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BLの丘
淋しい夜に泣く声 71
2009-10-29-Thu  CATEGORY: 淋しい夜
ぬるいR18くらい入れておきます。

早い時間からベッドに入った二人は長いこと睦言を交わした。その後は夜遅くまでこれまでの出来事を語り合った。
ベッドの中で並んで横になり、共に見つめ合い、英人が一週間の間でどれだけの感動を受けたとか、何がすごかったとか思い出話を水が流れるように話し続けるのを榛名は黙って耳を傾けてくれた。
時折相槌を入れ、榛名も見たことのある風景などにはその感想も述べてくれたりした。榛名は高校生の時の留学以来、パリには訪れていないようだったから懐かしそうに聞いていた所もあった。
榛名との『休暇』が終わったら英人も地中海側に移動する。神戸たちに合わせた日程だったが、その先に見え隠れする期待も零れ落ちた。この地には評価の高い名作品の数々があり過ぎて、それを直に見られる興奮は英人の血を騒がせていた。
来週末、神戸が去った後に榛名がやってくるというスケジュールで、最後の5日間は完全に榛名とのバカンスだったが、今会えた喜びで次の待ち合わせを一時的に忘れていた。

薄明りの中でじっと見つめられる榛名の瞳に、夢中で話し続けていた英人は突然黙った。少しの陰りが流れたような気がした。
「話を続けろ」と言いたそうな瞳を向けられても、物悲しさが浮かんで英人は口を閉じてしまった。むしろ、榛名の心を聞きたいくらいだ。
その意思をくみ取ったのか、榛名が英人を抱き寄せるとわざと明るい口調を作った。
「水を得た魚だな。おまえをここに寄越して良かったと思う。今の英人はとてもいい顔をしている」
榛名がこれまでの自分の行動を自身で咎めているようだった。

英人を閉じ込めておきたいと言った榛名の言葉が浮かんだ。
ほんの数日前の英人の心境を、今まさに榛名自身が感じているのだと知った。
『捨てられる』と思っているのは榛名の方なのだろうか。英人がこの世界に夢中になればなるほど榛名は英人が離れていくと感じてもおかしくないはずだ。「好きにすればいい」と言ってくれた言葉が重くのしかかってくる。
「ごめ…」
「何で謝る?」
自分の体験ばかりを夢中になり話していたことを後悔した。榛名に依存しっぱなしの自分がどれほど幼稚なのかと思う。
離れていた期間、自分が淋しいと思っていた以上に、感動も何もなかった『日常』の中で榛名がどれだけ辛く侘しい思いをしていたのか一瞬過った瞳が語っているようだった。それでも榛名は一言も口にしない。

「一緒に帰る…」
「馬鹿なことを言うな」
離れて過ごすことに対して弱音を吐いた英人に榛名の厳しくもある口調が轟いた。
「俺のもとに帰って来てくれるだけでいいとあれほど言っただろう。俺は英人の将来を潰したくない。今感じているものは必ず英人の為になる。俺のそばにいたいと思うなら、もっと自分の糧を増やせ」
フッと笑い、英人を勇気づけるようにぎゅうっと抱き締めてくれた。英人が榛名と対等に並べる位置まで高めようと押し上げてくれる態度が甘ったれの自分に染み込んでくる。
このままではいけないと言った神戸の言葉も重なった。
「笑っていてくれ。それが俺の一番の幸福だ」
耳元で囁かれた言葉が英人の脳から心臓へ、そして指の先までへと流れ込んでいった。

英人の柔肌が冷たい指先に触れられるたびにビクビクと戦慄く。震える肌を愉しむように榛名の薄い唇が余すところなく吸いついた。
白い肌には幾つも榛名の所有を表す印が付けられて、それを付けてもらえることが英人にはとても嬉しいものだった。これが消えてしまう前にまた逢いたいと英人は切に願った。

…千城は自分を捨てない…。…千城の為に自分は頑張る…。…千城と共に生きる…。
英人の中に棲みついていた不安が退かされ、新たな希望と夢が咲き誇った。

つい先刻まで交じり合っていた小さな蕾が、閉じる間をおかせてもらえずにまた開かれる。英人の体内にあった榛名から吐き出された滑りのある液が榛名の挿入を助けた。
ゆるゆると焦れったく動かされる時もあれば、激しく蠢かされて甘い啼き声を漏らした。

