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BLの丘
夢のような吐息 17
2010-04-27-Tue  CATEGORY: 吐息
聞き間違いだろうか。
返事をするよりも先にベッドを下りた宮原が野崎の布団をめくる。
「ちょっ…っ!?」
すぐ隣り合っているために移動距離もなかったが、その素早さに返す言葉もない。
咄嗟に背を向けるのが精一杯で、狭いベッドの中、身動きの一つも出来ない状況に追い込まれた。
「み、宮原さんっ…」
入院用の薄い寝間着を一枚羽織っているだけで、体温が嫌でも伝わってくる。
「何もしないから…」
掠れるような声が耳元でした。
背後から抱きすくめられるように両手を腹の前で組まれて、硬くなった身体を包まれる。
ただ抱いていたいということなのだろうか…。
宮原の心音が響けば、温まる気持ちになるのは何故だろう。

「無事で良かった…。もう、人が死ぬのは見たくない…」
囁かれた声は涙にぬれているようでもあった。

どれほどの負担を背負わせてしまったのかと野崎は後悔した。
たかだか接触しただけの事故であっても、一歩間違えればこの世を去る。
それでなくても宮原は自分が想いを寄せた人間をこれまでに失っているのだ。

野崎はこの状況に抵抗できなかった。
『そばにいる』という現実がある種の奇跡のように感じられる。

首筋を這う唇の動きにゾクリとする。
こんな状況下で興奮を覚えるなどと…。
抑えようと自分を戒めても着実に宮原には伝わった。
「結構、感度良かったりするんだ。殻、作り過ぎ。オーナーに相手してもらえなくて耐えてたの?」
「なにを…」
「無理しなくていいっていつも言ってるじゃん。別に恥ずかしいこととかでもないでしょ。最後に解放してやったのっていつ?それとも俺じゃダメなの?俺、オーナーほどのテクはないけどさ。でも一時的なんて絶対に思っていないから。預けてよ、その身体も心も」
「宮原さん……」
「俺に何回告白させる気?美琴さんのこと知っちゃったら、俺も耐えられそうにないや…」

何もしないと言ったはずの手がやんわりと前の合わせ目から忍び込んでくる。
同時に唇がくすぐるように首筋を撫でた。
「…あっ…」
「逃げないで。マジで。俺の全部、美琴さんのものにして…」
被さってくる熱に翻弄される。
ひっくり返された身体が暗闇の中で吐息を感じた。
合わせられる口付けに溺れそうな自分がいる。

…ダメだ…
分かっているのに、受け入れている身体が、心が、安らぎを求めていた。

いつか水谷に癒された時のように…。たぶんそれ以上のもの…。

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コメント

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病院ですよ、ここ。
コメント甲斐 | URL | 2010-04-27-Tue 00:47 [編集]
みこっちゃん、最近すっかり弱くなりましたね、快感に。
なんだかんだでいろいろ頻度高くなってしまって、休止状態だったのが急開発(再開発?)って感じ?
宮原さん、とにかくまずはカラダから、ですね。
Re: 病院ですよ、ここ。
コメントきえ | URL | 2010-04-27-Tue 01:37 [編集]
甲斐様
こちらにもどうもです。

えぇ、びょういんですよ…。
こんな不埒な出来事はしてはいけません…。
わかっちゃぁいるんでしょうけど身体は…。

> みこっちゃん、最近すっかり弱くなりましたね、快感に。
> なんだかんだでいろいろ頻度高くなってしまって、休止状態だったのが急開発(再開発?)って感じ?
> 宮原さん、とにかくまずはカラダから、ですね。

身体からおとされていく定番コースです。
うちはこんなコースしか用意されていませんが…。
再開発は、身体だけでなく、心の中までってとこでしょうか。
弱々なみこっちゃんをお楽しみください。
こんな姿は限られた人間しかみられないってことで。
とうとうハリネズミはシャム猫になるのか?!
コメントありがとうございました。
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