FC2ブログ
ご訪問いただきありがとうございます。大人の女性向け、オリジナルのBL小説を書いています。興味のない方、18歳未満の方はご遠慮ください。
BLの丘
ちょうどいいサイズ 18
2010-04-13-Tue  CATEGORY: ちょうどいい
料理を食べる気力すら無くした。
好きな人なんて考えつかないし、付き合っている人間ももちろんいない。
夜も眠れないほど恋焦がれた人も過去にいなかったから、演じるにも無理がありそうだし、どんな嘘をついたって恵亮には全て見透かされそうだ。
26年(英人と日野と同じ年でしたね…)の人生経験よりも22、3歳の恵亮の方がよっぽど色々なことを知っていそうに思えてくる。

まだ料理も来ず、このまま逃げ出してしまいたい気持ちでいた時、ちょうど携帯電話がブルブルと震えて、なんて良いタイミングだろう、と一葉は席を立った。
しかも相手は那智で、愚痴れる最高の相手だ。ついでにアドバイスも頂きたい。
店の外に出た途端、一葉は泣きついた。
今現在の状況を説明し「どうしたらいい?」と尋ねれば溜め息が聞こえる。
『そんなの、断ればいいだけのことじゃん』
「なんて?」
『”なんてぇ”???そんなの自分で考えなよ。何か理由あるでしょ』
「ないよ~ぉ」
『じゃあ付き合ってやりなよ。一葉のグズグズな性格を知れば向こうから愛想尽かしてくれるよ』
それもまた随分な言い方だ…。
「なちぃぃぃぃ…」
「一葉、まだ電話中?料理来たよ」

泣き声を上げる一葉を見れば、仕事ではないと判断できたのか、背後から恵亮の声が響いてきた。
恵亮の声は那智にまで届いていたようで、『すっごっ、もう恋人気分全開だね』と笑っている。
だから余計に困ってしまうというのに…。
那智にはさっさと電話を切られ、「あ、那智っ」と呼び掛けた声に返ってくるものはなかった。

通話が終わったとはっきり分かる状況に、恵亮に腕を引かれて店内へと戻される。
フランス料理などとは、一葉の普段の生活からはあまり想像のできない世界だったが、「ランチメニューでお手軽だから」という恵亮の言葉に甘えていた自分を知った。
きちんと前菜から提供されるコース料理に思わず財布の中身を心配した。
それでも最近は安住の家で夕食を食べている日が多くなったおかげで多少の余裕はできていたけど…。

…こんな身分の人間と付き合ったらあっという間に破産しちゃうよ…。

とりあえず付き合ってみれば?と那智に言われて、言い訳すら思い浮かばなかった一葉は、那智の想像する将来に夢を託したのも束の間、早々に無理だと心の中で泣いた。
立場上、どうしたって自分で支払ってやるべきである。
「一葉の時間ってどれくらい有効なの?仕事忙しいんでしょ。あんまりゆっくりしていられないよね?」
行き先も売り上げ相手もない、営業所に帰るのも気が引ける。
『忙しい』とは全く無縁の一葉はまたもや馬鹿正直に「あ、いや、今日は…」なんて答えてしまって恵亮を喜ばせた。
「ってことは、俺につかまってたって言っちゃえばそんなに問題ないってこと?あぁ、でも会社の人には内緒にしておかないとだよね。公私混同マズイし」
「ね、ねぇ、恵亮くん、あのさ、やっぱりさ…」
「初デート、どこ行こっかぁ。呼び出されてすぐに対処できるところのほうがいいよね。あ、大丈夫。俺、そのへんはちゃんと分かっているつもりだし」

早速今日、このままどこかに行こうという態度の恵亮にまた絶句した。
仕事中にデートとか絶対にあり得ないだろう…。
いくら行動パターンが分からない営業職っていったって…。
それこそ、磯部に何をしていたのか聞かれた時に黙るしかなくなって雷が落ちてくる。
一葉はすぐにやってくる未来を想像して顔を引きつらせたが、やっぱり恵亮に対して言える言葉を見つけられなかった。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
ストックが何もなくなったので、書き上がった順番にナニかが登場する感じになってしまいました。毎日更新も少々厳しい状況にあるのでお待たせすると思います。すみませんm(__)m
関連記事
トラックバック0 コメント2
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
断る理由がない!?
コメント甲斐 | URL | 2010-04-13-Tue 16:06 [編集]
ワタシ的には一葉ちゃんみたいな子は、少々リッチな大人なかたに(年の差推奨)、めちゃ可愛がってもらって甘やかされるの見たいなーって思うんですよね。
恵亮クンにしたら、見かけとか話した感じも年上には見えないであろう一葉ちゃんが可愛くてちょっかいかけたくなっちゃったのもわかるんですけどね。
Re: 断る理由がない!?
コメントきえ | URL | 2010-04-13-Tue 17:35 [編集]
甲斐様
連コメどーもありがとうございます♪

ごはんを一緒に食べる"だけ"の安住さんはすごーく頼りになって安らげる人なんですけど、想いを伝える…っていう勇気まではなくて…。
はっきりとしない関係だから自分からあーしたいこーしたいとも言えずにいます。ってか、恐れ多くて今がいっぱいいっぱい。

> ワタシ的には一葉ちゃんみたいな子は、少々リッチな大人なかたに(年の差推奨)、めちゃ可愛がってもらって甘やかされるの見たいなーって思うんですよね。

そういうタイプですよね。
安住さんとは一回り違うので理想的です。
なんですけど、『お付き合いをするような』恋などしたことのない一葉にとって、グイグイひっぱっていってしまう恵亮の行動に何もできずながされるばかり。
絶対に年上には見えないから恵亮もお友達感覚でかまいたいんだと思います。
若者は元気でいい…。
コメントありがとうございました。
トラックバック
TB*URL
<< 2019/08 >>
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


Copyright © 2019 BLの丘. all rights reserved.