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BLの丘
策略はどこまでも 番外ヒサ編 6
2009-07-21-Tue  CATEGORY: 策略はどこまでも
合鍵を作った理由はいくつかある。
確かに家主がいない間に勝手に上がり込まれるのはいい気がしないだろうが、それだけ気を許していると那智に気付かせたかった。
緊急時、一番に頼ってもらうためというのもある。
時折不意打ちをついて押しかけ、どんな人間が出入りしているのかもチェックしたかった。
だが最大の理由は、久志が那智を独占していると皆に宣言したかったからだ。

「やだ。待ってる。…まあいいや。もう作っちゃったし」
合鍵を作っていたことを伏せていた久志は、チャラリとキーケースに入った、できたばかりの鍵をかざしてみせる。

ポイと那智の掌に鍵を返した。
那智は見せられたものが何であるのか、理解するのにしばらくの時間を要していた。
自分の掌に乗った鍵と久志のキーケースに収められた鍵。同じ形をしているものを交互に見つめること数回。みるみるうちに、その表情は硬くなっていく。
「はぁぁぁっ!?」

ただでさえ二重の大きな目を、さらに大きく見開き、長い睫毛をパシパシと瞬いた。
まったくもって予想もしていなかった久志の言葉とキーケースの中の鍵に理解に苦しむ声が上がる。
那智の困惑ぶりはある程度想像できていたことなので、久志はキツイ声をあげられても平然としていた。

「ちょっと!!何勝手なことしてんのさっ!いーわけないだろっ、…作ったって!?」
「那智が素直に寄越さないからだろ」
「やるわけないだろっ。なんでおまえに鍵渡さなきゃなんないの?ここ俺んちだしっ」
久志の手の中にあるキーケースを取ろうとして那智の手が伸びてくる。久志はさっと腕を引き、那智の行動を遮った。
行く宛てを失くした那智の体がバランスを崩して久志にもたれかかってきた。それを易々と受け止めると、きゅっと抱きしめ返す。
「やだよ。那智、俺のモンだからな。これは保険。那智が他のヤツ、連れ込まないように」

那智の耳元で囁くように呟いた。たぶん、そんなことをされたら正気ではいられなくなるのではないかと久志は思う。
特にあの男だ。那智が気を許しているらしい、弁護士とかいった…。
これまでに那智が誰かと親しく付き合いがあるなどと言ったことはなかった。しかもその名を那智から自然と伝えられた。
昨夜、なんでもないと那智は言いきっていたが、鈍感な那智が気付かないうちに…ということも充分考えられる。
だいいち、そいつの家にしょっちゅう立ち寄っているなどと聞けば、心中は穏やかではいられなかったし、少しでも早く完全なる確証が欲しかった。

「ありえない」
「それって俺だけって思っていいってこと?」
「………」
即答されたのに次に続いたこの無言は何なのだろう。抱きしめた腕の中の人物がピクっと動いただけで言葉を発しないことに知らずと不安が生まれる。
「那智?」
問いかけながら見下ろせば、顔をうずめるようにそっと表情を隠してきた。


久志は自分がこんなにも独占欲の強かった人間だったことに改めて驚いていた。

那智に出会うまでにも、数多くの恋愛ごっこはしてきたが、去る者を追うことなどなかったし、特に誰かに執着した覚えもない。
こちらから色恋沙汰を仕掛けなくても相手から寄ってきたからそれらを適当につまんで時が過ぎてきた。
那智と関わるようになり、親しくなればなるほど、那智に対して持て余す感情が不安や嫉妬だと気付くのに時間はかからなかった。いくら付き合う相手を変えても、那智からは自分に対する想いのような気持ちが聞かれることはない。

