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BLの丘
【ホワイトデー企画】:Studio 6
2010-03-12-Fri  CATEGORY: コラボレーション
妄想スパイラル様》より結城さんと薫君が遊びに来てくださったホワイトデー企画です。
結城さんと薫君のお話が読みたい方はどうぞ上をクリック♪



バーの中では、バレンタインデーに飛行船に乗ったという話で盛り上がってしまった。
英人と薫からしきりに「綺麗だったよね~」「すごかったよね~」と声が上がれば、神戸から「薫君は月曜日に仕事に行けたの?」と嫌味が飛び、英人と薫を真っ赤にさせていた。
実際、英人は『体調不良で休暇』だったが、薫がどうなっていたのかはわからない。
が、この反応をみると、屋敷に送り届けた後にはなにかがあったのだろう。
というか、あの後で何もない方が淋しい気がしてくるけど…。

「ち、千城さんは、いっぱいチョコレートとか、もらわないんですかっ?」
薫が話題でも変えたそうに、千城を見上げた。
明らかに動揺したようなしどろもどろの姿がある。
「しん…、結城さんのところにはたくさん届くんですよ。でも食べてくれるのは俺からのだけなんですけど…」
「薫君、ここでそういうことを言わないでくれるかな」
困ったように結城が薫を制したことで、薫も自分が何を口走ったのか理解したようで益々赤くなっていった。
「営業先などからもらうんです。得意先である以上お断りすることもできなくて…」
立場上…と結城は言い訳を口にしていた。
話題を変えたいというよりは墓穴を掘っただけだな…と薫以外の全員が思っていたが、あえて口に出しはしない。

話を向けられた千城が薫に失礼が無いようにと口を開く。
「あぁ、もらっているらしいな」
「えっ?!もらってんのっ?!」
千城の答えには英人も驚いて見上げてしまった。
家の中にたくさんのチョコレートはあったが、千城が揃えたものだとばかり思っていた。
まさか、それを食べちゃったんじゃ…???と申し訳ないような恨みがましいような気持ちがむくむくと湧いてくる。
「『もらっているらしい』。…処分は全部野崎にさせているから詳しいことは知らない。まぁ、毎年ホワイトデー頃には100万円ほどの金が消えているんだから、それなりの対応はしているんだろう」
「「「はぁぁぁぁぁ???!!!」」」
まるで他人事の発言には全員が絶句した。
要するに千城は誰からもらったとか誰に何を返したとか、全く把握していないということで…。
「それって相手の人に失礼じゃんっ」と英人が呆れかえれば「何のために野崎が付いて回っているんだ。逐一報告するためだろう」と平然と言い返す千城がいる。

明らかに業務外の仕事まで押し付けられている野崎に、彼を知る神戸と日野から盛大な溜め息がこぼれていた。
神戸も呆れたように千城を見る。
「千城さぁ。少しは野崎さんの仕事を減らしてやりなよ。そのチョコレートはどこに消えているの?」
「知るか」
「あの…。差し出がましいようですが、もしも単純に処分されているというのでしたら…」
会話の中に結城が入ってきた。
「実は私が貰っているものも、長年ある施設に寄付しているんです。養護施設で育った知人などもおりまして、そういった方面には多少なりとも縁があります。もしもご迷惑でなければ、慈善事業と思ってご協力を頂けないでしょうか」
あくまでも千城が行き先を知らないと答えたからであって、同じように野崎が手配をしているのであれば聞き流してくれと結城は結んだ。
千城は一瞬だけ頭を巡らせたようで、「後でご連絡をいたします」と答えていた。
結城の言葉には誰もが感銘を受けていた。
英人は自分が育ってきた環境をふと振り返ってしまった。
「淋しい」という感情ばかりに圧されてきたが、貧しくても母は3度の食事だけはきちんと取らせてくれた。
私生活が完全に乱れたのは母を失ってからだった。
今、千城に出会えたことを本当に幸せだと思う。

神戸が日野におかわりを頼みながら、「結城さん、千城よりも野崎さんに直接連絡を取った方が早いですからね」とまた辛辣な言葉が発されると千城が目くじらを立てる。
「おまえから漏れるのは悪口雑言ばかりだな」
「事実を伝えてあげているだけだよ」
神戸の隣で聞いていた塚越が「それを似た者同士っていうんだよ」と小さく呟く。
目の前ではクスクスと笑う日野までいた。
水谷までフッと笑って、彼からみたら「まだまだ子供」の連中の会話を大人しく聞いてくれている。

英人はこの夜がなんだか楽しくて仕方がなかった。
どういういきさつ、云々、色々事情はありはするものの、ぜひまたこんな時間が作りたいと願った。

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コメント

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ラブ甘な日々
コメント甲斐 | URL | 2010-03-13-Sat 00:04 [編集]
『千城&英人と愉快な仲間達』ですね。
暴かれる小さな秘密や面白おかしい日常が垣間見えて、「結局は愛されているのね英人くん」という結論になったようです。

--- 以下、ワタシの頭の中に住んでいる妄想世界の住人です。
ニコニコと人の良い微笑を浮かべているオーナーさん、実はバイなんです。学生で出来ちゃった結婚で、でも卒業までに別れて現在に至る。趣味は仔猫の飼育(調教)。オーナーさんの愛する一人娘が日野ちゃんと高校の同級生で、(未成年なのに)割のいいバイトをこっそり紹介してもらいました。
日野ちゃんは、幼いころ母を亡くし母方の祖母に預けられ父親は再婚し音信不通です。生活費の足しに始めたバイトが気に入って、オーナーのお勧めと援助で高校卒業後バーテンダー専門学校に行き現在に至る。まあ適当に遊んだりつまみ食いはしても基本一人で生きてきました。優しく親身にお話を聞いてくれるバーテンさんは結構もてるので男女問わずお誘いはありますが、男性には失礼にならないようにお断りをし、女性は来る者は拒まずだったらしいです。

当面そこまで書く予定のないキャラたちなようなので、密かに背景を思い描いてみました。
あくまでも、一読者の想像のなかで遊ばせていただきましたので、矛盾があっても許してください。
Re: ラブ甘な日々
コメントきえ | URL | 2010-03-13-Sat 06:15 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 『千城&英人と愉快な仲間達』ですね。

お友達がいっぱい増えて、珍喜劇を繰り広げていただきたいです。
ずっと重いお話だったから、なんかはじけているかも…?!

>趣味は仔猫の飼育(調教)。
爆!!
何人調教したんだろうっ!?
若いのばっかり。

> 当面そこまで書く予定のないキャラたちなようなので、密かに背景を思い描いてみました。
> あくまでも、一読者の想像のなかで遊ばせていただきましたので、矛盾があっても許してください。

いっぱい想像してくださいましてありがとうございました。
日野に関しては昔、ちょこっと書いたんですけど、両親共に事故死なんです。
親戚の家で育ちました。(どこに書いただろう???)
オーナーに娘がいる…。うん、ありえる。
男女関係なく喰い散らかしたっていう感じの人です。
15日にSSが始まります。
甲斐様には本当に私の頭の中を先取されているようで…(汗)
それとも単純な私の頭か?!
コメントありがとうございました。
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