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BLの丘
七色の虹 16
2012-09-28-Fri  CATEGORY: 七色の虹
由良は高畠を自分の部屋に招き入れた。
初めて高畠がこの家を訪れたのは、酔っ払った由利を連れて来てくれた時のこと。
次もリビングでご飯を食べただけで帰っていった。
ここまで踏み込んでくれること、また誘えたことは、由良の中で意外ともいえる展開になったのだろうか。
ベッドとパソコンデスクがあるくらいの、質素とも言える部屋だった。
壁沿いにクローゼットと書棚があるおかげで散らかりそうなものを収めることができていた。
収納力の良さは、このマンションの売りでもあったのだが…。

整然とされた部屋に、背後にいた高畠が溜め息を漏らす。
「なんか…、由良の性格みたいだな…」
「ん?」
「潔いっていうか、サッパリしているっていうか、開き直っているっていうか…」
「まったくもって褒め言葉には聞こえないけれど」
「褒めてるよ。しっかり者って感じでしょ」
僅かに振り返っては背中を抱き包められる。
近くに寄ることはあっても、あからさまに接触などなかった。
由良が故意的に仕掛けた触れあいはあったけれど、高畠からのものは少なかったように振り返る。
それが今は、耐えていたものを崩したように、…安心したかのように、晒される本音があった。
由良だけではない…。高畠も周りに気を使いすぎていた。

「高畠さん…」
「またそう呼ぶ…」
「あ…」
責めてくるように咎められ、言い間違えた唇を高畠のそれで塞がれる。
僅かな隙間も逃さず、忍び込んでくる舌が由良の敏感な部分を掠めた。
先程のくちづけだけで、覚えてしまった性感帯を的確に突かれて、由良は膝が震えた。
しがみついてしまう腕が、しっかりと由良の腰に回されて抱かれた。
そのままベッドの上に転がされる。
覆いかぶさってくる、しっかりとした体躯が包みこんでくれて、いつも一緒に寝ていた頼りなさとは雲泥の差があった。
逞しさには安堵感のほうが強い。
この先に訪れる、未知なる世界への恐怖感がどんどんと薄れていった。

「由良…、おまえを傷つけたくないし、躊躇いは持たれたくない…」
「今更、それ、言うの?」
「嫌いにはならないよ」
…抱いても抱かれても…。
どんな姿を見せても受け入れてくれる。影ながらずっと見守ってくれていた存在の人は、どんな場面でも思ってくれていたことを改めて知った。
だからこそ、全てを委ねられる。
由良が由利の何もかもを許せるのと同じことのように…。

少し頭を持ち上げては啄ばむようなキスを由良から仕掛けた。
慣れた態度には苦笑されるけれど…。それもすでに知られたことなのか…。
由利と交わすことは、高畠も誰もが認めていることだろう。
同じ感覚ではないと言いたいのだが、信じられるものなのか…。
いや、高畠だからこそ信じて、認めて、赦してくれるところがあるのだろう。
そして言われた、『嫌いにはならないよ』…。

「萩生…って、…空だね」
「『空』?」
見上げた先の存在に語りかけた。
『虹』と言われた自分も疑問だったけれど、同じく由良が語った印象も高畠には理解できない様子で動きが止まる。
「うん…。俺を飾ってくれる空…」
由良の発言に一瞬戸惑いつつ、クスリと笑ってくれる。
「あぁ…。由良みたいなやつ、面倒見られるのは俺くらいだって諦めておけよ」
「もうっ…っ」
剥れて尖らせた唇はまた塞がれた。
啄ばむような緩やかな動きに、焦りや興奮が不思議と抑えられていく。
いつもと変わらない、近くにいられる安堵感が広がる。常にそこにあるもの。
空気のようで、流れる風のようで…。
それと同時に湧いた、一つの疑問。
「いつから…?」
尋ねた質問は、詳しく語らなくても意味を掬い取ってくれたようだ。
「入社してきてすぐの頃かな…」

