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BLの丘
夢のような吐息 16
2010-04-26-Mon  CATEGORY: 吐息
何よりも先に案じたのは宮原の存在だった。
大した衝撃がないのは分かっていてもやはり気遣う。
「な…に…?」
「すみません。私が…」
「美琴さん、大丈夫?」
「私は…。お怪我は…?」
「俺、平気。それより…」

下りてきた相手に視線が向いた。老女のようである。
どちらが悪いとは言えないが突っ込んだのはこちらで確実に非はあるだろう。
全ては保険会社に任せるものだろうとも判断がつく。
とにかく、怪我がなかったのが唯一の救いだ。

その場の全てを警察に任せることにした。
自分の失態を『榛名』に報告すれば、万が一の為に入院を勧められた。
それは宮原にとっても同じことで、『榛名』御用達の病院の特別室を宛がわれる。

「あのさー、美琴さんはともかく、俺までって…」
病室に入った途端に宮原が溜め息をついた。
どこかの高級なホテル並みの設備に絶句している。
「すみません、私のせいでこんなことになって…」
「いや、いいけどさ。入院する必要、絶対ないから、俺…」
「ええ。ですが、後遺症とは後で出るものです。精密検査だけは受けてください」
「だからそんな激しい事故じゃなかったって…」

確かにバンパーがへこむくらいの軽い衝突だった。
それでも万が一を思えば検査の一つも受けさせたい。
野崎が頭を下げれば宮原は素直に従ってくれた。
「たださぁ、こんな立派な部屋に一人でいるのって嫌だよ。美琴さんと同じ部屋にして」
病院の最上階に備えられた特別室に案内すれば我が儘をいうような宮原の姿があった。
隣り合った二つの部屋に別れることを激しく嫌がられた。
「しかし…」
「でなきゃ、俺帰る。簡易ベッドかなんかでいいから用意してもらえない?ただでさえ、病院って嫌いなの」
宮原の過去が必然的に浮かんだ。
長いこと、過ごした時間は病院の中だったのだ…。

「分かりました…」
野崎は折れるしかなかった。
事故を起こしたのが自分だったし、宮原を拘束する原因にもなっている。

事故を起こしたと聞いた水谷は慌てたように病室を訪れてくれた。
「別に怪我とかないのに、美琴さんが心配して…」
「受けられる検査は全部受けておいたほうがいい。何もなかったのは良かったことだ」
心配する水谷に比べて自分の上司はどんなものだろう…。
電話一本で『事故の後処理は全部しておく。今はゆっくり休め』と伝えてくるにとどまった。
まぁ、来てもらっても困るだけだが…。

真夜中、布の擦れる音が聞こえた。
「美琴さん、もう、寝ちゃった?」
すぐ隣のベッドから宮原の声が聞こえる。
いくらなんでもこの状況で運んでもらった簡易ベッドに宮原を寝かせられるわけもなく、野崎が収まっていたが慣れない場所で野崎も目がさえていた。

「いえ、何か…?」
「そっちに行ってもいい?」
「は?」
「一緒に寝てもいい?」

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