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BLの丘
策略はどこまでも 番外ヒサ編 17
2009-07-30-Thu  CATEGORY: 策略はどこまでも
夜の薄暗い明りの中で見る肌の色よりも、ずっと透き通って見えた。那智は夜でも電気をつけるのをものすごく嫌がった。
真っ暗な中など久志の方が耐えられなくて、ベッドサイドのランプの明かりを極力落とすことで納得させていたが、昼間に晒された柔肌は夜目の中とは違い久志の興奮を充分に煽り立てた。
那智の息が上がるほどまでにゆっくりと口腔内を蹂躙してきつく吸い上げた舌。絡めとった那智の唾液と自分のものをたっぷりと交じり合わせて再び那智の中に戻すと、コクッと喉が鳴った。

那智の唇を離したその直後、息も絶え絶えなのに、漏れる動揺の言葉。
「…い、かげんに、しろよっ!!…どこまで、ヤりゃぁ、気が、済むんだよっ!!」
興奮を纏い始めたらしい白い肌が、口付けだけで淡いピンク色に変わっているのが分かる。昨夜、那智の身体に数多く散らせた花弁が綺麗に咲いているのが見えた。
どんなに罵る言葉を吐いたところで、那智の全身に色めき出した情は隠しようもなかった。

「人をサカリがついたネコみたいに言わないでくれる?」
「ネコぉぉ??野獣の間違いだろっ」
久志が、自分だけが責められるのは腑に落ちないと、不愉快そうに言い返しても、那智から聞こえる言葉は更なる悪態ばかりだった。

「那智だって感じてんじゃん」
何の前触れもなく、那智のシンボルを掴めば、僅かながら形を変え始めているものが久志の手の中に収まった。
「ひゃ…ァ…ッ」
突然のことに、那智の身体がビクンビクンと大きく波打った。
昨夜から日付が変わった数時間後まで弄り回した那智の身体は、久志の触れる場所ごとに様々な反応を見せる。
一番ダイレクトな刺激がここだと言わんばかりに、久志の掌は那智の中心を手放さなかった。

ただの身体の繋がりだけなど、そろそろ耐えられないと久志は思う。
手を差し伸ばせば那智は応えるようになってはいたが、久志が以前から薄々と感じているような恋情の言葉は一度だって聞かれたことがない。
「これでもちがうって?おねだり以外聞かないぞ。それか、親友じゃなくて恋人に昇格するって宣言する?」
文句など聞かないと先手を打った。

いくらなんでも嫌いと思う相手に身体の全てを差し出すことなどないと思う。過去、他の男を嫌う姿を見ているだけに、受け入れられた嬉しさはあったが、本当に欲しいものと一致するかはまだ謎のままだ。
仮にこの身体を他の誰かに触れられたなら…。他の男の手でも感じると那智自身が気づき、久志以外の人間に興味を示されたなら…。

自分だけに感じる身体に仕立て上げたつもりだった。身体の芯の奥までを焦げ付かすように与えた丁寧な愛撫。開放感を常に味あわせ底無しの快楽へと誘(いざな)った。身に走る衝撃ですら甘い快感の波へと変えた。

だが、いつだって那智はその心を言葉に出して言うことがない。
「い、うか…っ…」
ほら、今だってそうだ…。

那智の中心を揉み扱きながら、快感への道筋をたどったが、極めるために感じる場所は徹底的に反らした。
それがどんな反応を示すかなど、もう知りきっている。だが、久志が今、聞きたかった言葉は肉体的な開放を求める声ではなかった。
「…んっ…」
那智の白い首筋が大きく弓の形を描き、その先を求める姿を確認した時、久志は手の動きを止めた。
寸前のところで突然刺激を失った身体に、那智の目が辛そうに久志を捉えた。
「ァあ…んン…っ」
「だめだ。俺のものになるって言えたらな」
幾度だって繰り返した言葉が、再び久志の口から零れた。

