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BLの丘
ちょうどいいサイズ 28
2010-04-26-Mon  CATEGORY: ちょうどいい
以前恵亮からかかってきた電話の内容を聞いている磯部は、安住が一葉にとってどんな存在なのかを承知している部分がある。
車で移動するほどの距離ではなくても、中條は磯部の隣に乗り込んでいたし、一葉と安住は並んで食後の散歩を楽しんだ。
中條が故意的に行動を起こしているのは理解できても、行動力の良さには感心するだけだ。
まぁ、磯部も嫌がっている雰囲気はないからいいのだろう。

「何か悩んでいることがありそうだね」
歩きながら安住に心情を言い当てられる。
今更ながら『営業』という仕事が向かないと知らしめられている一葉は長くなりそうなこの話題を打ち明けてもいいものかと悩んだ。
「ん…」
小さく頷く一葉に、「僕では聞いてあげられないこと?」と首を傾げられた。
「そんなんじゃ…。ただ…」
「『ただ』?」
安住はいつもさりげなく話を引き出し、一葉の泣きごとを聞いてくれる。
その優しさに今も縋ってしまった。

「今の仕事、俺じゃ無理だっていう気がしてて…。所長とか中條さんとかを見ていると余計…。俺、あんなに快活な性格じゃないし。今日も午前中になんとか契約取れたけど、所長がいなかったら全然だめで…」
「努力もしないで諦めにはいる人間や投げ出す人はどうかと思うけど、一葉ちゃんはそんな人ではないよね。向かないと思う仕事で毎日押し潰されるようなストレスを感じるのなら、潔く転職するのも一つの方法だよ」
「本当にそう思いますか?何やらせても何にもできないダメなヤツ…とか思いませんか?」
「なんでそんなことを思うの?人間て得手不得手ってあるんだよ。探せば一葉ちゃんにとって気持ちの良いもの、できるものって必ずあるはず。まずはどんなことがやりたいかを自分で知らなくちゃ。無理に正社員って決めなくてもアルバイトとかでいろいろやってみるのもいいんじゃない?」
安住の言葉は一葉の背中を押してくれるようで嬉しかった。
ただ、月々にかかっていく費用というのは嫌でも発生する。
「でも、生活とかもあるし…」
「アパートを引き払って僕の家に住む?一人が二人になってもたいして変わりはしないよ。いつも夕ご飯は一緒に食べているんだしね。往復するガソリン代も無駄にならないでしょ」
予想外の台詞が飛び出して一葉のほうがびっくりした。
いくら付き合っているとはいえ、まだキスにも発展していないのだ。
それがいきなり、同居って…。
だいいち、生活の何もかもを安住に縋るようで、わずかにあるプライドがむくむくと湧く。
いくらなんでもそこまで甘えられない。

一葉は思いっきり首を振った。
「あ、あ、あ、…、そんな…。だめですよ…」
「ねぇ、一葉ちゃん。僕はそんなに頼りにならないかな。一葉ちゃんが気持ち良く過ごせるように協力をしてあげたいだけだよ。一葉ちゃんが辛そうな顔をしたり、苦しんだり、悩んだりするのはあまり見ていたくないんだ。一葉ちゃんがいてくれて僕は毎日が楽しい。そういう気分を一葉ちゃんに感じてほしいんだ。そして何よりも傍にいてほしいよ」
「安住さん…」
安住の言葉が染み込んでくる。
安住の手が一葉の手を取った。

…甘えてしまいたい…
そう思うのはまだまだ自分が幼い証拠だろうか。
大人になれない、安住にいつまでたっても並べない、そんな不甲斐なさに愛想を尽かされそうで脅える。
でもやっぱり安住のことが好きで、安住が喜んでくれるのなら、一葉は何でもしてやりたかった。

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すっごい遅くなりましたm(__)m
もう書け次第upって感じです。
それにしても、小学生か中学生か?!っていうお付き合いですね…。
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コメント

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…甘えてしまいたい…
コメント甲斐 | URL | 2010-04-27-Tue 00:40 [編集]
甘えちゃってくださいな。
この際、まだまだ発展途上の一葉ちゃんは差し伸ばされた手をしっかりつかんじゃっていいと思う。
いろいろ考えてないでたまには、ぽーんと飛び込んでみよう。
Re: …甘えてしまいたい…
コメントきえ | URL | 2010-04-27-Tue 01:31 [編集]

甲斐様
こんばんは。
こんなお時間にありがとうございます。

> 甘えちゃってくださいな。
> この際、まだまだ発展途上の一葉ちゃんは差し伸ばされた手をしっかりつかんじゃっていいと思う。
> いろいろ考えてないでたまには、ぽーんと飛び込んでみよう。

えぇ、何か飛びこむらしいです。
どうなるのか運命はいかに?!
ひっぱってくれる安住がいるから道は踏み外しそうにない一葉ですね。

コメントありがとうございました。
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