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BLの丘
淋しい夜に泣く声 40
2009-10-02-Fri  CATEGORY: 淋しい夜
何者だろうと訝しげに見上げた男は、見たことがあった。
彫が深くやけに鼻の高い顔。茶色く染めた髪はゆるくパーマがかけられている。濃紺のスーツ姿は仕事帰りのようだった。
もちろん名前など知りはしないが、こうして昔よく通ったバーで会ったことは確かだ。英人よりも幾つか年上に見える。
男は携帯電話の画面をいじり、何かの画像を出した。
「ほら」
見せられたものに、英人は全身の血が失せていくのを感じた。

そこにあったのは、大きく足を開き後ろの孔に男のモノを咥えて、腹は自分が吐き出した大量の精子で汚れ、気を失っている自分の姿だった。

「う…そ…」
英人は言葉を紡ぎだすことが出来なかった。
男の手によってすぐにその写真は閉じられた。
「俺のお宝画像。さっきの男とは話が成立しなかったの?アンタ、すっげーヨカッタからあの後もたまに店に行ったんだけど会えなかったな。けどこんなとこで客引きしてるとは思わなかった」
ニヤニヤと笑いながら会えてラッキーと男は静かに続けた。

いつの間にこんな写真を撮られたのか、英人は過去の自分を恥じていた。同時にどうしたらいいのかと頭を抱えた。
この男は今でも英人が身体を売っているのだと思っているし、確実な『証拠』を携えていた。
「相手がいないんだったら今夜俺に付き合えよ。なんだったらこの写真、ネットで流してもいいぜ」
人には聞かれないように耳元で囁かれる。それだけでもゾッとした。
完全なる脅迫だった。もう英人には選択権など与えられていない。
こんなものが世に出回ったらそれこそ身の破滅だ。何より榛名の姿が浮かんだ。迷惑をかけるどころの話ではなくなる。

「再会の記念に一杯やろう」
勝手に男は英人のおかわりと自分の分を注文した。
「会計は部屋につけておいてよ」
ルームナンバーを確認したバーテンダーが恭しく頭を下げて去っていく。

2か月も滞在すればこのホテルの従業員のほとんどは英人の顔を知っていた。
特にこうしたバーやレストランは榛名に連れられて来ていたから顔馴染みと言ってもいいくらいだった。
英人が一人で訪れたって対応は一般客と異なっていたし、会計だってしたことなどない。
榛名が特別に扱っていることを誰もが知っていて、それは当然、こんなところで男と一緒だったと嫌でも榛名の耳に入ることになる。
だからといってこの男の前から立ち去ることも出来なかった。先ほど見せられた淫らな姿は脳裏に焼きつき、恐怖で身体が動かなかった。
英人はどうしたらいいのかこれっぽっちも思いつかなかった。

注文した一杯をあっという間に平らげた男は、英人の腕を引っ張った。
「もたもたすんなよ。焦らしてんの?まぁそういうのも可愛げがあっていいか」
ニヤリと笑った男の顔があまりにも怖くて、全身から冷や汗が吹いた。
今までだったら喜んで付いていきそうな容貌の男でも、今では恐怖の塊だ。
写真のことがあったから、英人は大人しく従うしかなかった。あんなものが世に流れれば、それこそ榛名の足を引っ張ることになる…。

英人はバーを離れる間際、縋るようにバーテンダーの目を見てしまった。誰に何をどうしてほしいのか、自分でも分からなかった。

連れて行かれた部屋は、ごく一般的なツインルームだった。
使う必要のない一つのベッドの上にはたくさんの衣類や小物が散乱していた。
自分が普段使っている部屋とは大きく異なる、部屋に入ったらすぐにベッドがあるような造りに、英人は奥へ入るのを激しく拒んだ。
「ね…、どうしたら…? お金?いくら払えばいいの?…あの写真、消して」
声が震えた。部屋のドアを閉めて、入口で慌てふためき懇願する英人に、腕を引っ張っていた男の力が緩んだ。そして嘲笑うように目を細めた。
おぞましいほどの笑みだった。
「アンタ、いい生活送ってそうだな。前よりも肌艶が良くなったようだし。着ているものも全然違う。見られたくない相手でもできたか?もっともこんなホテルに出入りできるんだもんな。…金で解決したいの?考えてやってもいいけど…」

