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BLの丘
【バレンタインコラボ企画】 1
2010-02-08-Mon  CATEGORY: コラボレーション
いよいよ始まりました。妄想スパイラルSKY様とのコラボ。
一週間、お楽しみいただければと思います。
本編と重なっている部分もありますが、企画ものと言うことで気になさらずどうかスルーしてください。
突っ込まれた日には連載が止まります…。



立春とはいえど、まだ『春』とは感じられない。
英人のためにと神戸が用意してくれたギャラリーは花束に囲まれてとても華やかだった。
『榛名』の姓に変わったせいか、客も以前とは違うように感じる。
千城やその両親が盛大に招待状を送ってしまったのだから分かる気はするけど…。
テレビの中で見たことのある政治家などもいて、英人のほうが萎縮していた。

夕方になる頃、会社帰りと思われるサラリーマンの男が二人、招待状を持って現れた。
年の差はありそうだが仲がよさそうに話をしているのを見るとただならぬ関係が英人には見えてくる。そういった人間に自然と目が向いてしまうのは性なのだろうか。
背の高い男は千城よりも少し年上そうだが一見して千城と変わらない身分なのだと思う。
身に着けているものも価値があるものと分かったし、立ち振舞いは迷いもなく落ち着いている。端正な顔の作りも相まって気品が窺えた。
お揃いなのだと明らかに分かる腕時計とか指輪に視線が落ちれば疑問は確信に変わった。
もともと男相手の世界で生きてきた英人だ。見破るのは容易い。

一緒にいる男の子(“男の子”という言葉がぴったりだ)は英人とあまり年齢も背丈も変わらなそうだった。細い体形が余計にそう思わせるのか、背の高い男とは10歳くらいの年の差がありそうだ。
こんな場所に来るのは初めてのことなのか、どこかおどおどとしていた所がある。迷子にならないようにくっついて歩いている…という感じが可愛くも見える。
千城が年配の客を見送ったのと同時に、受付にいた高貴そうな男に近づいていった。
男が自分の連れていた子に千城を紹介している。
「こちらが榛名千城(はるなちしろ)さんだ。うちの会社でも物件を扱わせてもらっているからきみも名前くらいは知っているだろう?」
取引のある会社の人のようで、千城が社長だと聞いた途端に目を白黒させながら慌てて丁寧な挨拶をしていた。千城の人を見下ろすような見た目に驚いているところもあるようだが…。
彼は『谷嶋薫(やしまかおる)』と名乗っていた。
「結城さん、ようこそ。初日にお越しいただけるとは…」
「こちらこそ、お招きいただきましてありがとうございます。新鋭の作家さんですか?」
「私の連れの英人です。…不動産の管理をお任せしている方だ」
会話を進めようとした千城が英人にも紹介してくれる。
英人もゲストの扱いには慣れてきている。が、いきなりの紹介のされ方には”同類”でもやっぱり抵抗はあった。
そばにも離れたところにも人はたくさんいる。
「ち…っ!何言って…んのっ」
堂々と『連れ』と発言されたことに思わず顔を赤らめて睨み上げたのだが気にされた様子もない。
結城という男も気付いたように静かに微笑んだだけでそれ以上のことを問いはしなかった。年上の落ち着きなのだろう。