滝沢を那智と間違え、抱(いだ)いた夜から、久志の心はどこか不安げな那智を追っていた。
滝沢の言葉を借りて、「那智が久志に対して自信がない」と思う部分がどこにあるのだろうか。
これほどの綺麗な肌を晒し、たとえ薄汚い言葉であっても素直に自分を表現して見せるのは久志だけだったはずだ。久志の全てを虜にし、他の誰にも与えられることのなかった久志の愛情を一心に捧げているのに、それでも那智を不安にさせるものとは何なのだろうか。

那智が小さく首を振った。
どこまでも頑なに久志へと舞い降りてこようとしない那智がもどかしくて、久志は思わずイライラとした声を上げた。
「どうして?俺のこと、嫌いじゃないんだろ? 好きなんじゃないの? だからこんなことだってできるんじゃないの? 那智にとって俺ってなんなの? おまえの体を気まぐれだけで抱いてるとでも思ってた? 那智は俺のことをどう思ってんの?」
一気にまくし立てた久志の言葉に、那智の伏せられた瞳から大粒の涙がはらはらと流れ出た。この状況で泣き崩れる那智の心情が全く読み取れない久志は更に苛立ちを言葉にした。
「言えよ。全部言え。那智が思ってること、全部ぶちまけろ。何が気に入らないんだ、なんで俺のものになれないんだよっ」
那智から「…ぁぁ…」と小さな嗚咽が漏れる。両手で泣き顔を隠すように覆うとする那智の両腕を掴んでシーツの上に縫いとめた。
那智を隠すものが何一つなくなって、愁いを帯びた表情がさらけ出される。
痛々しいほどの泣き顔から涙が止まることはなかった。
久志は悔しさでいっぱいだった。泣かせたかったわけではない。ただ那智の気持ちが知りたいだけなのに…。
柔らかな那智の唇に、自分のをそっと押しあてた。ただ触れるだけの優しいキス。

束の間、無言で何かを躊躇っていたようだが、真上から久志が見下ろしているうら悲しい視線と絡んだ時、戸惑いを含んだ紅い唇が震えながらそっと動いた。

「いや、だ…。嫌なの、こんなの…」

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コメント

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お邪魔します
コメントメグミ | URL | 2009-07-30-Thu 12:32 [編集]
はぁ~・・・ヒサの気持ちはいつになったらなっちに伝わるのか・・・
なっちも素直にヒサに伝えて欲しいですねv-238
Re: お邪魔します
コメントきえ | URL | 2009-07-30-Thu 14:30 [編集]
メグミ様

こんにちは。早速の訪問ありがとうございます

> はぁ~・・・ヒサの気持ちはいつになったらなっちに伝わるのか・・・
> なっちも素直にヒサに伝えて欲しいですねv-238

いつになったら伝わるんですかね~(笑
お互いすれ違ってばっかりのこれまででしたが、今回ヒサがキレかかったことで少しは進展があるのではないかと…(たぶん
そうこうするうちに、番外ヒサ編はあと2日で終わる予定です。
もう、番外じゃなくて、このまま本編としてしまおうかと思うくらい長くなっちゃって…汗(-_-;)
(というより、話がつながらない状態になってしまいました………)

コメありがとうございました。ぜひまたお越しください。
ひみつコメ様
コメントきえ | URL | 2009-07-30-Thu 14:55 [編集]
拍手コメくださったY様。

すみません、目次の作り方、分からないんです。
ちょーっっ!! がつくくらいの機械音痴でして…。
この小説(夏休みの作文?)を毎日書いているのが精一杯の私です。
ひたすら、「新しく記事を書く」画面しかいじれません(;_;)

どこで何をして、次にここ、あれ入れて、そしたらこっちをいじって…みたいな、解説文がないとダメな性格なんです…
見本(というのか?)、取扱説明書みたいなのがあれば、それを参考にいじるんですけど…φ(..)メモメモ
以前別の方にも教えていただいたのですが、機械言葉からそもそも無知な私には宇宙のような世界でした。
ご期待に添えず、本当に申し訳ございませんm(__)m
私も読んでくださっている方に見やすいブログにしたいんですけどね………(-_-;)
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