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BLの丘
春が来てくれるなら 9
2013-04-30-Tue  CATEGORY: 春が来てくれるなら
韮崎がいなくなった現在、勝沼と二人きりにされた状況は、非常に居辛いものとなっていた。
一度は韮崎との関係を否定したものの、時間外とも言える時間に、この場で出会ってしまったこと、また 身近に寄られている光景を目撃されたことは、全ての言動をひっくり返す。
この先、どんな悪いうわさが立てられようが、全ては韮崎の責任だろう、と投げ出したい気分でもあった。
だが、反面で燻るのは、やはり、家族の存在か。

明野が、韮崎と大月が親しい関係にあると知っていたとしても、それ以上を疑われたくはない。

そんなことを巡らせながら大月はあることをひらめいていた。
このまま、勝沼と親しい仲になれば、少なくとも明野の誤解は生みだされないだろう。
どこまで進むかは最大の疑問だが、社内で韮崎とは別の人物と"仲良し"になることは、必要以上に疑われない防壁になるかもしれない。

ためらいを含んだままでいる勝沼に、すぐさま向き直った大月は、「じゃ、明日な」と先ほどと同じセリフを繰り返して、勝沼を驚かせていた。
「え・・・、でも・・・」
このごに及んでまさか、そんなセリフが吐き出されるとは思っていなかったのだろう。
この現場だけで『大月は韮崎のもの』と植えつけてしまった証拠である。
勝沼に対しての疑いもどこまで広がっているのかは謎であるが、今現在「何もない」と言い切るのが得策のような気がした。
手早く衣類を身につけ、まだ濡れた髪のままで、風呂場を後にした。
このあと、もしかしたら韮崎と勝沼がなにかしらの話をするかもしれない。
しかし、韮崎から大月とのことをこれといって深く掘り下げて伝えられないことも知れたことだ。
韮崎から関係性がないと直接聞かされれば、勝沼も先程の動揺を捨てて、最初に出会った時のような堂々とした振る舞いに出てくるだろう。
ちらっとしか触れあわなかったが、突き進むタイプだとは感じられた。
その性格も"営業部"として認められた才覚なのかも。
あとは、韮崎を避け続ければいい・・・。

部署ごとに相部屋を取らされている人たちもいたが、大月はツインルームを一人で使っていた。
もっとも、大月と同室になりたい人物もいないだろうというところだが。
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して、半分ほどを一気に飲み干す。
久し振りの出会い(?)は気分もよかったのだが、韮崎の登場で、あっという間に覆された。
あの男は、どこまで自分の地位を守り、大月を自分のものとしようとしているのだろうか。
それを兄の明野に知らせてしまいたい衝動も抱えながら、反面で、今の社会生活から逃してくれる期待感も抱えている。
どれほど居心地が悪いか・・・。もしかしたら韮崎のほうが強く感じて経験してきていたのかもしれないと。

環境を変えてくれる未来が見えるからこそ、今を我慢できて、夢を見ることができるのかもしれない。
そこには確かな道筋がある。

『夢』とはなんだろう、という苦笑いも同時にこぼれていた。
そんな乙女チックになる時期はとうの昔に捨てたはずたろう。
だが・・・
枯れたはずの木芽に蕾が芽生えたかのように・・・。
韮崎は突き放せなかったのだ。
自分が、その"木"であるなら。

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コメント

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ゆくっりね
コメントnichika | URL | 2013-04-30-Tue 06:20 [編集]
きえちん いつでも大丈夫だよ まってま~す 

大月 韮崎 明野 勝沼 この関係進展に こう期待
(*^ω^*)ノ ハーイ♪
コメントけいったん | URL | 2013-04-30-Tue 11:00 [編集]
私も niったん同様 待ってます。

今日はねー
ダンナは外出、 子供は学校で 束の間の息抜きの日なんだぁ~(o^^o)ふふっ♪
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