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待っていたから 4
2013-10-24-Thu  CATEGORY: 待っていたから
 脱衣所で嘉穂は躊躇いもなく衣類を脱ぎすてていく。決して広くはないこの空間では、手を広げたらぶつかってしまう。香春は嘉穂が脱ぎ終わるのを待ってしまった。
 嘉穂が下着一枚になってからようやく動かない香春に気付いて、「香春? 先入ってるけど…」と動かない香春を気にする。
「あ、うん…」
 ようやく服に手をかけた香春を見ては、嘉穂も最後の一枚を堂々と脱いで浴室のドアを開けた。
 チラリと見えてしまった嘉穂の下半身に、落ちつけたはずの心臓がまた高鳴った。自分のモノとは比較にならないくらい大きなイチモツが黒い茂みの中からぶら下がっていた。香春といえば産毛が生えたような状態だったし、ちんちくりんな性器がちょこんとおじぎをしている。
 こんなのを見たら嘉穂は、より一層子供だと思って呆れてしまうだろうか…。
 体格が違うのだから、ソコだって違ってあたりまえなのだが、同い年とは思えない差がある。他の人の成長具合なんて見たこともないが、香春は小さい頃から何も変化がない気がしてくる。
 数年前まで、それほど大きさなども変わらなかったはずなのに…。あまり意識して見ていたわけでも成長記録をつけていたわけでもないけれど…。
 嘉穂がシャワーを頭からかぶっている水音が響いてきた。続いて「香春?」と呼ぶ声も。
 モタモタしていたことを思い出しては、抵抗があっても今更逃げられない状況に大きなため息がこぼれてしまった。
「あ、うん…」
 それでもなかなか脱ぎ切らない香春に、バッと浴室のドアが開けられる。髪から滴を垂らし、引き締まった筋肉の上を水滴が流れ落ちた姿で嘉穂が不思議そうにこちらを見ていた。
「なにしてんの?」
「べ、べつに…。あの、狭いかな…と思って…」
 どこに視線を向けたらいいのか分からなくなって足元に落とせば、嘉穂はさも何もないように「交代で沈めばいいじゃん」と言い放ってくれた。
 浴室のドアをいつまでも開けっ放しにするわけにもいかず、香春も戸惑いつつ、衣類を脱いだ。
…どんなふうに見られているのだろう…。
 顔を上げられず、そばにあったタオルを掴んでは体の前に当てて一歩を踏み出した。香春が入ってくるスペースを空けてくれながら、嘉穂は自宅から持ってきたボディタオルを勢いよく泡立てて体を洗い始めてしまう。
 香春が全身を濡らし、ようやく洗おうかという頃、豪快に洗っていた嘉穂はもう泡を洗い流そうという段階に入っていた。
 嘉穂にシャワーを渡して、香春は壁を向いて肌にスポンジを這わせた。
 自分のことに夢中になるこの無言の時間が、なんとも居辛さを漂わせてくれる。だがそれもきっと香春だけのことで、嘉穂は何とも思っていないのだろう。

「香春ぁ、そんなちっこいスポンジで洗えるの? 背中洗ってやろうか?」
 突然の申し出にはビクンと体が跳ねあがった。
 香春は泡立ちが良いのでスポンジを愛用していた。嘉穂から見たら手が届きにくいと捉えられたのだろうか。
 親切心はありがたいが、この状況下では素直に喜べるものではない。途端に緊張が全身を包む。
「え、い、いいよ…。嘉穂くん、もうお風呂、入ったら…?」
 香春が振り返っても嘉穂は一歩も動かず、それどころか「いいから」とスポンジを奪われてしまった。
「あっ」
「香春って小さいよな…。やっぱ、親の遺伝なのかな」
 香春の抵抗など全く意に介していない。香春は心もとなく、置いておいたタオルを咄嗟に掴んで前身を覆い隠した。
 嘉穂は項から背中を円を描くように洗っていく。動きはかなりダイナミックで、手が大きくスライドする。
 嘉穂が言う"小さい"はもちろん体格のことなのだが、大事な部分のことまで言われているようでシュンと俯いた。父親のソレをはっきりと見た記憶はないが、『遺伝』と言われたら、父は今現在でも嘉穂と変わらないのではないかと思えてくる。香春の母親が言ったように、身長ならすでに嘉穂のほうが高い。たぶん筋肉量も…。
 嘉穂の父親も生前は年齢の割にかなりしっかりしていたと脳裏に浮かんだ。確か、香春の両親より一回りほど年上だったはずだ。小さい頃は、あのがっしり感が羨ましく思えたものだ。
「か、嘉穂くんのお父さんも大きかったよね…」
「…あぁ…、……デカかったのかな…」
 嘉穂の口調がしんみりした気がして、ハッとする。今では思い出の中の人でしかない…。
 小さかった頃の自分たちから見たら確かに大きかった。成長した今、それは比べることができない。嘉穂が筑穂の身長を抜いたように、いつか父親も追い越し…、…その時『大きい』と言えただろうか…。
 親がいなくて嬉しいはずなんかないんだ…。迂闊なことを口にしてしまったと、香春は余計に動揺した。
 普段は明るくて元気な嘉穂だって、心に傷を負っていないはずがない。その傷を抉ってしまった…。
「ご、ごめん、嘉穂くん…」
「なに、謝ってんの?」
 香春がすぐに詫びれば、嘉穂は何のこと?とはぐらかしてしまう。それに香春は何も答えられず、手早く洗う嘉穂の動きを大人しく受け入れるしかなくなる。
 本当に僅かな時間だったはずなのに、互いに言葉を発しない時間がとても長く感じられた。 

