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BLの丘
木漏れ日 25
2013-08-24-Sat  CATEGORY: 木漏れ日
「きっもちいいくらいの青空だなぁ~」
到着すると、誰からもなく声が漏れる。
車を降りて、一斉に両手を天に向けて伸びをし、目の前に広がる海と空に目を奪われた。



またここでも部屋をどうするかと言う話で、八竜が「俺と鳥海と藤里くんで、おまえら5人一部屋でいいじゃん」と言えば、彼処から不満が漏れる。
「いやいや、こういうときは4:4だろ~」「別に鳥海くんと藤里くんを同じ部屋にする必要はないじゃん」など、好き勝手な意見が聞こえた。
結局は保護者の権力を最大限に利用した八竜が鳥海と白神と同室で、もう一人はじゃんけんで決められ、瀬見が入ってきた。
あからさまに悔しがられる反応にはどう答えたらいいのか…。
さすがにあの部屋にガタイの良い大人が五人はキツいだろう。

昼食は前回同様、バーベキューをお願いしてあったので、すぐに始めることができた。
浜辺に出るのなら、とみんながそれぞれ海パンに着替えて飛び出す。
上半身裸の人もいれば、Tシャツやパーカーを着ている人もいた。
初めて見た瀬見の筋肉質な上体には、ドキリとさせられる。
森吉たちも逞しかったけれど、逆三角形だった彼らとはまた違った締まり方だ。
部屋の中でちらっとみたその姿も、すぐにTシャツに覆われた。
変に意識しているのは自分だけなのかと…、瀬見と八竜のなんてことない会話を聞きながら慌てるものの、それは白神も似たような立場なのかもしれない。
鳥海は見慣れた八竜の格好などどうでも良かったが、白神には刺激的だったようだ。
これもまた、"海辺の魔法"で、良く見えるのかもしれないけれど。
鳥海と白神も隠れるように着替えて、サーフパンツの上にTシャツをかぶって外に出た。

ここまで辿りつけば制限がなくなった雄物川も缶ビールを片手に、「お疲れさまでした~」と労われてご機嫌上々だ。
猛者揃いが次々と食材を平らげていく中、手を出しそびれている鳥海と白神に、瀬見が親切にもいろいろと取り分けてくれた。
「遠慮していると無くなっちゃうよ。あいつらに気を使うことないから」
子供みたいにもっと無邪気にはしゃげばいいのに…と言われても、素直に聞けるものでもないと唇がとがる。
今までからかわれていたことがあるから、どんな反応を取られるのかも想像に容易い。
きっと嫌われるものではないのも分かるけれど…。
結局瀬見にとっては、八竜の弟で、子供扱いされる存在でしかないのかと、落ち込みもした。
でも極端に差別をしてくるものでもない。
イカの姿焼きを手渡されて、その大きさに「半分こでいいよ」と一つを瀬見に返した。
瀬見は、そう?と一つを自分のものとしてかぶりつく。
切れ目の入ったイカを、白神と交互に食べあいながら、午後は何をするのかと尋ねた。
白神の気分はすでに水上バイクに向いていたようだが、この連中、全員が運転出来るわけではないそうだ。
まぁ、八竜が操れる、などという話は聞いたことがなかったのだが。
先に鳥海たちの願いを叶えてくれようとするところは人の良さだろう。
「俺と六郷だけかな。貸してくれるところ、この近くだって?」
「うん、そう。あっちの海水浴場と反対側なの」
自分たちが宿泊する民宿が、ちょうど中間地点にあった。
通りすぎてきた海水浴場を思い出し、この先だと伝えると、「確かに人ごみで乗れるものじゃないね」と教えられる。
そこは鳥海たちも経験で知っていることだった。
「雄物川さんにまた運転させちゃうことになっちゃうのか…」
コキ使っているようで悪いなと躊躇うと、「なんだったら三人乗りにする?」と提案された。
「え?そんなのがあるの?」
「あるよ。この前乗ったのは二人乗りか…。もう一回り大きいやつだけど」
鳥海たちの反応で、何に乗ったのかも理解できたようだ。
なんでも"大きい"ものに惹かれるのはただの好奇心だろう。
新しい発見は気持ちを高ぶらせてくれた。
白神がはしゃいだ声をあげた。
「それ、いいよね~」
「ありがとう、瀬見さん」
喜ぶふたりを見ては瀬見も嬉しいのか、ニコニコと笑顔で答えてくれた。