いつから由良の事を気にかけてくれたのか…。

初めて出会ったのはいつだっただろう。
会社内の出来事を由利と語りあったことは多すぎる。
まだ、由良と顔を合わせていたのかはっきりとしない頃から、高畠はその存在に気付いていた。
確かに話題に上ることは多かったとは思っても…。
じんわりと胸の中に広がっていく温かなものが由利に込められた呪縛を解く。
代わりに由良を縛っていく高畠という存在のもの…。

「無駄話はもういいだろう。あとで何でも答えてやるよ…」
先を促されることに、珍しく由良のほうが苦笑を浮かべてしまった。
「まったく…」
諦めなのか、容認なのか、捧げたものなのか…。
また塞がれた唇の奥、次に漏れたのは、吐息に混じった喘ぎだった。

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えちに辿りつかない…(汗)
『ちゃんちゃん♪(世間は"朝ちゅん"という…)』って書いたら爆弾が飛んできそうだよね…。

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コメント

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お楽しみは
コメントちー | URL | 2012-09-28-Fri 00:51 [編集]
空と虹ねー。
・・・ちっ、何なの、その綺麗な纏まり方。←羨ましい

でも、高畠さんてそんな感じの人ですね。
どこまでも広い心を持ってる人。
まあ、広すぎて見えなくなる時もありそうだけど。

辿り着かないから余計に由良の緊張感が知れて、良いんじゃないですか?
嫌じゃないけど怖い。由良も由利とは体験しなかった未知の扉を開けるのね。

あ、でも、高畠さんを焦らすのも・・・
忍耐試しちゃう?由良(笑)


奥さま、奥さま。
先日、可愛い男の子見たざます。
線が細くてですね、きえ刑事が大好きなネコタンの身長が170ちょい位?
思わず、受け!って思ってしまいチラチラ見ちゃいました。ごめんね、どこかのお兄ちゃん。
今、思えば双子ちゃんより成くんでも良いかも。
(謝った口でまだ言うか~!)

だから、早くツアーに出なくちゃですわ。
あ、違った。研修だった。隊長に報告書(仮)書かないと、旅費貰えないんだった。
一泊、70万円らしいけど平気かなあ?
Re: お楽しみは
コメントたつみきえ | URL | 2012-09-28-Fri 09:16 [編集]
ちー様
こんにちは。

> 空と虹ねー。
> ・・・ちっ、何なの、その綺麗な纏まり方。←羨ましい
> でも、高畠さんてそんな感じの人ですね。
> どこまでも広い心を持ってる人。
> まあ、広すぎて見えなくなる時もありそうだけど。

雄大なイメージがある高畠ですね~。
世界全体を包んでくれることでしょう。
(偶然思い浮かんでしまって、書いてみた(←)
見えなくなられちゃうと困っちゃうんだけど。
どこにいてもあるのは空だ。
たまーに虹がでるのだ。(きまぐれ)

> 辿り着かないから余計に由良の緊張感が知れて、良いんじゃないですか?
> 嫌じゃないけど怖い。由良も由利とは体験しなかった未知の扉を開けるのね。
>
> あ、でも、高畠さんを焦らすのも・・・
> 忍耐試しちゃう?由良(笑)

片思いが長かったのは高畠だったんですかねぇ。
これ以上焦らしちゃったら、可哀想ですよ。
それに甘えられない由良になっちゃうしねぇ。

> 奥さま、奥さま。
> 先日、可愛い男の子見たざます。
> 線が細くてですね、きえ刑事が大好きなネコタンの身長が170ちょい位?
> 思わず、受け!って思ってしまいチラチラ見ちゃいました。ごめんね、どこかのお兄ちゃん。
> 今、思えば双子ちゃんより成くんでも良いかも。
> (謝った口でまだ言うか~!)
>
> だから、早くツアーに出なくちゃですわ。
> あ、違った。研修だった。隊長に報告書(仮)書かないと、旅費貰えないんだった。
> 一泊、70万円らしいけど平気かなあ?