榛名の前では、「みっともない身体」ではなく、「愛されている身体」なのだと教えられた。鈴口から絶えることなく零れ落ちる体液を、節操のない卑しいものだとはもう思えなかった。

目を見つめ合った時に、ほぼ同時に二人から「愛している」という言葉がこぼれ落ちた。
額から唇、平らな胸と腹、四つの手と英人の細い太腿、結び付く二つの欲望…。離れたところは何一つない。
英人の柔らかな粘膜を強く撫でられればその先にある膨らみに達し、慣らされた快感に体中が悶えた。
ズキズキと限界を越えた痛みでさえ、今の英人には恍惚とする至極の境地だった。
英人の中から離れようとしない榛名の感傷的とも思える肉体を英人はどこまでも受け止めたかった。

「あぁぁぁぁあっっっ…っ!!」
痙攣をした足と鈍い音がしそうな腰。
英人の中で弾けてくれる榛名の熱に充足感と幸福感を味わいながら、英人は気を失った。

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コメント

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恋人達の時間
コメント甲斐 | URL | 2009-10-29-Thu 09:24 [編集]
会いたくて会いたくて待ち焦がれていた二人の感情が伝わってくる描写でうっとりしました。
どんなに充実した時間だったとしても、傍にいてほしい人がいないと足りないですものね。
一緒にかえりたいなんてい言っちゃう坊やに、頭なでて愛情満タンに注ぎ込んで送り出してあげられる千城に感服しました。
愛される喜びと充足感で不安も払拭された英人が、美術のセンスだけじゃなくて感情的にもひと周りもふた周りも大きくなって帰国するんだろうなと感じます。
Re: 恋人達の時間
コメントきえ | URL | 2009-10-29-Thu 10:29 [編集]
甲斐様

こんにちは。

> 会いたくて会いたくて待ち焦がれていた二人の感情が伝わってくる描写でうっとりしました。
えぇぇっっ?!どこが何が?!的な文面にここまで言っていただいて感謝するばかりです。

> どんなに充実した時間だったとしても、傍にいてほしい人がいないと足りないですものね。
> 一緒にかえりたいなんてい言っちゃう坊やに、頭なでて愛情満タンに注ぎ込んで送り出してあげられる千城に感服しました。
…一応大人ですから…(やせ我慢)
たぶん今の千城は相当不安にさらされていると思います。
次のバカンスにはご褒美でも上げないと睨み殺されそうだわ…(冷汗)

> 愛される喜びと充足感で不安も払拭された英人が、美術のセンスだけじゃなくて感情的にもひと周りもふた周りも大きくなって帰国するんだろうなと感じます。
それを私も神戸ももちろん、ちーも期待しています。
(最近の私の頭の中では、パパが千城で3歳児の英人がいて、パパは『ちー』と呼ばれ、英人は『ひー』と呼ばれている…。あ、どうでもいいですよね…(ーー゛))

早速のコメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2009-10-29-Thu 16:01 [編集]
MO様

こんにちは。拍手コメありがとうございます。

>英人に対する千城の愛は、本当に深くて、大きくて、何にも変え難い唯一の存在なのですね。いつも英人の言葉に耳を傾け、不安な気持ちを取り去ってくれる頼もしい存在ですね。やっとお互いに、将来を見据え、二人が並んで歩んでいける為に、一歩踏み出せそうですね。いつも更新を楽しみにしています。

書いている私が、いつの間にこんなに英人にのめりこんじゃったの???と聞きたいくらいです。
もともと、与えられるだけの愛の中(千城の場合はちょっと意味合いが違いますが)で育った千城は、自分が与える存在を見つけたことで母性本能(父性本能?)が目覚めたようです。
色々な意味で知識を持っていますし、理解できる人間ですから周りの意見もそれなりに聞き入れます。(現在とくに英人に関しては耳はダンボ)

あと一山越えたら完話にしたいです…。
100に達することなく…。
いつもお越しいただきまして本当にありがとうございます。
またぜひいらしてください。
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