バーベキューのあと、スイカ割りを楽しんで、瀬見が「ちょっと行ってくる」と声をかけると、結局全員がぞろぞろと付いてきた。
海上はともかく、浜辺ではいろいろと遊べるのだ。
「是非とも瀬見のテクニックを拝見しよう」などとからかわれているのだが。
前回のものより大型のバイクは迫力があった。
真ん中に鳥海を挟んで、後部に白神を乗せる。
この前の能代の運転がどれだけ乱暴だったのか、白神は「安全運転だね」と、安心して鳥海から手を離した途端、海に投げ落とされた。
「ちょっ、藤里っ?!」
「え?!」
瀬見も慌てて振り返る。
ライフジャケットを着ているから沈みはしないが、キョトンと何が起こったのか分からないでいる白神の表情は焦りより笑えた。
「もう、藤里ってば…」
「あんまり心配させないでね」
瀬見は苦笑だ。
ずぶ濡れの白神を引きあげて、海風を堪能して帰りついた。
やっぱり海上を走りぬけられるって気持ちいい。
鳥海も免許をとろうかな…と密かに計画を企てていた。

白神がいるのだから、変な気分になることはないのだが…。
森吉とのことを思い出すと、瀬見と二人きりだったら、あの時のようなマチガイがあったのだろうかと過る。
瀬見の過去は知らないし、森吉と同じような行動を取るとは思えないけれど、瀬見にもそういった行動を起こしたくなる時があるのかと思うと胸が苦しくなった。
もちろん、それを問うことはできないのだが。

陸に辿りついてお礼を述べながら、「また乗せてね」と甘えると、「もちろん」と万遍の笑みで答えてくれた。
今度は二人きりで乗りたいという欲求が渦巻いている。
夏の思い出…としたいのか。
それだけで終わらせたくないのか…。
もっと瀬見に近づきたい思いは、独占欲でもあった。
いつも自分の味方になってくれる人を、自分のものにしたい願望。
そして、『鳥海くん』ではなく『鳥海』と呼んでほしいこと。
森吉が"自分のもの"と振る舞ったように、瀬見にも同じように扱ってほしい。
もちろん、その場限りではなくて、ずっと…と期待して。

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コメント

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朝から雨…なのに ちっとも涼しくな~い(。 ̄x ̄。) ブーッ!
コメントけいったん | URL | 2013-08-24-Sat 09:58 [編集]
双子ちゃん'sで慣れた 鳥海と白神を 平等に扱う 瀬見の行動
森吉の時の様な 展開は無しかー フゥ~ε=┐( ̄ω ̄:)┌

分け隔てなく 誰にでも優しいのは 時に嬉しく 時に淋しいもの…

特別な存在になりたいと、思う鳥海に 海の神様は 魔法を掛けてくれるのかな?
(* ̄ー ̄*)/~~☆'.・.・:★'.・.・:☆'.・.・:★!(゚Д゚ )ハッ?
けいったんさま こんにちは
コメントたつみきえ | URL | 2013-08-24-Sat 12:36 [編集]
一部地域では、いらない雨の攻撃にあっているようですね。
どうしたのでしょう、この異常気象。

瀬見にとっては見慣れた光景だったのかも。
だって会社には、人目憚らずイチャイチャする光景があるのですから。
鳥海と白神もそれと一緒なのか~。

鳥海、どんどんと欲求が広がりますね。
瀬見が近い存在になるからこそ、『特別感』が欲しいのかも。
大人で、頼りになって、他の人とは違う視線で包んでくれる人ですから。
鳥海って八竜の友人にも、いままでいろいろとちょっかいだされていて、
単なる『弟』という立場に知らずに追い込まれていたけれど、
面識がない瀬見だったから、小さい頃から見ていた"おにいちゃん"たちとは違うんですよね。

