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BLの丘
一番近いもの 3
2010-07-12-Mon  CATEGORY: 一番近いもの
朝から3回も絶頂を味わえば動く気力も無くす。
声を控え目にしてみたつもりだが、本当のところどうだったのか、意識も飛びかけた頭は判断なんてできなかった。
ただ何度か大希に呼吸できずに苛まれる唇を塞がれた。
彼としては、叫びあげる海斗を抑えたかったのだろう。

昼過ぎに大希は帰っていった。
小さなアパートへの引っ越しだからなのか、両隣とも昼には激しい物音がとまった。
自由…に過ごしてきたわけではないが、これまで隣近所に気を使う必要がなかった生活が一転したような気分だ。
些細なものおとですら響くのは、長年住んでいた自分が良く知っている。
しかも二部屋同時に埋まるなんて…。
なんとなく、『自由』を奪われたような感覚もあった。

汚れた身体は大希が拭っていってくれた。
後処理まできちんとしてくれるアイツには頭がさがる。
ただの性欲処理だけであれば、やり逃げでいいはずなのに…。(自分だったらそこまでしてやれるかとも思ったりする)
とはいえ、朝まで…朝から交わったことは稀で、正直体への負担は大きかった。
ベッドから抜け出せないまま、夕刻を迎えた。
だるくて何もする気が起こらず、夕食もどうしようかと考えてしまう。

…カップラーメンでいっかぁ…

買い置きの食材を思い浮かべながら、一番ラクな方へと思考が向いた。
その時、「ピンポーン」と呼び鈴が鳴った。
この部屋の呼び鈴を鳴らす人は宅配便の人間くらいだ。
慌ててスエットを着込み玄関先に向かって、確認もせずドアを開ければ、見慣れない男性が3人立っていた。
2人は学生っぽい。
海斗よりもずっと若者に見える。共に体格は良く、ひとひねりで海斗などのされてしまいそうだ。
二人が揃えばなおさらだろう。
もう一人は30代の社会人のようだ。
世間になれているような風格がどことなく漂うのと、見た目からしっかりした立ち振舞いがある。
「え?」
「初めまして。隣に越してきました花巻(はなまき)と申します」
年のいった男がニコリと笑いながら『挨拶』というタオルを手渡してきた。
髭は綺麗に剃り落とされ、撫でつけられた髪といい清潔感に溢れている。
ポロシャツの下には、鍛えられたような筋肉が見え隠れした。
「同じく、反対隣に引っ越してきました有馬(ありま)と…」
「鳥羽(とば)です。有馬と同居しますので」
学生らしいふたりはルームシェアのようだ。
ふたりとも頑丈そうだが、有馬のほうが鳥羽よりも少しだけ大きいように見える。
たぶん、190センチは越えているのだろう。
せんべいの入ったコンビニのビニール袋を渡された。
昨今、アパートでの暮らしに、近所なんて知らない連中が多い中、随分律儀なお隣さんだな…とちょっと思う。
「わざわざすみません。砺波です。こちらこそ、よろしく」
「大学生?」
鳥羽と名乗った男が、海斗が挨拶をするなり首を傾げた。
髪を短く刈り上げ、スポーツマンらしい男だ。
きりっとした目元が不思議そうに海斗を見ていた。
親しげな口のきき方に、隣の有馬がこつんと肘をたたく。
「ま、まさかっ。ちゃんと働いていますからっ。これでも25になっているんです」
ムキになっているからなのか、言わなくていいようなことまで口からすべっていく。
「あ、すみません。なんだかすっげー、可愛げがあったから」
「健太…」
とがめるような口調で、有馬が鳥羽の腕をつねった。

か、可愛げ…?!!!!…と、年下に言われたくないっ!!

不貞腐れる海斗の心境を読んだのか、有馬は「お忙しいところ失礼しました」とぐいっと鳥羽を引っ張った。
花巻も「どうぞよろしく」と言い置いて足を動かした。
笑顔が似合う…仕事のできそうな社会人に見えた。

いきなり現れた3人の『ご近所様』
玄関ドアを閉めてから、海斗はふと自分の姿に視線を下ろした。
休日なのだからスエットでも何の問題もないのだが、初対面の相手にこれは少し失礼だっただろうか…。
どこまでもぐーたらな生活を送っていると思われたのではないだろうか。
ところで、朝から繰り広げた欲望の生活を、もしかして聞かれていたのではないか…???
その顔を確かめたくてこの『引っ越しのご挨拶』?!
突然カッと熱くなる身体がある。
そう、羞恥…。

このあと、どうやって顔をあわせたらいいんだよ…。
恨むべきは大希ではないと分かりながらも、やっぱりどこかに何かをぶつけたい。
もらったせんべいは酒の肴になった。
朝から翻弄された『休日』があっという間に終わっていく。

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コメント

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No title
コメントきえ | URL | 2010-07-12-Mon 14:52 [編集]
MO様
こちらにもありがとうございます。

>新作3話、まとめて読ませてもらいました。海斗君は「可愛げがある」タイプなのですね♪ 両隣の三人の関係も含めて、あまり深読みをせずに今後の展開を楽しませてもらいますね。

今更ながらに、もっと詳しい描写を入れれば良かった…と後悔しています。
今後、ところどころに書き込んで、読者様に「え?」って言わせることになりそうです。
(もうこの際書かずに皆様に想像していただく…ということでも…)(←また投げ出した…汗)
登場人物がどう絡んでいくのか、お待ちいただければな…と思います。
コメントありがとうございました。
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