常。
相反するものが美祢の中に渦巻いていた。

ボスンと美祢は枕に顔を埋めた。
今日、駆と泊まったことは大翔にはすでに知られているのだろう。
きっと大翔は何も言いはしないだろうが、駆との間を確実に埋めた”事実”に何故か心が痛む。
実際には何も起こっていないのだか…。
彷徨う理由は何だろう。
兄弟だから…?
謎の答えは美祢には導き出せなかった。
単純なもので、目を閉じれば再び睡魔が襲った。
こんな状態でありながら、安心して眠れるのは、駆の人間性という他にない。
美祢は、それとなく『手を出されない』状況に気付いていた。
それは大翔に寄せるものと同じような感情なのかもしれない…。


月曜日の朝には必ず朝礼がある。
朝礼とは言っても事務所にいる人間が集められ、他に工場長や別室にいる品質管理部の人間が顔を出す程度で、事務所内で済ませられる。
社長から世間話をされ、各部署の部長などが近況報告をしたり、と他愛のないものだった。
朝礼が終わればそれぞれの持ち場に戻って通常通りの仕事が執り行われる。
目の前に座った目梨が、今日も矢継ぎ早にスケジュールの変更や美祢を信頼しての仕事を頼みこんでくる。

「そういえば美祢ちゃん、週末大翔くんと一緒じゃなかったの?」
突然話が切り替わって、美祢はついていけていなかった。
「へ?大翔?」
美祢から素っ頓狂な声が上がると、隣にいた菊間と、その前に座る東御も美祢を振り返った。
「常務と一緒に帰っていったからてっきり話が通っているんだと思っていたのに、迎えにきたからさ。しかも電話がつながらないってイラついてたし」
「目梨さん…」
何かを咎めるように菊間が間を取った。
どうも意味が分からないでいるのは美祢だけのようだ。
目梨はなんとなく菊間の間合いに感じるものがあったようで話を進めようとはせず、自己の中で処理をしようとしていた。
雰囲気を読むのはさすが営業だ。
「大翔くんと喧嘩をしたとかじゃないよね?まぁ、美祢ちゃんたちの間でそれはないとは思うけど」
大翔がイラついていたというのも意外だった。
確かに着信があったのは目にしたが、どうせ『駆と一緒にいるのか?』という確認だろうと思って続く連絡もしていない。
いや、しづらかった。
フッと駆が座る席へと視線を向ければ、こちらに気付くこともなく書類に目を落としている。
あの後、駆と大翔とで、どんな会話があったのだろうか…。

目梨と東御の中では、この時、兄弟と友人の確執が脳裏を過っていた。
一番平和を感じる部分に、陰りを見た気分だった。
美祢が大翔に内緒で行動を起こすことは珍しいと周囲も承知している。
しかも相手をしたのが駆ともなれば、深刻な内容なのだと想像せざるを得ない。

「えーと、別に…。そんなことないし…」
答えながら美祢は過去を振り返り、大翔と喧嘩もしたことがないことを思い出していた。

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つまらない回になった…。
そのうち動きがあれば…。
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コメント

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No title
コメント甲斐 | URL | 2010-11-04-Thu 00:56 [編集]
朝チュンか!?
と思ったら、ほんとに何もなかったんですね
無防備に眠る子をみたらそんな気にならなかったな
イタイケな子供にいけないことするみたいだし
と思ってかどうかはわかりませんが…
Re: No title
コメントきえ | URL | 2010-11-04-Thu 08:05 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 朝チュンか!?
> と思ったら、ほんとに何もなかったんですね
> 無防備に眠る子をみたらそんな気にならなかったな
> イタイケな子供にいけないことするみたいだし
> と思ってかどうかはわかりませんが…

期待を裏切ってすみません…。
本当に何もなく一夜を過ごしたお二人でした。
うん、たぶん、駆は『お子様に手を出してはいけない』と思っていたのではないでしょうか。
それか最初っからその気なしとか…(また意味深な発言が…)
コメントありがとうございました。
No title
コメントかや | URL | 2010-11-04-Thu 10:21 [編集]
ふ・・・。
やっぱりね。わかっていたわ。
・・・わかっていたけど、もしかして、って期待したのも事実なのよ。
BLなんだもの。期待するぐらい、いいじゃないのよぅ(><)←八つ当たりwww
Re: No title
コメントきえ | URL | 2010-11-04-Thu 11:21 [編集]
かや様
こんにちは~。
ごめんなさい~っ.....(;__)/|
こちらにも期待を裏切ってしまった方が…。

> ふ・・・。
> やっぱりね。わかっていたわ。
> ・・・わかっていたけど、もしかして、って期待したのも事実なのよ。
> BLなんだもの。期待するぐらい、いいじゃないのよぅ(><)←八つ当たりwww

わかっていたでしょう!そうでしょう!!(開き直ってる)
R不足で八つ当たりされているんでしょうか…。
(私の身体をあげるから許して←いらないって)
いつか期待を裏切らないものを書きたいです。
コメントありがとうございました。
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