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BLの丘
白い色 16
2010-11-03-Wed  CATEGORY: 白い色
ラウンジのゆったりとしたソファに駆と並んで座った。
並んでいるとはいえ、不自然な近さも遠さもない。
美祢はカンパリ・ソーダを注文し、駆はウィスキーのボトルを入れた。
美祢が大きな氷の入ったグラスに注ぎ入れようと、ボトルに手を出すのをやんわりと止められる。
「ホストみたいなことはしなくていい。それに自分の好みで作るよ」
ふわり微笑まれて、美祢も頷いた。
正直なところ、飲み慣れないもののちょうどいい割り方を知っているわけではない。
「駆くんて、普段何を飲むの?」
国分寺家で皆で食事を取る時は、社長に合わせるせいか、大概日本酒だった。
その血を受け継いでいるのか、大翔も日本酒を好む。
おかげで美祢も口にする機会が多く、銘柄にも詳しくなり、同時に自分の趣向も知ったが、国分寺家の人間のように量を多く飲めるほどにはならない。
「とくに、これ、というのは決まっていないけど。その日の気分かな」
「ふーん。大翔もそうだけど、何でも飲めるってすごいよね」
「まぁ、いろいろと付き合いとかあるからね」
「接待とか?」
「最近じゃ、親父の代理とかも増えたしな」
一社員の美祢では想像のできない世界である。
北野からも幾度かそんな話を聞いたことがあったが、基本的に北野は仕事の話をしたがらなかったし、美祢も突っ込んで聞こうともしなかった。
なにはともあれ、社内の仕事以外でも忙しい身分なのは納得できることだった。

「いつか大翔もそうなっちゃうのかな」
「淋しい?」
「そんなことはないけど…」
ふと口にしてしまったことを嫌味もなく問われて、内心で舌打ちをした。
いくら仲を知っているとはいえ、意味が含まれての『付き合い』の中で聞きたい名前ではないだろう。
しかし、駆には特に気にした様子も見られなかった。

それからは相変わらず仕事の話や過去の思い出話など、普段の会話の内容と何ら変わらなかった。
時に笑い時に不貞腐れ、そんな美祢に、大翔がするのと同じように髪を撫でられたり頬をつつかれたりする。
けどその手の温かさは当然のことながら大翔とは違った。
なんだろう、『幼い子を可愛がっている』、そんな感じがするのだ。
駆と一緒にいると、安心するのはもちろんだったが、親に甘える、といった感覚が湧いた。
こんな風に思う相手は初めてだった。

しばらくラウンジで飲んでいるうちに、美祢は眠気を覚えた。
どれくらいの時間が経っているのだろう。
トロンと瞼が重くなってくることに気付いた駆が、そっと美祢の肩を抱いて駆の肩にもたれかけさせた。
「もう、部屋に行こうか…」
耳元で囁かれた声に、素直に頷く。
駆がボーイと話をし、サインをしている物音を完全に目を閉じた状態で聞いていた。
一度瞼が降りてしまえば、一気に眠気が襲ってくる。
美祢の思考は停止していて、ただこのまま眠ってしまいたいという脱力感しかない。

「美祢ちゃん?大丈夫?立てる?」
駆の問いかけにかろうじて頷くのだが、美祢の閉じられた瞼は上がることがなかった。
「ちょっと、飲ませ過ぎちゃったな…」
後悔にも似た呟きが聞こえて、迷惑をかけている…と僅かに脳裏を過っていったため、美祢は何とか自分を奮い立たせ、目を開けようと努力をした。
それとほぼ同時に、グイッとさらに強く駆に引き寄せられた。
次の瞬間、ふわっと身体が宙に浮くのを感じた。
「?」
「寝てていいよ。部屋まですぐだから」
優しい声だ…。
こんなことがつい最近もあったなぁ…とおぼろげに振り返る。
菊間の家で酔い潰れて、やっぱりベッドまで運んでもらったことを思い出して、どうして自分の周りには簡単に持ち上げられる強靭な男たちばかりなのだろう…と細い自分が情けなくなった。
人目がある場所でありながら、抵抗を持たずに接してくれる駆に感謝もする。

連れて行かれた部屋はジュニアスイートルームだった。
とはいえ、すでに眠りの世界に足を突っ込んでいた美祢は部屋の広さも設備も知ることはなかったが。
二つのベッドがありはしたが、隣り合って配置されている。
その片方に美祢を寝かせ、駆は一つの溜め息を吐いていた。
顔にかかるさらさらの髪をくすぐったそうに美祢が無意識に手で払いのけようとしているのを見て、駆の大きな手が梳いてやる。
安心したように美祢の頬が緩んだ。
躊躇いはあったが、窮屈そうな服を脱がしてやるべく、駆の指が美祢の服のボタンにかかった。
美祢は一つの抵抗も見せはしない。

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80000hit様間もなくでしょうか。
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コメント

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駆兄さまって・・・
コメントけいったん | URL | 2010-11-03-Wed 10:54 [編集]
どうも 美祢を 恋愛の相手として見てる様では 無い?

何処までも優しいし、際限なく甘やかしてくれるし、限りなく受け止めてくれる...理想的な人だけど。
何か 物足りない感が あるんですよ!

・・・で 大翔は 美祢を 放って 今 何してるんだ!

もう今日には <80000HIT>ですね。誰が どんなリクするのか 楽しみ~♪(^o^)ゞbyebye☆
Re: 駆兄さまって・・・
コメントきえ | URL | 2010-11-03-Wed 11:49 [編集]
けいったん様
こんにちは~。

> どうも 美祢を 恋愛の相手として見てる様では 無い?
たぶんそのとおりだと思います。

> 何処までも優しいし、際限なく甘やかしてくれるし、限りなく受け止めてくれる...理想的な人だけど。
> 何か 物足りない感が あるんですよ!

うちの読者様は鋭いというか、私の書き方が単純というか…。
駆はいい人です。(←それだけ?!)

> ・・・で 大翔は 美祢を 放って 今 何してるんだ!

何しているんでしょう。
あくまでも美祢視点なので細部まで書ききれていないんですけど…。
(中途半端な書き方になっているなぁ、今回…。)
コメントありがとうございました。
No title
コメントかや | URL | 2010-11-03-Wed 19:47 [編集]
うーん、意味深なシーンだけど、きっと、そうはならないんだろうな・・・(≧∇≦)
じれじれですねー。
美祢ちゃんも大翔くんもじれじれしますよ・・・。
Re: No title
コメントきえ | URL | 2010-11-03-Wed 19:58 [編集]
かやさま
こんばんは~
よくおわかりっ!

> うーん、意味深なシーンだけど、きっと、そうはならないんだろうな・・・(≧∇≦)
> じれじれですねー。
> 美祢ちゃんも大翔くんもじれじれしますよ・・・。

そうにはならない駆と美祢です。
じれじれとゆっくり進んでいきます。
大翔も…?!
あー、まぁじれじれと…。
コメントありがとうございました。
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