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BLの丘
珍客の訪れ 10(最終話)
2013-07-11-Thu  CATEGORY: 珍客
久志の体に身を委ねてはいけないと思いながら、心地よさに酔いしれた。
久志が床に転がったシャワーヘッドを手にするのを目で追いかけ、不調を思い出す。
全ての衣類を、那智も協力することで体から剥がされて、久志の膝の上に対面で座りなおしたあとだけに、羞恥心がムクムクと湧いたが、繰り返される啄ばむキスに誤魔化された。
「ヒサ、足痛くないの?」
自分がその足の上に乗っていながらする質問でもないだろうと思う。
椅子に座っても久志の両脚は投げ出すように伸ばされている。
「歩くとかしなければ全然」
重力がかかるからなのだろうか。
平然と返答されて、「でも肩はダメなんでしょ?」と聞くと苦笑いを浮かべられた。
那智はひとまず冷静になって、自分で濡らした久志の髪をかきあげるように梳いた。
那智の中心部に当たる、硬くなりつつあるものの存在は、このまま放置することを拒否されるだろう。
ゲンキなことはいいことなのか…。

「どうする?」と那智の眼差しが疑問を乗せると、分かったのかまた困ったように笑われた。
「不謹慎?でも那智のこんな姿見せられて我慢できるほど人間できてないんだよ」
裸で抱き合えば自然と反応し、相手を求めてしまう。
…何も変わらない…。
胸の中を軽くして、また那智は思って心の中で微笑んだ。
「じゃあヒサは洗ってあげるから」
久志の欲求を受け入れる発言に、またもや久志は一瞬驚いて目を見開いたが、すぐに口角を上げた。
「ふたりで洗いっこでもするか」
半分ふざけた口調ではあったけれど、それも那智を安らかにしてくれるものになった。

シャンプーを手で泡立てて、少し視線の下にある頭を洗っている隙に、那智の背中に回された手は、背中を洗っていたはずなのに双丘を割って潜り込んできた。
跨っている以上膝を閉じることもできない。
「あっ、ヒサっ」
「ほぐれるまでまだ時間あるから、急がなくていいよ」
そういう問題ではない。
徐々に昂らされていく過程が分かるだけに、那智の動きも散漫になってしまう。
浅い呼吸を繰り返しながら洗い流して、久志の肉体にも手を這わせる。
時々那智の胸の尖りを弄られてはその手を弾き飛ばし、ふたりして泡まみれになったころには腹の間で二本の雄がしっかりと芯を持って重なっていた。
「ヒサ…ぁ…、ん…」
「那智、腰、上げて…。ゆっくり落とせばいいから…」
どうすればいいのかは、過去のことがあるだけに分からないわけではない。
怪我をした肩を気遣うから、もう片方の肩に力が片寄ってしまうけれど、どうにか全てを収めることができる。
体内が脈打つものでビッチリと埋め尽くされる。いっぱいにされる充足感は下腹部だけでなく、計れない心まで満たした。
那智の体は久志のもので、久志の体も那智のために存在する。
ピッタリと嵌り合った体はたった一つのパズルのピースのように揺るがない。
真正面から見つめあって、強く優しい眼差しを浴びてフッと微笑むと、ドクンと質量を増した剛直が暴れそうになる。
「ぅんっ、あぁ…っ」
「無理っ、煽るなよ」
馴染むのを待つ間もなく、久志の腰が揺れた。
「ヒサっ、怪我…っ」
「固定してもらって良かったかも…」
懸念しても安堵した答えが吐き出されて、また、無傷の片足が器用に那智を乱してくれた。
こんな動きをとらせるために願ったギプスじゃないのに…。
それでも久志が痛い思いをしなくて済む結果になったなら、良しとしようか…。
久志に翻弄された心は、どこか麻痺してしまったこの時間なのかもしれなかった。


「あー、スッキリしたぁ」
「その『スッキリ』はどっちのスッキリだよっ?!」
シャワーを浴びたいと言ったのは久志だ。
リビングのソファに座った久志と、その足元のラグに転がった那智は、どちらも動くことを億劫に感じていた。
バスルームの湯気に当たった時のセックスは、倦怠感だけを残してくれる。
いつもであれば甲斐甲斐しく動いてくれる久志がいるのだが、今度ばかりは手足を投げ出したままでもいられないだろう。
だから余計に、"スッキリ"した姿を見せつけられてイライラとしてくるのだ。
「ヒサっ、元気なのは分かったから、自分のことは自分でしろよっ。俺のことは放っておいていいからっ」
せめて那智自身のことは自分でするしかないと諦める。
「え~、那智ぃ~ぃ」
「うるさいっ。できなきゃ、会社に泊まり込んで、責任もって手伝ってもらえっ」
家から追い出す仕草を見せると、「そんなぁ」と情けない声を上げる。
だけどそんなやりとりも日常のこと。

