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策略はどこまでも 34
2009-08-02-Sun  CATEGORY: 策略はどこまでも
那智視点に戻ります。

世の中はサンタクロースの姿と光り輝くイルミネーションで覆われている。間もなく12月を迎えようという頃。
海外転勤が決まった岩村卓也の企画した同窓会が迫っていた。
誰かと相談したわけでもなく、単に自ら何かを送りたくて、那智はちょうど休みが合った高柳久志を誘った。

最初久志は「岩村なんかにプレゼントなんかやらなくていい」と不機嫌も露わに言ってはいたが、「遠くに行っちゃうんだしたぶん最初で最後だから」と那智が説得すると渋々頷いてくれた。
久志が土日休みになるのは珍しい。どしゃぶりの雨だった土曜日を家の中で過ごすことになり(天候の面でも体力的にもとても動くになれなかった)、日曜日の昼前に出向いたデパート。
上層階でお歳暮のコーナーが開かれ、一方でデパ地下ではクリスマス料理と共に、早くもお正月用品が並べられていた。
日曜日ということもあり、かなりの人出があり、にぎわいを見せている。

「すごいね。なーんか、季節感狂う」
那智がポツリと呟けば、隣に並んだ久志が「そお?」と短く返しただけだった。
「なんで?変に思わない?12月にもなっていないのにサンタクロースと門松だよ?」
「うちの会社なんか全部一緒だぜっ。クリスマスケーキが一斉に出荷と思ったら次の日にはおせち料理が来てるし。一緒があたりまえ。しかも正月が明けたらなぜかスイカが出回ってたりするし」
運送会社に勤める久志には、世間一般の観念とは違った見方があるようで、那智が驚きを表すたびに、「今更、何?」といったそっけない返事が返ってくる。
確かに運送業界では色々な品物が往来しているかもしれない。最近ではハウス栽培とかで一年中色々な食材は見られる。仕事柄仕方ない発言とは思っても、久志の感覚は那智には分からなかった。

店内には女性客が多く、久志が歩くたびに人が振り返っているのが分かる。身長が高いので目立つのもあるのだが、切れ長の二重瞼から放たれる雰囲気は野性的という表現がぴったりで、見る者を惹きつけていた。
女性店員が声をかけたそうに眺めているのだが、気後れしているのか久志が声をかけられることはなく、隣をチョロチョロとしている那智ばかりが狙われる。やたらと色めきたった店員は高い声でまず那智に声をかけ、一緒に立ち止まった久志へと視線を送る…といった具合だ。
そして那智は男性店員からもよく声をかけられた。その度に久志が鋭い目つきで店員を威嚇していたので、プレゼント選びは全く進まなかった。

「菓子折りの一つも渡してやりゃぁいいじゃん」
「やだよ。何か記念に残るものがいい」
「空き箱を記念に持っててもらえば?」
「…ねぇ、ホントにヒサってば岩村の友達なのぉ?」
あまりにも投げやりな久志の態度に那智は一瞬黙ったあと、呆れたと言わんばかりに疑わしい目を向けた。
お互いあえて言葉にしなくても伝わるものがあるくらい仲が良いのは知っていたが、親しき仲にもナントカじゃないのかと那智は咎めたかった。
異動っていったって、行先は地球の反対側、ブラジルだ。今後は早々会えるものでもないし、餞別としてなら形ある物をプレゼントするのが普通だろ?
そういった一般常識までなくなっちゃったのかと少々疑問を持ちながら、今後の自分たちは大丈夫なんだろうか…という心配にまで及んでしまう。

「オトモダチ、やらせていただいております。…、要は気持ちの問題だろ?それにあまり嵩張るものだと引っ越し云々のことがあるから逆に迷惑になるだけだぞ」
あ、と那智は思った。形あるプレゼント、とばかり気を取られていて引っ越しのことなど全く頭から抜けていた。海外までの引っ越しとなれば日本国内を移動するのとは訳が違うだろう。持っていく荷物だって最小限になるだろうし、記念品ともなれば持って行かなければ、という負担にさせてしまう。
岩村のことだから無下に扱うなどしないだろうし、久志の言うことは確かだ。
久志に諭されシュンと俯き加減になってしまった那智の頭上を、久志の大きな手がポンポンと叩いて慰められているようだった。
「小さくて持ち運べるものなんていくらだってあるさ。とりあえず、先にメシ食っちゃおう。どうせまだ見て回るんだろ?」
すでに午後1時を回っていることに気付き、朝食(ここに来る前に起きたのだが)もコーヒーだけで済ませていた二人は、考えた末に店を変えることにしてデパートを出た。

この近辺はショッピングエリアとして開発されており、たいして歩かなくても全ての用事が済んでしまうくらいの店の数があった。
近くのイタリアンレストランに入り、『休日おすすめのランチメニュー』をたいらげた後、今度は日本の民芸品が揃っている雑貨屋に行くことにした。

各地方から集められた伝統工芸品などもあって、那智たちでも知らない日本の世界が広がっていた。
さすがに食器類などはあげる気にもなれず、自然と雑貨のコーナーで足が止まる。
「なぁ、これとかいいんじゃない?」
そう言って久志は閉じられているものをパッと広げた。扇子だった。那智の顔が無意識に綻ぶ。
これなら小さいし、(たぶん)暑い国のブラジルで使い道があるんじゃないかと咄嗟に思った。
「いーじゃん、これっ!壊れてもいいように2,3本買ってあげようよ」
広げた時の絵柄がたくさんあり、いかにも『日本』を表す富士山や浮世絵、桜など様々だった。一目で気に入ってしまった那智は、2,3本といいながら手にはすでに10本近い数を握っていた。
「あのさー、那智。おまえ、こんなにどうすんの」
溜め息まじりに久志が那智を制した。
「こっから選ぶの。選択肢はいっぱいあったほうがいいんだよ」
「多けりゃ悩むだけだ」
そういって、那智が握っていた扇子を全て取られ、一斉に商品棚の上で広げられる。

その頃になって二人を見守っていた白髪交じりの男性販売員が寄ってきた。若い二人組だったので冷やかしかと思い近づかないでいてくれたのだが、真剣に選び出す姿に声をかけてきた。
「お気に召したものがございましたか?」
那智は適度な距離を保った販売員に好感を覚え、すぐに友人が海外転勤になり何か品を添えてあげたいことを前置いて、扇子が気に入ったのだが柄をどれにしようか悩んでいることを伝えた。
販売員はテキパキと並べられた中から人気の商品を5点選び出した。
「当店で人気のものはこちらですね」
やはり富士山、浮世絵、相撲ときたので、那智は選ばれた中からその3種を買うことにした。
和紙で出来た袋に包んでもらい店を出る。本来の目的を果たせて那智はホッと一息ついた。

「あれっ、高柳さんじゃないですか?」
店を出て数歩のところで、背後から男の声がした。久志につられて振り返った先にはまだ若い男が立っていた。

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少々長くなりましたが…
久々の那智視点といいながら、何が違うの?状態…(/_;)
文章力がない=展開がない に通じていると痛感するこの頃です。
しかも季節感なくてごめんなさい。
お付き合い下さっている方、本当にありがとうございます。
そして、この男、誰?
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