お互いを紹介した後で、千城と結城は何か積もる話でもあったようで、並んで奥の方に流れていってしまった。
残されたような『薫君』がじっくりと英人をみているのだから、訝しさに眉間が寄ってしまった。
「…俺の顔に何かついている…?」
「わあああ、ご、ごめんなさい!つ、つい見惚れちゃって……」
『見惚れちゃって』…っていう発言には噴き出してしまった。
自信過剰ではないが、英人もこれまでの過去に自分の見目の良さは多少認めている。だけど同じくらい『薫君』も綺麗だと思った。
きっと愛されている時があるから今の彼があるのだろう。
「君も、ね。千城たち、あっちに行っちゃったね…。仕事関係のお付き合いなんでしょ?今日はわざわざ来てくれてありがとう。ドリンクもあるから飲む?」
受付の隣にあったテーブルからソフトドリンクを取り上げ渡してあげると緊張した面持ちで手を出した。
かしこまった薫の態度にはまた笑みがこぼれてしまう。
年だって変わらないはずなのに、丁寧な口調の空気は英人には重いような気がした。
「そんな堅苦しくしないで、ね?……『榛名』っていう名前は、俺も少し重いと思っているんだから……」
過去を晒す気はないが気を許す気はある。
こんな雰囲気のままではあまりにも彼に気の毒な気がして、緊張も解かせたい英人はさりげない言葉を口にしたつもりだった。
「あ、あの、…ちょっと聞いていいですか?」
「うん?」
それに気付いたのか、薫から言いづらそうな質問が投げかけられる。首を傾げてみれば戸惑いながらも薫の口が聞いた。
「さっき榛名さんが言っていた『連れ』って…?」
あぁ、気にしたのはそんなことかと英人は思ってしまった。まぁ突然あんな紹介をされれば誰だって疑問符を付けてしまうものだ。
「その言葉通りだよ。薫君も結城さんの…でしょ?」
『お互い様じゃないの?』って言葉の中に含ませれば、納得したような照れたような表情が見えた。
確かに堂々と公表できる間じゃないのは分かるけど…。『榛名』って発表しているだけに隠すこともない。ましてや同類と分かってしまった相手に…。
真っ赤になった薫の顔を見て、英人は思ったことが間違いではなかったのだと確信した。

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妄想スパイラル SKY様編

 まだ2月になったばかりの肌寒い日、会社を定時であがった俺と結城さんは銀座のギャラリーに向かって車を走らせていた。
 なんでも結城さんに絵画の個展の招待状が届いたらしく、その日が初日だというので俺もついて行ってみることにしたのだ。
 『榛名英人(はるなひでと)』という名前の画家はそれまで聞いたことがなかった。尤も、俺が単に芸術方面に疎いだけなのかもしれなかったけど。
 地下の駐車場に車を停め、そこから直通のエレべーターで画廊に向かう。エレべーターの扉が開くともうすでにそこは会場だった。初日のせいか結構な人がいて、至る所に贈り物らしい生花が飾られ、なんだか圧倒される雰囲気だ。俺は多少気後れしつつ、結城さんの後ろにくっついてすぐ前にある受付を済ませた。来館者名簿に名前を書きながら前の頁をちらりと見ると、政治家の名前とか俺でも知っているような画家の名前とかもあって、ますます気後れした。結城さんはと見ると何やら知り合いでもいたのか、にっこりして俺を手招きする。
「こちらが榛名千城(はるなちしろ)さんだ。うちの会社でも何軒か物件を扱わせてもらっているからきみも名前くらいは知っているだろう?」
 榛名?……って……画家の名前と同じだ。……それに、もしかしなくても榛名グループと言えばうちの会社でも有数の大口オーナーで、大得意様じゃないか!!こんな若い人が社長さんなんだ!?……でもさすがにものすごい威圧感だ。人を追従させるようなオーラがある。
 俺は慌ててしゃちほこばってお辞儀した。千城さんはちらりと俺に鋭い視線を投げて再び結城さんに向き直った。
「結城さん、今日は来て下さってありがとうございます。……こちらが私の連れの英人です」
 千城さんの隣にいたのはどう見ても俺と同じくらいの歳の青年で、柔らかそうな栗色の髪をして、色白のまだあどけなさの残る可愛らしい顔立ちをしていた。…… 連れ?……今千城さんは連れって言ったよな?……確かに苗字は同じだけど……ええええ?……ま、まさか、英人って女の子!?な訳ないよな……?
 眼を白黒させながら俺が固まっていると、結城さんは千城さんと何か親しげに話しながら奥の方へ歩いて行ってしまった。……後に残された俺は、同じように突っ立っている英人に気付き、ついまじまじとその顔を見てしまった。
 ぱっちりとした大きな眼の可愛らしい顔立ちだけど、やっぱり男性に間違いない。身長も俺と同じくらいだし、同じくらい細身の体型だ。すると不意にその愛くるしい唇が動いた。
「……俺の顔に何かついてる?」
「わあああ、ご、ごめんなさい!つ、つい見惚れちゃって……」
 慌てて言う俺に、英人はぷっと噴き出した。
「変なの!見惚れただなんて……」
「い、いや、そ、その……」
 初対面の相手にいきなり『千城さんとどういう関係で……』なんて聞くのもおかしいし……焦りまくった俺はしどろもどろだ。
「千城たち、あっち行っちゃったね。……仕事関係の付き合いなんでしょ?それなのに今日はわざわざ来てくれてありがとう。ドリンクもあるよ、飲む?」
 英人はくすくす笑いながら傍らのテーブルからウーロン茶とおぼしき飲み物の入ったグラスを取ってくれた。
「す、すみません。俺、谷嶋薫っていいます。……こういうところ、俺初めて来たものでなんだか緊張して……」
 それに何よりも、英人も榛名グループの人なのかと思うと余計緊張する……。
「そんな堅苦しくしないで、ね?……『榛名』っていう名前は、俺も少し重いと思ってるんだから……」
 重い?……ってことは、養子にでも入ったってことなのだろうか?
「あ、あの……」
「なに?」
「変なこと聞いてすみません。さっき榛名社長が言ってた『連れ』って……」
「ああ……それは……」
 英人はちょっと小首を傾げた。
「言葉どおりの意味だよ。薫くんだってさっき一緒に来てた結城さんって人の……でしょ?」
 俺はかーっと顔が熱くなった。……な、なんで俺たちのこと……!?
 英人はにっこりした。
「ほーら、顔が赤くなった!……二人の様子見てたら分かるよ?」
 ……うう……そんな分かるほどべたべたしてたかなぁ……。
 それにしても……この可愛らしい英人があの怖そうな千城さんと恋人同士だなんて……。一体どんな会話をしたりしてるんだろう?……全然想像できない……。
 変な妄想(千城さんが英人を前にして鼻の下を伸ばしてるところとか)が浮かんできてまた固まった俺を、英人は不思議そうに見つめていた。


