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BLの丘
ラベンダーのまやかし 7
2010-05-25-Tue  CATEGORY: 淋しい夜
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。

孔の中はともかく、入口はもうこれ以上開かない、というくらいに大きな杭が英人の入り口をまだ広げようとしている。
いや、広げられていた…。

肉塊の重量は限界を迎えそうだ。
バスルームで濡らされた水滴だけでは、スムーズな動きにならなくて、時折引き攣るような痛みが走った。
千城も滑りの悪さに、当然のように気付いている。
一度吐き出してしまった英人の白濁を塗り込ませても、完全に引き抜いていないだけに、入口付近にしか塗られず、強く押し込まれるたびに苦と悦の狭間に立たされた。
だからといって、抜き出されてしまうのは嫌だ…。
「ち…、ちし、ろ…っ!ちしろっ!!」

どうしてほしいのかは英人の身体も千城の気持ちも知っていた。
「おまえの中で出したい。いいだろう?」
こんなことは聞かれたこともなかった。
いつも勝手に英人の内壁の中で果てている千城だし、それが嬉しい英人だ。
「だしてぇ…ぇ…」
英人の中に香りを埋め込めるのは千城だけだ…。
そして千城の香りを一生大事に留めたい。

もっと深く奥を抉られる、もっと強く押し込まれる、もっと激しく…英人を求められる…。
両手を伸ばして必死で千城にしがみついた。
パンパンと尻を叩かれるような勢いで千城の肉体が食い込んでくる。
ぎゅうぅぅぅっと抱き締められた腹同士の擦り合いの中で、英人は二度目の絶頂を迎えた。
「あぁぁぁぁっっ…っんっ…っいくっっ…っ!!」
同時にきゅっと窄められた後孔が、熱い杭を逃さないようにとキツク咥えこんだ。
「んっ…っ」
擦れ具合の悪さの中で、より締め付けを感じたらしい千城の飛沫が英人の奥地に注がれた。

汚された…というよりは、『千城で綺麗にされた』…
そう思う英人だった。


いつもは専用のジェルやローションを使う行為も、この日は互いの精液だけで事が進められた。
ベッドルームの中には、互いの放ったものの雄の香りが充満していると言っていい。
何度の絶頂を迎えただろうか。
明け方近くになって英人はぐったりと肢体を伸ばし、静かな呼吸を繰り返しながら眠りについていた。
気を失わせるほどの性行為に陥ってしまえば、余程のことがない限り、英人は目覚めることがない。

千城はバスタブに湯をはり直すと、白湯の中に英人をそっと浸けた。
互いから迸った体液を綺麗に掻きだし流してやる。
英人が纏うものは、英人自身から醸し出される、この香りだけで充分だと改めて思った。

週末のみの使用を制限したつもりだが、その夜千城は、英人が買いためていた入浴剤をこっそりと袋の中に詰め込んだ。
英人が自分を汚らわしいなどと思うことは何もないのだ。
これを使うたびに英人の中に巣食うものを見せられるようで気分が良くなりはしない。
まぁ、時々の使用なら譲歩してやってもいいとは思っているが、英人の心理を考えれば二度と使用することはないだろう。
温泉もどきのものを使うくらいなら、直接温泉地に連れて行けばいい。
広い野天風呂を貸し切りにして、太陽が降り注ぐ新緑の中、岩肌の上で白い裸体を大の字に広げるのも一興だろう。
そんな想像をさせてくれた”入浴剤”に感謝しつつ、袋の中身は休み明けにでも可愛い部下に渡してやろうと、大きなお世話が働いていた。

―完―

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お付き合いくださいましてありがとうございました~。
あんけーとまで取っておきながらこんな結果で本当にすみませんでした。
久々の千城と英人、いかがだったでしょうか?
こんなものでも楽しんでいただけた方がいてくれたら光栄です。
1話目だけでものすごい拍手を頂いて、それだけでびびった私でした。でも嬉しかった~♪
あんけーとと共に期待をされていた方が多かったのだと知りつつ、ご期待に添えられなかった内容のような気がしています。
私が書けるえちってこんな程度なんだな~って思いました。

そうそう。入浴剤を渡された"部下編"とかありませんので悪しからず。
そんでもって別宅も一応記事はあります。別宅
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コメント

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たかが入浴剤、されど入浴剤
コメント甲斐 | URL | 2010-05-25-Tue 18:36 [編集]
いえいえ、楽しませていただきましたよ。
体臭も吐息すらも誰にも上げたくないし、邪魔されたくないってくらい愛しちゃってるんですね~。

入浴剤をもらった部下のひとりはみこっちゃん?
きっとおうちで、あんなことやこんなことする前やした後に、誰かと一緒にいい湯だなすることでしょう。みこっちゃんのカレシはそういうこだわりなさそうだから、今日は何の湯がいいかな~とかやりそう。っていうか、そんなフェチっぽいこと言ったらみこっちゃんに怒られそう。
Re: たかが入浴剤、されど入浴剤
コメントきえ | URL | 2010-05-25-Tue 21:42 [編集]
甲斐様
こんばんは~。
楽しんでいただけましたか???

> 体臭も吐息すらも誰にも上げたくないし、邪魔されたくないってくらい愛しちゃってるんですね~。

愛しすぎてぶっ壊れている二人です。
収集がつかなくなっているので、今後は読者様に育てていただきたいです。

> 入浴剤をもらった部下のひとりはみこっちゃん?
ひとり…というか全部押し付けられたっていうほうですかね。
こだわりのないカレシのようですけど、日々使っていそうですね。
そのたびに、「次はここに行こうね」って妄想ふくらませているかも。

けっこうマイナーなふぇちも、みこっちゃん好きかもしれないですよ。
(ヤバいっ!!またへんな妄想がっ!!甲斐様、書いて~っ)
コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-05-26-Wed 13:05 [編集]
MO様
こんにちは~。

>SSの連載、ありがとうございました。入浴剤と野崎のせいで、不機嫌だった千城も、十分に満たされた「濃厚な夜」に、大満足のようですね。入浴剤のプレゼントまで思いつくなんて・・・お互いの不満や、心に抱えた不安もさらけ出して、更に愛情が深まる二人ですね♪ 大好きな二人のSS、嬉しかったですm(__)m

こんなもので~(冷汗)って感じですっ…。
色々な要素が重なって不機嫌な週末も、英人が納得して抱きついてくれればなんだって流せちゃう千城なんです。
ハイ、もう充分なくらい濃厚な夜を過ごしているふたりです。
またこうやって一つずつ心の内側を晒していきます。そして絆を深める…みたいな。
入浴剤のプレゼント、ありがたがられるかめいわくがられるかはまぁともかく…。
千城のために用意しただけあって、いい価値はありそうです。
MO様いつも千城にラブコールありがとうございます。
コメントもとても嬉しいです。
また遊びにいらしてくださいね(はーと)
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