誰に見られているのか分からない世の中ですね(笑)
身だしなみ、整えていかないと…。
(私はツアーを追い掛ける人になります。どんな動きをするのか見学~♪)
隊長、高額な宿泊費が…(笑)
隊長『あ、あんな高い店は普通ツアーに入らないだろう…(・・;)』
雅臣「いえいえヽ(゚∀゚)ノありますよ~♪当社、お取り扱いしております」
龍太「ま、雅臣さん…、やっぱり見学場所、違っているし…(まぁ、青田買いされても困るけど…)」
コメントありがとうございました。


空と~虹の間には~今夜は~甘い~時が来る~♪
コメントけいったん | URL | 2012-09-28-Fri 09:22 [編集]
空が澄み切っていれば いるほど 虹は輝きを増す
明朝は、眩しいほどでしょうね♪

ところで きえ様が 中々 辿り着けないと仰ってる”R”
そこに辿り着くまでの 過程が好きな私。
言葉、表情、態度や心情の 動き、揺れ、変化 そして 2人の距離間が…


『なぁハニー♪ 研修旅行に 一泊70万円の旅館って どう思う(o'ω'o)?』
「えっ?…そ・そうねぇ~ それだけ 頑張ってくれるって事じゃないの!ァハハァハハヾ( ̄▼ ̄||)」
(さすが マイ・ハニーは言う事が違うな♪(* ̄ω ̄*) ポッ)←心の声

[隊長~騙されてはいけませんって!ヾ(´д`;)ノぁゎゎ]byA隊員
[隊長!オレらも 行きたいっす!(`・ω・´)シャキーン]byB隊員
[温泉かぁ~♪(〃▽〃)。o ○]byC隊員

モウ ナニガ ナンダカ?<(。ω 。:)>?...byebye☆


Re: 空と~虹の間には~今夜は~甘い~時が来る~♪
コメントたつみきえ | URL | 2012-09-28-Fri 09:55 [編集]
けいったん様
こんにちは。
なんだがご一緒していたみたいですね。

> 空が澄み切っていれば いるほど 虹は輝きを増す
> 明朝は、眩しいほどでしょうね♪

誰もかれもを魅了してくれることでしょう。
いままでも目立つ存在でしたけれど…。
色艶増した双子ちゃん、危険ですね~。

> ところで きえ様が 中々 辿り着けないと仰ってる”R”
> そこに辿り着くまでの 過程が好きな私。
> 言葉、表情、態度や心情の 動き、揺れ、変化 そして 2人の距離間が…

そんなふうに言っていただけるとホッとしてしまいます。
いきなりえちするんじゃなくて、そこまで色々と思うものとかあるかなぁと…(言い訳のように…)
やがて縮まっていく二人の間ですね。

> 『なぁハニー♪ 研修旅行に 一泊70万円の旅館って どう思う(o'ω'o)?』
> 「えっ?…そ・そうねぇ~ それだけ 頑張ってくれるって事じゃないの!ァハハァハハヾ( ̄▼ ̄||)」
> (さすが マイ・ハニーは言う事が違うな♪(* ̄ω ̄*) ポッ)←心の声
>
> [隊長~騙されてはいけませんって!ヾ(´д`;)ノぁゎゎ]byA隊員
> [隊長!オレらも 行きたいっす!(`・ω・´)シャキーン]byB隊員
> [温泉かぁ~♪(〃▽〃)。o ○]byC隊員
>
> モウ ナニガ ナンダカ?<(。ω 。:)>?...byebye☆

隊員も一緒に研修旅行ですか。
駅弁買って、電車に乗り込んで、チラチラと見学して、高級旅館の混浴風呂を覗いて…。
目を付けたところに夜這いに出かけて…。
素敵な懸賞旅行ですね~♪
…あ、懸賞じゃなくて研修だ…。
隊長の予算が浮いてしまう…。
コメントありがとうござました。
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