那智に対する想いをいかにして良いかを悩んでいた矢先に、那智を襲ったレイプ未遂事件が起きてしまった。
ラグビー部の練習中であったにも関わらず、フェンス越しに姿を現した那智が見えた。そして2年生に連れられて部室の方へと歩き出していく姿を捕らえた時、久志ははっきりと気付いたのだ。
他の誰にも気を許す姿など見たくないと…。
那智を連れ去ったのが、あまり良い噂の聞かない先輩だったから尚更、久志は練習を放りだした。
背後で部員たちが久志を呼び止める声を上げたが、聞こえなかった。グラウンドを横切る距離がもどかしかったのを覚えている。

鍵の掛けられた部室。自分を呼ぶ叫ばれた声。蹴破ったドアの向こう側。組み敷かれていた那智…。全身の血液が沸騰したと思った時には那智の上に乗っていた人物が木の葉のように吹き飛んでいた。

全てを守ってやりたいと思ったのに…。久志は触れようとして身体を強張らせた那智に言いようのない絶望感を覚えた。
拒絶されたことが長い間、久志の中でわだかまりとして残った。
那智に大胆に触れることが許されないと身を持って知れば知るほど、彼への欲求は増すばかりで、誰彼となく代役を求めた。

どんな状況になっても自分から離れていこうとしない那智に、僅かながらも期待を持った。
さりげなく触れた指先も那智は何の抵抗も見せなかった。時々寄ってくる那智の肌に翻弄されたことなど何度もある。だが、一線を越えることだけは躊躇われた。あの悲しい過去をもう一度よみがえらせたくはなかったから…。
それなのに耳にした親しい人物が男だと分かった途端に抑えることのできない感情が爆発した。

一度手にしてしまえば、もう手放すことが無理だと、嫌というほど思わされる。全てにおいて淡白だと思っていただけに、那智に対する感情の溢れ方は、自分でも尋常ではないと気付いていたがどうすることもできなかった。
腕の中で身もだえる那智の身体からは、あの時のような強張りは感じられない。
久志は那智の持つ感情の全てを自分で覆い尽くしたかった。

「俺のことだけを考えろ」

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長いよ~。
こいつらにとって『今日』という日はいつ終わるんだろうか…。
いい加減、先に進みたいのに(T_T)
そして、誰か『目次』の作り方とかご存知の方、いらっしゃいませんか~?
自分で読み返そうにも面倒くさいことが発覚しまして…
甘えてすみませんm(__)m
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コメント

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目次
コメントメグミ | URL | 2009-07-21-Tue 19:19 [編集]
初めましてメグミと申します。

いつも楽しく読ませて頂いてます(o^∀^o)


目次の件、サイトによって違うかもしれませんが、


記事を更新するときにカテゴリー分けして、『目次』


といいタイトルで記事を上げ、その記事に1話から順にURLをリンクさせれば目次ができると思います。


ブログの記事を書くところにパーツがあるかもしれませんので見てみて下さい♪


次回の更新を楽しみにしてます(≧∇≦)
Re: 目次
コメントきえ | URL | 2009-07-21-Tue 23:45 [編集]
メグミ様

初めまして。お越しいただきありがとうございます。

目次について、ご意見いただきありがとうございます。
せっかくいただいたのに…無知な私の頭では理解できませんでした(/_;)

URL???りんくぅ???…はて、ナニが…どこに……
みたいな感じです。せっかくご意見いただいたのにすみませんっ!!m(__)mペコペコ

ほんとーに、なんでこんなやつがブログ小説ぅ?ってくらい機械には無知なんですっ(--〆)

メグミ様のご意見を参考にちょっちいじってみようと思います。
気長にお待ちいただきたいかと…。解決するのだろうか…(汗

本音言うと、義弟がこういう世界にチョーッ、詳しいのですが、ジャンルがこんなところだけにまったく相談もできず…。
(プリンタのインクが切れたことすら分からず、『壊れた』と言うようなやつです(ーー゛))

こんな私に飽きず、またぜひお越しいただきたいと思います。
コメ、ありがとうございました。
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