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BLの丘
策略はどこまでも 番外ヒサ編 1
2009-07-17-Fri  CATEGORY: 策略はどこまでも
お昼時間の電車は思っていたよりも空いていた。今日が土曜日だということもあるかもしれない。
高柳久志は会社に向かうため、足早に降りた駅を過ぎた。昨夜、旧友と会うために休みを取り、連休を申し出たのだが、運悪く事務員の休日申請がされた後で、半休をとるのが精一杯だった。
本当は休みにしたかったのだが、物流業界は年間でも一番に上げられる繁忙期の12月を目前にして慌ただしく動いている。

我が儘は言えない。
さすがに多忙になるこの時期に連休を取るのも気が引けて譲歩した。
他の社員が戦場の中で働いていることを思うとこれが限界だった。ちなみに年中無休で動いているので、世間一般の休みは通用しない。

昨夜は旧友との再会を果たし、間もなく日本を離れるという岩村卓也と談笑に浸った。
大学の同期だった桜庭那智を呼びつけ、彼の家に転がり込み、酒の勢いに任せて体を奪ってしまった。
もう随分と前から想いはあったけれど、同性という立場からかなり長いこと、悶々と過ごしていた日々。
那智のそれらしい雰囲気はなんとなく感じることはあっても決定打にまではたどり着くことはなくて。

単純に仲の良い友達、親友という一線を踏み外すことは躊躇われていたのだが…。
昨夜の飲んでいた席で、不意に那智から零れた個人の名前を聞けば、胸に湧きたつものは嫉妬で、どうにも抑えられない欲情が身体の中を渦巻いた。


飲んでいた席は、まぁいい切っ掛けになったといえばそれまでだが…。
ふたを開けてみればただの嫉妬からで、自分の欲望のままに過ごした一夜に多少の自責の念は見え隠れする。

が、案ずるより産むがやすし。終わってみれば、あいつもまんざらじゃあないんだろうなと思われた。
決定的な拒絶をされなかっただけで脈ありといったところだろうか。
絶対に自分のものになるという自負が久志の中には芽生えていた。ただ…。思い悩む点はある。

会社に行く途中でホームセンターに寄った。那智から預かった部屋の合鍵を作るためだ。
那智の許可も不動産会社の確認もとっていないが問題ないだろう。どうせ、那智のことだ。鍵を寄こせと言ったところでハイと素直に渡してくる奴じゃない。
営業なんていう職種に就かれたおかげで、人当たりの良さはますます磨きがかかっているし、人を丸めこむ話術といい、うまく感情を抑える術は、決して喜ばしいものではなかった。それでも、久志の前で見せる昔からの素直な表情は駆け引きなしで、惹きこまれる魅力を持っている。可愛いのなんのって…なんて本人を前にして言えば張り倒されそうなものだが。
会社に着くと部長の黒川がトラックの配車表とにらめっこをしていた。

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コメント

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はじめまして
コメントるい | URL | 2009-07-17-Fri 16:33 [編集]
こんにちは、はじめまして^▽^
ごく最近読み始めたのですが、すっかりファンになってしまったので
思わずコメントしちゃいました!
毎回続きを楽しみに待ってます!!
頑張ってくださいね(^ー^●)vv
Re: はじめまして
コメントきえ | URL | 2009-07-19-Sun 01:56 [編集]
るい様

レスが遅くなり申し訳ございませんでした。
ちょっとパソコンに向かえる状態ではなかったので…。

こんな駄文を気に入ってくださり、ありがとうございます。
とても励みになりました。
ぜひまたお越しください

コメありがとうございました。
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