 結局、膝を抱えるようにして二人一緒に浴槽に浸かったために、ざばーんっと勢いよくお湯が溢れてしまった。
 そんなくだらないことでも、気分を払拭するかのように笑いあった。笑えたことで、重苦しい空気がお湯と一緒に流れていってくれたようだ。
「なんか、温泉に行ったみたい。香春のお母さんに『お湯がない』って怒られちゃうかな」
「足し湯機能にしておけばママにばれないよ」
 嘉穂を安心させたくて香春も微笑む。
「昔、良く水、足し過ぎて『水風呂じゃないっ』って呆れられたよな」
「しょうがないよ。あの頃は熱かったんだもん」
 普通に会話ができるようになって良かったと思う。
 そして香春はつい『ママ』と呼んでしまったことを恥ずかしく感じた。
 嘉穂が筑穂のことを『にぃちゃん』から『兄貴』というようになったのと同じように、香春も親の呼び方を変えようとしていた。だけどそう簡単に変えられるはずもなく、特に嘉穂が相手だと意識することも減る。
 嘉穂が気付かないでいてくれることにホッともする。お互い様で、すんなりと聞き流せる雰囲気が変な恥ずかしさを吹き飛ばしてくれた。
…こうしてずっと、同じ思い出を共有していけたらいいのに…。

 だけど会話がどこかよそよそしい感じもする。無理に明るく振る舞っているような印象がそこはかとなくある。
 話している内容も、香春に向けてくれる態度も何一つおかしなところはないはずなのに、微妙なぎこちなさが空気を震わせていた。戸惑いがあるような、少し控え目になっているような…。 
 やはり、嘉穂の親の話をしてしまったのが悪かったのだろうか…。表には出さず、胸の中で泣いていてもおかしくなかった。
 どれだけしっかりしているとは言っても、香春と歳は変わらないのだから。

 他愛のない会話が続いて少しすると、嘉穂が「先に出る」と言いだした。
「う、うん…」
 嘉穂はまたもやどこも隠さずに立ち上がってしまった。視界に入れてしまう恥ずかしさと、後ろめたい気分も相まって香春は膝を抱えたまま俯き続けた。
 ザバーンとまた大きく波ができた。嘉穂がいなくなった分、水量も減っている。
 流れたお湯は、もしかしたら泣くことができなくなった嘉穂の涙なのだろうかと、香春は自分の軽率な発言を後悔していた。

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コメント

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コメントたつみきえ | URL | 2013-10-24-Thu 08:25 [編集]
おはようございます。

> 香春可愛いね(^.^)b 香春には ずっと「ママ」と呼んでほしい♪

香春に好感 ありがとうございます。
「パパ ママ」と呼んで育って来たんでしょうね。
中学生になって周りを意識するようになったかしら。
でもなかなか治りません(笑)
コメントありがとうございました。
やはり 見ちゃうんだね~(/・。\*) チラッ
コメントけいったん | URL | 2013-10-24-Thu 12:42 [編集]
体格差で 分かっていてもねー、そこは ホラ!( *´艸`)クスクス♪
遺伝
うぅ~ん、アソコも そうなのか まったくわかりらいけど、
香春が その成長を気になるなら 今度 パパと 一緒に お風呂に入って よ~く観察してみると いいよ~(*´・ω-)b ネッ

それにしても 嘉穂より 香春パパの方が 小さいって…
そ・そんなぁ(;ω;) ヾ(≧m≦*)ノ ププッ
Re: やはり 見ちゃうんだね~(/・。\*) チラッ
コメントたつみきえ | URL | 2013-10-24-Thu 14:36 [編集]
けいったんさま こんにちは。

> 体格差で 分かっていてもねー、そこは ホラ!( *´艸`)クスクス♪
> 遺伝
> うぅ~ん、アソコも そうなのか まったくわかりらいけど、
> 香春が その成長を気になるなら 今度 パパと 一緒に お風呂に入って よ~く観察してみると いいよ~(*´・ω-)b ネッ

見ちゃうんですね~(笑)
アソコの大きさも遺伝なんですかね。
香春もパパと一緒に入浴したら違いがはっきり分かるかも。
でもパパに「ちっちゃいね」と言ってはいけません。
中学生に負けたパパはショックで立ち直れないでしょうからね。
(パパと三人でお風呂には入らない方がいいな…ボソ)

> それにしても 嘉穂より 香春パパの方が 小さいって…
> そ・そんなぁ(;ω;) ヾ(≧m≦*)ノ ププッ

し、身長が…ですよね…?
え!?ブツ?
まさにちっこいのは遺伝です。
香春の将来も見えてきたね。
腐女子目線でパパを虐めないでね~。

パパ「ちっさいおじさんなのかな…(;_;)」
コメントありがとうございました。
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