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コメント

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コメントきえ | URL | 2010-02-08-Mon 12:46 [編集]
S様
こんにちは。

>こんばんは~☆彡久しぶりに英人くん登場ですね♪楽しみにしてます。

楽しみにしていただきましてありがとうございます。
バレンタイン企画といいながら、どうも私が書くと明るくならずに落ち込んでいます。
こんなものでご満足いただけたらいいんですけどね…。
一週間ですが、お楽しみいただけたら嬉しいです。
コメントありがとうございました。
嬉しい企画です
コメント甲斐 | URL | 2010-02-09-Tue 01:07 [編集]
ステキなバレンタイン企画です。
結城&薫のラブラブモード全開なお話がだーい好きなんです。
先日の二人の挙式シーンに感動したものです。
そして、大好きな千城&英人CPがセットで読めるなんて感涙ものです。

薫くんと英人君も仲良くなれそうですね。
コメントきえ | URL | 2010-02-09-Tue 07:09 [編集]
MO様
こちらにもありがとうございます。

>今日から毎日、千城と英人に会えるんですね♪ 千城が「私の連れの英人です」と紹介できる人は、まだ そう多くはないですよね?公私共に信頼しあってる、できる男達は、可愛い「連れ」を置き去りにして、何のお話でしょう?更新を楽しみにしています♪

今更遅いんですが、妄想スパイラル様とを交互に読んでいただかないと話が通じないようになっています。
どっちが先…とかはないんですけど、翌日分が「あれ?」っていうことになっちゃうかも。
千城は誰にだって平気で『公表』しちゃうような人なので英人もひやひやものです。
今日分で千城と結城さんの過去が明かされています。
今回の企画でより一層結城さんとの仲が(変な意味じゃなく)深まるようです。
コメントありがとうございました。
Re: 嬉しい企画です
コメントきえ | URL | 2010-02-09-Tue 07:26 [編集]
甲斐様
こちらにもどうもありがとうございます。

> ステキなバレンタイン企画です。
> 結城&薫のラブラブモード全開なお話がだーい好きなんです。
> 先日の二人の挙式シーンに感動したものです。
> そして、大好きな千城&英人CPがセットで読めるなんて感涙ものです。
>
> 薫くんと英人君も仲良くなれそうですね。

私が書くとどうもラブラブモードにならなくて…
本当に石でも投げられそうな今回の企画にビクビクしています。
久しぶりに千城&英人を書いて、ちょっと調子狂っている私かもしれません。
うちは英人視点、千城視点と交互にいきますので、宜しくお願いします。
薫くんと英人の仲の良さは妄想スパイラルのSKY様が書いてくださっているので…(逃げ腰)
ぜひ堪能してください。
コメントありがとうございました。
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