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冬の珍客 同級会 2
2013-12-07-Sat  CATEGORY: 珍客
 離れたところに大浴場があるとは聞いても、すぐそばにある樽風呂で満足できそうだった。
 何といっても動き回らずに温泉が楽しめる。
 到着が遅かったから、のんびり温泉…というわけにもいかなかったが、光也の同年代が、まず先に体を清めているのは必然的に知れてきた。
 だから光也ものんびりと湯に体を浸けたし、時間も気にしていない。
 もちろん、温泉に身を委ねたい成俊のことも知られていて、光也は「遅れても問題がない」と言ってくれる。
 疲れたのは光也のほうだろうけれど、そんな愚痴は一つも洩らされない。

トロトロとした柔らかな泉質。
 肌を包み込むぬるりとしたお湯は決して嫌なものではない。
 クスッと光也は笑うだけだ。
 責められることもない、この空気が、成俊にとって、本当に心地よいものであった。

 二人で浸かっても狭くもない樽風呂に身を寄せて、数十分。
 見えた筋肉に、ひょろりとした自分と比べてしまって、守ってくれるのだと言う安心感が伝わってくるだけで、変に卑屈になることもない。
 時間を忘れた。
 集合時間に気付いたのは、内線電話が鳴ったからだった。

 そう、ゆっくりとはできない到着時間だったことを忘れていた…。

 何を言われるのだろうと思っても、浴衣を着た面々は成俊に挨拶をするだけで、続く言葉はなかった。
 ホッとしてしまうものでもあったけれど。

 囲炉裏が設けられた食事処は両脇に膳が整えられている。
安住と一葉が座る隣に、成俊は促されて素直に従った。
 目の前に栗本と譲原が落ちついて…。計8名席。譲原の隣の空席2名は誰だろう…と考える。

 すかさず、安住が、「誠、遅れるみたいだよ」と状況を打ち明けた。
 続いて、理解する同級生が「まぁ、先にはじめていて、文句はないでしょ」と杯を手にする。
 隣の一葉が烏龍茶のグラスを持っているから、成俊もそうあるべきなのかと思った。
 変に酔って迷惑をかけたらいけないと思うのだが…。

「成俊君も飲みなよ」
 譲原から薦められたら断れない。
 無礼講の宴会は、堅苦しくもなく、楽しめるものだったけれど…。
 聞いていいのか悪いのか、昔話には思わず耳を塞ぎたくなる。
 大人の会話は刺激的すぎた。

譲原「あぁ、享利って昔っから後輩好きで~」
栗本「そこは黙っておこう」(←グラスをウーロン茶に変える)
譲原「佐貫も~」
佐貫「おい、こいつ、もう、寝かせろよ」(←マズイことは避けたい)
成俊「みつやぁ、なにかしたのぉ?」(←半分酔っ払い)
佐貫「するかっ。あのなぁ…。付き合ったのは相手の都合で…ウンヌン」(←酔っ払い相手に必死に言い訳)
一葉「享利さんは昔っからモテモテなんだね…(ノд-。)クスン」
安住「一葉…。気にしなくていいんだよ。向こうから近づいただけの人なんだから(←勝手に?あっそぅ…)」
中條「おまた~…せぇ…」
磯部「え?もう出来上がりなの? 情けねぇ。朝比奈っ(一葉)。(←営業としての付き合いに叩き起こされる)」
譲原「あー、大丈夫。大人の時間はまだあるから」
なんの、大人の時間だか分からないが。

とりあえず、お子様は寝かせてしまえと言ったのは誰か…。
成俊は一葉と一緒に、隣室に敷かれたお布団の中に潜った。
一日、光也のことで緊張して焦って、ヤキモキさせられていたから、ここにいることに安堵が広がる。
お酒に弱い一葉も、がんばったのだろう。それでも睡魔には勝てない。
「明日ね、水族館にいくの…」
眠りに落ちながら、一葉は言う。
成俊にそんな計画はなかったけれど…。
まぁ、間違いなく、年寄りは昼まで起きないだろうなと思ったことは正しかっただろうか。
 いえ、早くに起きられましたが…。

一葉が眠ってしまっては布団を抜けだし、「いつまで飲んでいるの? ほら、おつまみも体に入れてよ」と甲斐甲斐しく世話を焼く存在に誰かは何かを思ったようだが何も言われなかった。
 みんなの口を閉ざしたのは、年下の自分なのだろう。だけど、今更、聞きたくもないものだった。
 光也に愛した人がいたのは知っている。その人を守りきれなかったことも。
 今は自分だけを見てほしい。思い出話はしてほくない。
 そう思ったら我が儘だろうか。

 同級生の話を中断させたことは身に沁みて分かっていても、振り返らせたくはなかった。
「みつや…」
 酔ったふりで甘えたら、「もう、解散にしよう」と低い声が皆を促す。
 誰も反論はしない。

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