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BLの丘
【ホワイトデー企画】:Studio 5
2010-03-11-Thu  CATEGORY: コラボレーション
妄想スパイラル様》より結城さんと薫君が遊びに来てくださったホワイトデー企画です。
結城さんと薫君のお話が読みたい方はどうぞ上をクリック♪


薫たちがどんな雰囲気を醸し出すのか、その現場を見られないのは残念だが、あとで塚越に写真を見せてもらえばいいやと英人は考えていた。
本当は塚越と一緒に隠れ壁の奥に身をひそめて見学しようかと思ったのだが、塚越に「邪魔になるからやめてくれ」と拒絶されては文句も言えない。
神戸はこの日、エキストラの人間まで用意していた。カメラの正面に座らざるを得ない状況を作り上げるためだ。
場所柄、同性同士で寄り添っていても違和感のないところだから、それらを目にすれば二人も気を許すだろうと。

英人と千城は薫たちと約束をした時間はまだマンションで寛いでいた。
どんな状況にあるかは分からないが、1時間もあれば充分だろうと神戸や塚越をはじめ千城も思っていたようだ。
英人は千城と一緒に日野のバーに向かった。
店についた時にはエキストラの人間は全員帰った後で、見事『貸し切り』の状態になっていた。もちろん薫たちは知らないからただの暇な店だ。
薫たちはL字型に作られたカウンター席の角に近い位置にいた。
日野とはすでに親しいと薫には伝えてあったからそのままテーブル席に移ることもなく、角を挟んで座っていれば、しらじらしく神戸と塚越が姿を現した。

全員がカウンター席に座るという奇妙な構図が出来上がっている。
カウンターとはいっても15人ほどは座れる広さがある。
奥から結城、薫、角を曲がって英人、千城、神戸、塚越と並んでいた。
どうやら神戸と塚越は千城が呼んだという話になっているらしい。
よくよく聞けば、薫から話を聞いた結城が千城に撮影したいから紹介してもらえないかと頼んでいたそうで、またもや真実を隠しとおされていた英人は同時に千城と神戸を睨んでいた。
「何でいつもそうやって内緒で事を進めようとするのっ?!」
薫も聞いていなかった話のようで「信哉さんってば…、そんなぁ…」と顔を赤くした。
「撮影の日程でも決めようかという話だ」
千城がすぐに英人を宥めに入る。
ここで英人が状況を考えずに喚き続ければ、今日の計画がばれて薫たちからひんしゅくを買いかねない。
今となっては本当に今日の隠し撮りがされていたのかというのも英人にはアヤシイ話になっていた。

普段は静かな雰囲気の店が賑やかになったことで、奥にいた水谷が顔を出してきた。
そしてこの並んだ顔が座る場所に少し驚いたように日野を見た。
「なんだい、これは…。向こうのテーブルを繋げてやればいいだろう」
全員が席を囲めるようにと親切心で言ってくれたのは分かるのだが、英人も千城もカウンターという席を好んでいた。
それは一人で来店していることが多い神戸も同じだったようだし、水谷に「あがっていいよ」と伝えられた言葉にも日野が「この位置が落ちつくんで」と答えながら、一応新客の意見を求める。
「私もここで結構です。このお店にはとても良い雰囲気がありますね」
結城も同意すれば薫も倣うし、塚越もこういったバーに慣れているらしく小さく首を傾げただけだ。

水谷は肩をすくめていたが、納得したように日野用のスツールを出してきて、ちょうど千城と神戸の前に来るあたりに置いた。
自分のは定位置でもある隅の、英人と薫の前に置きっぱなしになっている。
「まぁ、客の話でも聞いてやろうよ」
すかさず千城が「お二人も一緒にどうですか」とさりげなく声をかけている。
他の客が見当たらず、また、和気あいあいとした雰囲気に水を差さないようにと、長年の経験を得ている水谷は「では遠慮なく」と自らのグラスにウィスキーを注ぎ始めた。
日野もこうなっては水谷に従うしかなくなったのか、ある程度動かずに済む準備を手元に用意してから腰を下ろした。
水谷の余裕さというか彼から醸し出されるオーラはこの店の雰囲気に合い過ぎている。
ふるぼけた時を巻き戻すことなく、時間にも追われることなく、それは人生もゆったりと過ごすような…。
まさに『彼の店』だった。
最初からオーナーは仕事なんかする気はなかったんじゃんっ!と心の中で悪態をついていた英人だったけど…。

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企画物中、朝の更新をお休みします。無駄足をさせてすみません。
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コメント

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行ってみたいですこんなお店に。
コメント甲斐 | URL | 2010-03-11-Thu 10:33 [編集]
いいお店ですね。
なんだか気ままにくつろげるような、適当に放っといてくれて、求めれば構ってくれて。
オーナー水谷さんのお人柄でしょうか、経営方針でしょうか。

そういえば日野さんどんな経緯でここで働いてるんでしょうね。
日野ちゃんがオーナーの仔猫ちゃんだったことはなさそうだし。
学校に求人が来たとは思えないし、求人情報誌でしょうか。
ストーリー上あんまり関係ないのでそこまでの設定はあってもなくてもって感じですけど、訳ありな(っと勝手に決めている)オーナーの素敵なお店なのでいろいろ詮索したくなります。
Re: 行ってみたいですこんなお店に。
コメントきえ | URL | 2010-03-11-Thu 13:04 [編集]
甲斐様
こんにちは。
バーにお越しいただきありがとうございます。(今更?!)

> いいお店ですね。
> なんだか気ままにくつろげるような、適当に放っといてくれて、求めれば構ってくれて。
> オーナー水谷さんのお人柄でしょうか、経営方針でしょうか。

テキトーに営業している水谷氏でございます。
経営っていうより、ホント趣味のせかいですよね。

> そういえば日野さんどんな経緯でここで働いてるんでしょうね。
> 日野ちゃんがオーナーの仔猫ちゃんだったことはなさそうだし。
> 学校に求人が来たとは思えないし、求人情報誌でしょうか。
> ストーリー上あんまり関係ないのでそこまでの設定はあってもなくてもって感じですけど、訳ありな(っと勝手に決めている)オーナーの素敵なお店なのでいろいろ詮索したくなります。

あぁぁぁ…、まったく設定はありませんっ!!(冷汗)
何で働いているの?
たまたま求人でも張り紙があったんですかね。
神戸が『初』の日野にとって『仔猫』の存在はまずないにしても…。
いっぱいお話だけは聞いている『耳年増』みたいな…。(大丈夫か?!)
わけありオーナーは正しいと思います。(でも書く気ない…)
いっぱい想像してください。そしてチラリと私に教えてください(急募:情報提供)
コメントありがとうございました。
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