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BLの丘
雛鳥の巣立ち 15
2010-01-03-Sun  CATEGORY: 淋しい夜
新年早々、えちスタート。すみません…(-_-;) でも私が書くとエロくならないです。
しかもまだ年末のお話だったりします…(冷汗)


R18でお願いします。

バスタブからあがった肌をたいして拭き取られることもなくベッドルームまで運ばれる。
千城は自制心を失った獰猛な獣のように英人を求めてきた。優しくいたわってくれるところはいつもと変わらないのに何かが違う。見つめ合う鋭い瞳の強さだけで執拗なほど想いをぶつけてくる。ただ優しいだけではない。激しい勢いで英人を喰らいつくしてしまいたいと全身から溢れるものは普段よりも濃厚に漂っていた。
千城の瞳は英人を捕らえて離さなかった。
英人は瞼を伏せ、でも閉じることはせずに千城から落とされる口付けを受けた。
重なった唇から差し込まれた舌先は貪欲に英人の口腔内を撫でまわす。絡め取られた英人の舌は引き出され千城の歯列をなぞった。少しでも唇と唇の間に隙間ができれば透明な唾液の鎖が二人を繋いだ。呼吸する間を忘れそうになるほどその行為に耽った。

千城とは体の繋がりから始まってしまった関係だから、余計に不安が募るのだと思う。
英人の体を求めた男はたくさんいたが、そこにあったのはお互いの欲求を晴らすためのただれた関係ばかりだった。愛されることの意味が違っていた。
自分には体しかないと思っていた期間があまりにも長過ぎたから、今でも千城に愛されている実感を失う時がある。求められるものが体だけだったら…と。
千城が英人に傾ける愛情は痛いほど感じる時があるのに、時折気持ちの揺らぎからまやかしではないかと疑う世界に落ちた。そのたびにこうして千城に引きあげてもらう。
誰かが「指輪は見えない鎖」と言った。指輪だけで充分なほど満足していた自分も確かにいた。でも英人は脅える心が深すぎて「見える鎖」が欲しかった。
形のない心を割って開いて見せることなどできないから、人は言葉を紡ぎ出し体を繋げて愛情の深さを確かめ合うのだろう。その時を英人は千城の腕の中で幾度も味わってきたと振り返った。
昔は誰にでも開けた体が今では千城以外の人間を受け付けない。英人にはたったそれだけが千城を愛していると告げられる証拠のような気がしていた。

「…ふっ…ァぁ…」
こらえていた吐息が零れる。
絹を纏ったような英人の滑らかな白い肌の上を千城の冷たい指先が流れていく。耳朶から首筋を通って脇腹を撫で太腿までたどるとそのままUターンして少しへこみのある腹を這い胸の突起をつままれた。
痺れるような痛みを伴いながら体の底から疼く淫らな快感を抑え込むことなどできなくて、下肢の間からぽたりと蜜が滴るのが分かる。
キスだけで充分なほど体は昂ぶられていた。
喉奥に熱風を注いだ千城の唇が頬を掠めすかしながら耳元へと移動する。熱い息づかいは聴覚を犯した。
「何をどう言えばいいのか分からない。英人の心もこの体も全てを俺の手の中に収めたい。二度とどこにも飛んで行かないように羽根をもぎ取ってしまいたいくらいだ」
いつも自信に満ちた千城の声ではなかった。
ふわりと瞳を開いた英人は切なそうな千城の瞳を追いかけた。
英人が不安がるたびに強い力で手繰り寄せられてはいたが、千城も同じように心許ない時を過ごしていたのだろうか。
「行かない…、行かないから…。…怖いよ…、千城がいなくなるのが怖い…」
これほど愛されていると分かるのに隙間を浸透してくる恐怖心がある。ぴったりとくっつく肌を離したくないと英人は両手を逞しい背中に巻き付けた。
心細さを打ち明けたのは初めてのことだった。
いままで不安を晒したことはあっても、千城はいつも英人の感情を読み取ってくれたからあえて言葉にする必要がこれまではなかった。優しい手は幾度も英人の髪を撫でて『心配ない』と態度で示された。何度も『英人は何も心配しなくていい、不安に思わなくていい』と繰り返された言葉。それを裏付けるような英人を包み込む温かさ。
でも今日は違う。英人を包む温かさだけではなく、千城が持つ恐れがはっきりと伝わってくる。
安心できない空間がここにあったから、英人から溜め込んだ思いがこぼれたのかもしれない。
「いなくならない。英人も行くな。どこにも行くな。俺の傍にいればいい。英人は俺だけのもので、俺は英人だけのものだ」
脳の奥まで木霊する千城の低い声を何度も反芻しながら小さく頷く。二人が抱えた『不安』は共に同じことで、離れることへの恐怖。重なる肌を生涯己のものとしたかった。

全身を余すところなく舐められる愛撫に、何時でも爆ぜてしまいそうな英人自身をなんとか指先で抑え込む。自らの性器の根元を掴んだ英人に気付けば千城はその手を取り払ってしまった。
「いや…っ、ねぇ…一緒がいい…」
千城がどうしたいのかなどすでに分かる。まず先に英人だけを達かせようとするのはいつものことだった。
そのことに抵抗を覚えて拒絶の言葉をもらした。英人がスルリと伸ばした手の先に千城の怒張が触れる。熱い塊を感じてしまえばますます欲求は高まり、千城の制止が入る前に指先で先端を弄り数度扱いた。すぐに滑りが良くなったのは千城から溢れる興奮があるからだろう。
英人が掴んでしまうなり、ただでさえ荒かった千城の息づかいが耐えるものに変わる。英人が習得している技法を承知しているせいか、千城はあまり英人に触れさせたがらない。千城が余裕を無くすとは思えないが終始主導権を握りたがるのは性格なのだろうか。咄嗟に力強い手で英人は手の動きを封じ込められた。
「駄目だ、離してくれ…。おまえの要求に応えられなくなる…」

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コメント

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コメントたつみきえ | URL | 2010-01-03-Sun 12:28 [編集]
MO様

連コメありがとうございます。

>熱い二人を、ありがとうございます。お互いに感じてる不安や不満を吐き出して、もっと強い絆を築けると良いですね。英人を前にして余裕を無くす千城、楽しみです♪

新年早々暗い話題で申し訳ないくらいです。
今まで言葉が足りなかった二人だな~って思いながら書いていました。
千城はこれまで思いこみみたいな動きばかりだったし、英人もそれに着いてきていたから間違っているとは思っていませんでしたけど、ここにきてできた溝に焦りが生まれたんでしょう。
けど、ベッドの中で余裕をなくしているとは…私も驚き?!
コメントありがとうございました。
コメントたつみきえ | URL | 2010-01-03-Sun 12:35 [編集]
S様

明けましておめでとうございます。
またお越しくださいましてとても嬉しいです。

>あけましておめでとうございます。たつみ様にとって素敵な年になりますように。。。そして英人と千城がHappyな年になりますように。今年も楽しみにしています。

S様にとって素敵な一年になることをお祈り申し上げます。
英人たちは去年の繰越のままで申し訳なかったのですが、彼らにももうすぐ新しい年がやってきます。
次こそは本当に本当に幸せになれることを私も祈りつつ、筆を進めたいと思います。
(とか言いながらまた何か問題が発生したりして…いえいえ、そんなことは…)
コメントありがとうございました。
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