だからといって英人の自由になるお金などあるはずがなかった。この男がどれだけ法外な金額をふっかけてくるのかも分からない。榛名に頼めば多少の金なら貸してくれるだろうが、あんな画像を見られるのは絶対に嫌だった。
ふわりと抱き寄せられながら耳元で男の声がした。
「その前に一回くらいヤらせてよ。アンタの身体、一度抱いたら絶対忘れらんない。お宝画像のことは後で考えてやるよ」

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先日ご指摘をうけたのですが、やっぱり気ままにupさせていただきます。
一日2回とか3回とかあるかもしれません。全く更新のない日もあると思います。
ポチはあまり気にしていないので、ただ読みに来てくださる方がいればいいです。
あくまでも私の趣味で書いている世界なので…。
お付き合いいただいている方に本当に感謝いたします。ありがとうございます。
何かご不満がございましたら、コメでも残してください。
今後ともよろしくお願いいたします。m(__)m
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トラックバック0 コメント6
コメント

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コメント | URL | 2009-10-02-Fri 19:23 [編集]
本当に楽しいです。英人がこれからどうなるかとても気になります。
やっぱり心配してしまいました。(変かな)
この小説が大好きです。
こんばんわ
コメントメグミ | URL | 2009-10-02-Fri 20:49 [編集]
これは・・・危険な展開ですね(>.<)

千城さん助けに来ないかな・・・。
でもあの画像が流れたら本当に身の破滅にもなってしまうし・・・。
他の男に抱かれるなんて嫌だ~!

ドキドキ、ハラハラ、次も楽しみにしております。
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-10-03-Sat 01:11 [編集]
名無し様。

初めてのご訪問でしょうか。
お越しいただきありがとうございます。

> 本当に楽しいです。英人がこれからどうなるかとても気になります。
> やっぱり心配してしまいました。(変かな)
> この小説が大好きです。
このように言っていただいて大変感激しておりますっ!
小説とはとても言えない、『小学生の作文』並みなのに…(うるうる。感動)
(人様のお宅に伺うたびにいつブログを下げようかと思うし…)

英人はどうなっちゃうんでしょうか~。
勝手にキャラが動いていたりするので私も不思議な世界かも(?)

ご期待に添えるよう頑張っていきたいです。
コメいただき本当にありがとうございました。
Re: こんばんわ
コメントきえ | URL | 2009-10-03-Sat 01:19 [編集]
メグミ様

いつもご訪問いただきありがとうございます。

> これは・・・危険な展開ですね(>.<)
>
> 千城さん助けに来ないかな・・・。
うーん。
今日の記事にも、ところどころにそれらしい文を盛り込んであるので感の良い方はお気づきかと…。

> でもあの画像が流れたら本当に身の破滅にもなってしまうし・・・。
> 他の男に抱かれるなんて嫌だ~!
あれほど千城に、「知らない人に着いていっちゃだめだよ」と(そんなに優しくない)言われた英人なのにね…。
この場合は「知らない人」になるんだろうか…(私が考えるな)

> ドキドキ、ハラハラ、次も楽しみにしております。
はーい。いつもありがとうございます。
渚さんも調教がんばってね~。
コメントきえ | URL | 2009-10-03-Sat 01:28 [編集]
M様

いつもご訪問いただきありがとうございます。

>榛名の救出劇楽しみにしてます(^^) これによって早く素直になってほしいわ~。
はたしてお互いどちらも素直になるのか…
M様のご想像されるような世界に早く私も持っていきたいわ~。

またぜひ遊びにいらしてください。
Re.
コメントきえ | URL | 2009-10-03-Sat 01:31 [編集]
S様

コメントいただきありがとうございます。
>いつも楽しみにしています。英人どうなっちゃうのでしょう!?気になります。upは気ままに待っていますので♪今後の展開楽しみです。

定時更新にしようかと悩んだのですが、気ままにパソを開いて書いているので、そのままupすることにしました。
せっかく読みに来ていただいている方には不定期で申し訳ないのですが…。
応援していただいているようでとても励みになっております。
ありがとうございます。m(__)m

適当に遊びにいらしてください。
コメントをいただけて本当に嬉しかったです。
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