腐海女A「ちょっと足、引っ張って驚かせるか」
腐海女B「隣で潜った人は、アワビより、新鮮な体、手に入れられるかも」
腐海女C「人工呼吸は大事だしね」
腐海女D「イタズラ仕掛けるのはいいけど、ほどほどにしないと…」

海の神様に雨乞い(←それはいらない?)して、恋の嵐、吹かせてもらいましょう。
コメントありがとうございました。
へえ!
コメントちー | URL | 2013-08-24-Sat 18:02 [編集]
そうなのかあ。鳥海くんは、にぃの友達にもちょっかいだされてたっとφ(..)
まあ、可愛い弟じゃねえ。
ちょっかい出したくもなるよね。

鳥海くん、恋だって自覚してきたね。
でも、瀬見ちゃんは海千山千だから気を付けないと(笑)
それに、可愛いだけじゃ双子見てるからちと弱いだろうし、第一友達の弟ってだけで外してる可能性もある。
(私的にはそれは楽しいけどね)
多分、瀬見ちゃんは素直に感情をぶつけられるのに弱いと見た。駆け引きはうまいけど、直球には慣れてない?

なんて、きえちんは上手いこと予想を外すから楽しみでもありますけど。
たまに、当たると嬉しいしねえ。
毎日、楽しみです。



双子の夏

双子「「海に行きたい行きたい行きたいの~」」
王子「「・・・ダメッ!」」
双子「「ぶー」」
王子「「(か、可愛い)ダメ、ダメだって!」」
双子「「じゃ、プール」」
王子「「ホテル ○○月でどう?」」
双子「「(相談中)」」
王子「「いろんな温泉あるから楽しいぞ?」」
双子「「うん、わかった。行く」」

近所に海があるから連れてけと言われないと良いね♪

あ、ホテル三○○ってローカルかな?
久々、コメ欄で遊んでしまいましてすんません。
Re: へえ!
コメントたつみきえ | URL | 2013-08-24-Sat 20:08 [編集]
ちーさま こんばんは~る

> そうなのかあ。鳥海くんは、にぃの友達にもちょっかいだされてたっとφ(..)
> まあ、可愛い弟じゃねえ。
> ちょっかい出したくもなるよね。

いや、そこまでは…(汗)
にぃと同じく、保護者的意識だと思いますよ。
特別感じゃなくて、とりあえずみとこぉかっ…て感じで。
隙あれば手をだしておこうかと思った人がいたかどうかは分かりませんが。(←だってまだ子供)

> それに、可愛いだけじゃ双子見てるからちと弱いだろうし、第一友達の弟ってだけで外してる可能性もある。

外見だけじゃあ、落ちないかもね。
だけどふたごは独特すぎて対象外だった可能性ありだし。

> 多分、瀬見ちゃんは素直に感情をぶつけられるのに弱いと見た。駆け引きはうまいけど、直球には慣れてない?

でもーでもー。直球マムはさらりとかわしたよね~。(←もっと他に意味があったかどうだか)
あぁ、マムは簡単にあしらえる存在だったのか…。どこか見極めていたのね。

> 双子の夏

> 王子「「ホテル ○○月でどう?」」(遭難の危険はないしな)
> 双子「「(相談中)」」(水着は着ていいみたいだよ)
> 王子「「いろんな温泉あるから楽しいぞ?」」(とりあえずパンフレット提示)
> 双子「「うん、わかった。行く」」(お風呂は裸でいいんだってぇ)
>
> 近所に海があるから連れてけと言われないと良いね♪

きっと晴天なのに波が高いから「レッドフラッグ」と言われて泳げなくなっています。(←きえちんのカリブ海だよ。・゚・(ノД`)・゚・。)

いえ、三日○って有名でしょ。
テーマパークなみで…。
まっぱでお風呂場ウロウロする双子ちゃん、かなり危険物体だと思いますが。

王子「「二人して黄金風呂占領してるよ~っ」」
双子「「くっついて入れるね~」」
王子「「(輝きすぎている…)」」
双子「「たくさんの温泉もいいね」」
王子「「…(水着着用不可の温泉、失敗したかも…)」」

また書いてね~。
コメントありがとうございました。
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