さりげなく手を伸ばして、ギプスのはめられた足を撫でてみた。
石膏の上からでは、那智の温度や感触は伝わらないだろう。
早くはずれたらいいのに…。
那智が久志の温度を感じたいように、久志にも那智を忘れてほしくない。
もちろん、その言葉が発されることもなかったけれど。

怪我をした久志か…。
それもまた、『珍客』であってほしいと願う。
こんなことの繰り返しは嫌だと心底思っていた。

―完―

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お付き合いありがとうございました~。
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コメント

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ツンデレ那智が やっぱり好き~♪
コメントけいったん | URL | 2013-07-11-Thu 09:50 [編集]
久し振りのツンデレ那智を 堪能させて頂きました。
とっても とっても 美味しかったよ~(⌒┐⌒) じゅる♪

ヒサの足の怪我も 早く治ればいいね。
だって ギプスで覆われた所って スンゴイ悪臭を放つもの!
この暑さでは 半日で… (; ̄y ̄)c●~~クサイ、、、

それに カマッテちゃんの甘えん坊の那智を放っていては 可哀想でしょ。(o´・ω-)b ネッ♪

ちーさん、
湯気で曇った写真が 良い感じのボカシになって 幻想的な素敵な写真になってるよ~!
niったん、私と 売り子さんになって ガッポリ儲けようね♪
きっと さえさんから 冷たいスィーツの差し入れもあるはずだし!(←オネダリ(笑))

ところで きえちん、生写真 一枚に付き 何%を上納すれば いいのでしょうか?
今日は 外泊との事ですが、今は 家にいらっしゃるのかな?
まったり計算してね~♪¥¥¥¥~come on♪ゞ( ̄∇ ̄o)ヘヘッ ガッポガッポ♪


楽しかった
コメントちー | URL | 2013-07-11-Thu 14:34 [編集]
ツンデレなっちゃんも終わってしまった。
なっちゃん、態度は素直じゃないけど気持ちは優しい子だもんね。ヒサもなっちゃん、悲しませないようにね。
なっちゃんとのお風呂場での過ぎたイチャイチャは、佳史さんにはオブラートに、包んで報告しておきます(笑)
なっちゃん、たまにはヒサの下僕してあげて。倍返しで返ってくるからね♪

待合室にて。終?

『あっちぃー、あっちいわぁ』
『じゃあん!子供用プール~』
『おー!でかした、ちー』
『どうしたの、これ』
『きえちんに貰ったの。』
『『『えー!マジで』』』
『うん、思ったより上納金貰えたからって』
『へ、へえ。そうなんだ』

まだまだ、活躍しそうです。


師匠。なっちゃんとの合体も売れてるからねえ。
秋には、エステでも行きましょか?
じぇじぇじぇー!
こんばんは
コメントたつみきえ | URL | 2013-07-12-Fri 21:54 [編集]
レス遅くなりました~。

久志の無茶ぶりは相変わらず…でしょうか。
でもお互い、珍しい相手の態度を見られて良かったかも?!
しばらくは久志の体調なども気遣いながら、思いあって(でも那智の態度は変わらないだろうな…)過ごしてもらいたいです。
怪我が治った時の那智の態度が見物かも…(o´艸`o)


やっぱりいただいたものは何かで還元しないとね~。
ということで。
子供プールもにぎやかだねぇ。
病院の庭にあるプールなら、安心して子供も遊ばせることができるでしょうね。
…いや、安心できないな…。

和紀「ひなっ、あそこは近づいちゃダメっ」
プール監視(盗撮)腐「「「来た来た来た(ワクワクワク)。また上納金が♪」」」

コメントありがとうございました。
管理人のみ閲覧できます
コメント | | 2013-07-14-Sun 01:37 [編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Re: タイトルなし
コメントたつみきえ | URL | 2013-07-14-Sun 14:41 [編集]
名無しコメ様 こんにちは~。

> この二人のお話を読むと…なんか、実家に帰って気がする(笑)

実家、という言葉に私も笑ってしまいました。
ここで小説(なんて言えたものじゃないけど)書き始めた、一番最初の二人ですからね。
原点ともいうのかしら…。
私と同じ気持ちを持ってくださったのかなぁってところでも嬉しく思いましたよ。

> なっち・ひさ
> 大事に大事に描いてもらって、よかったね。
>
> 逆のパターンだったら、ひさは、きっと号泣だろうに。

きっと荒れ狂っていたと思います。
会社の一つくらい、その体力、怪力を屈指(?)して、破壊したことでしょう。
号泣…???号泣なのかなぁ…。

大事に読んでくださった読者様にも感謝いたします。
コメントありがとうございました。
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