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BLの丘
春が来てくれるなら 10
2013-04-30-Tue  CATEGORY: 春が来てくれるなら
.・゜゜・(/□\*)・゜゜・わーんっ
ちょっと間違えただけなのに、また新着に上がってる・・・

いいよ~・⌒ヾ( ゚⊿゚)ポイッするよ~っ


【視点が韮崎sideに変わります】


昨夜の風呂場で偶然にも出会ってしまった大月が、何を考えているのか、容易く想像できるものであった。
直後に表れた勝沼を視界に入れれば尚更。
どこまでも男を求めて遊びたがるあの性格、というか、性質はどうにかならないものだろうかと頭を悩ませる。
真面目すぎるくらいの明野に比べたら、雲泥の差だ。
そんな家庭環境に育った反発もあるのだろうが・・・
だれをも、不安に陥れる行動ばかりだった。
少なくとも、明野の不安だけは取り除いてやりたかった。
昔から見てきた人は、弟をぞんざいに扱っていたが、どこまででも気にしていることを身近にいただけに知っていた。
親兄弟から言われて、素直に身を納める性格ではないことも、触れあってきた期間で知れている。
間に一枚、挟まってやった方がいいとは、韮崎本人の、勝手な思いだったのかもしれないが、明野も、父親である都留も好きにさせてくれた。
それほどまで、この会社の中で幅を利かせていた証拠でもある。
今更何をしても、この親子は反対しないだろう。

自惚れにも近かったのだろうか。

とりあえず、まずは『就職』だった。
このちゃらんぽらんな性格が、どこの社に受け入れられるとも思えない。
更に悩ませたのが"男関係"の問題であって、どこの野良犬のマーキングではないが、ところ構わず自分の匂いを撒き散らしている姿には閉口するしかない。
こんな人間が自社の存在となるのかと思うだけで背筋が凍った。

だから、就職を世話する代わりに、面倒な男を全て清算しろといい含めた。
先行きがアヤシイことは、本人も気付いているようで、頷きもする。
さすがに路頭に迷う道を選ぶほどのバカではないのだ。

兄弟だからだろう。
明野に良く似ている・・・と思うところは多々ある。
遊び慣れた大月を前にしたら、簡単に抱けた。
深入りしたくない彼の精神も分かるから、お互いに"吐き出す"ための道具でしかない。

だが、抱き続ければ、明野に対しての罪悪感も増し、また不思議と、大月が離れていくことの恐怖心を味わう。
いつか、事業を起こすことは、明野は承知済みだった。
自分の会社のグループとして発展してくれるのなら、なんの問題もないと。
その時に、本社では居辛いだろう大月を引き抜くことも。

『大月を見込んで、育ててくれるなんてね。巨摩には感謝するところだな』
笑顔で未来に期待を寄せてくれた人がいた。

一番の裏切りは自分だろう、と、幾度後悔したか・・・。
これまで遊び歩いた数々を、明野は笑って許してくれていた。
何も言われない、そこには韮崎が抱く勝手な嫉妬すらあったのかもしれない。
では、『弟』に手を出したなら、どうなのだろう・・・。


「今日の研修を始めます」
マイクの声で、ハッと我にかえった。

韮崎の隣に立っていたひとつ年下の上野原禾生(うえのはら かせい)が、ぼぅっとした韮崎をコツンとつついた。
頭一つ分低い彼は、つぶらな黒眼で様子をうかがってくる。
日々の過労を心配してくれるひとりでもあったが。
「やっぱり、昨日の総まとめ、僕、手伝った方が良かったんじゃ・・・」
「いや、気にしなくていい」

どこまでもやる完璧主義者とはすでに知られた様相。
一度抱いてやって、いつまでも恋人ヅラされるのは韮崎も気分が良くなかった。
分かりきって結んだ関係なのに、ことあるごとに、ある"一定"の地位を求められることに嫌気もさしていた。
彼の耳にも大月のことは届いていておかしくない。
だからこそ、みんながいる前で、既成事実、とまではいかなくても、何かしら知らしめたいものがあるのは感じとることができていた。
明野との関係はひた隠しにしている。
そのぶん、大月にかける手間暇は目に余るようにしむけていたのだが。

「部署ごとのミーティングルームの設置は済んでいるんだろうな?」
「ディスカッションでしょ?例年通りの配置ですからね」
慣れている、といった様子で返される。
そう、例年通り、変わり映えのない、行事・・・

「韮崎さん、午後で、これ、終わるでしょ?まだ時間早いよね」
「いや・・・」
声に詰まったのは上野原に対してどう返事をしようか悩んだから、ではない。
視界に入ったのは、さりげなく移動した大月が、昨夜見ただけの男、勝沼のとなりにすわったからだった。

誰から見ても分かる"色目"を明らかに放出した姿に、今度こそ、韮崎の舌打ちがこぼれた。
「あ・・・ん、のバカっ」

その低い声には、周りに聞こえなくてもそばにいた上野原にははっきりと届くもので。
自分の発言の何が悪かったのだろうかと、すぐさま考えてしまった上野原だったのだが、この時の韮崎は、珍しくそこまで気が回っていなかった。

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