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BLの丘
陽いづる国 7
2012-09-07-Fri  CATEGORY: 陽いづる国
R18 少々性描写があります。閲覧にはご注意ください。


内筒を肉棒で擦られる感覚に体中が戦慄く。
宥めるように全身を抱えてくれる紳平に、優しさと温かさを教えられた。
何よりも気持ち良さに溺れていく。ずっと抱えていた相手に委ねることが悪いことだという感情が剥がれ落ちていく。
相手に縋ることができるのだという気持ち良さ…。
心と体を解放できること…。

抱きしめられた腕の中で、紳平の動きに自然とあわせて欲望を放った。
初めてのことに恥ずかしさもあるのに、いつまでも自然体でいる紳平に癒されもする。
こうやって体を重ねることも、想いを表すことも人として当たり前のことなのだと告げられているようだった。
日本国内ではあまり見かけないかもしれない…。
啄ばむようなくちづけを幾度も贈られて、生きてきた世界に戻れたような錯覚を浴びながら、美琴はその日、紳平の隣で眠りに落ちた

学部内で美琴と紳平の立場は以前と何も変わらない。
美琴に悪戯をけしかけた男はあれ以降近付いてくることもなかった。
あちこちで見かけることはあったが、今までのように話しかけてはこない。
こんな形で友人の一人を失うのも悲しかったが、紳平が心底毛嫌いしたことに、美琴もそれ以上口を挟むことはしなかった。
影で二人の付き合いが、これまでとは全く異なる濃密さを含んでいることなど、たぶん誰も気付きはしていないのではないかというくらい、美琴と紳平はサバサバとした様相だった。
特に連絡もなく、カフェで会えば一緒に食事をするし、さりげないメモの受け渡しで、夜の約束を取りつける。
付かず離れずといった友人と変わらない立場は、堅苦しさを生まずに余計に美琴の心を軽くしてくれた。
束縛されることに脅えを表した結果だろうか…。

季節が移り変われば悩んでいた進路を決める時期がやってくる。
その話題は美琴と紳平の間でもよく取りだされた。
紳平のマンションの中で夕食を美琴が作り、後片付けを二人で行う。
祖父母と過ごしていた時期があったこともあって、美琴は材料を無駄にせず、うまくやりこなす術が身についていた。
特に和食に関しては”家庭の味”を出してくれるために、紳平のお気に入りでもある。
相手の喜ぶ顔が見られれば張りきれるものがあるのだと教えてくれたのも紳平だろう。

恥ずかしがった裸も、いつの間にか慣れていった。
一緒に横になるシーツの上。
放精したあとのだるい体を晒したままでいると、紳平がミネラルウォーターのペットボトルを持ってきてくれる。
少しばかり体を起こして喉を潤してホッと一息ついた。
残ったボトルを受け取っては、そのまま紳平が飲み干していった。

一呼吸の間が空いて、ふといつもと違う空気を感じた。

違和感は確実に紳平にも伝わっている。
凍えるような不安が体中を走っていった。
「美琴…」
向けられた声に過った予感が確かなものだと悟った。
被さってきた体が、愛おしさを表すように幾度も触れあわせるくちづけを降らせてくる。
それだけで、異様さを孕んでいた。

「紳平?」
「アメリカに一緒に行かないか…?」
突然の話に瞠目し、その真意を問う。
「アメリカ…?」
紳平が育った場所がどんな所なのかは既に知る。
親の都合で日本に戻ったことも聞いていた。
日本での生活が苦痛だった、とは聞いたことはないが、帰りたい何かがあったのだろうか。
まだ目的が探れず、すでに大学院への進学を考えていた美琴には素直に頷ける話ではない。
そのことは紳平も知っていることであり、改めて提案されるとは、覚悟のようなものが紳平の中にあるのだろう。
「向こうの会社からオファーがあるんだ。まぁ、知人がいるからなんだけれど。美琴が一緒に行ってくれれば力強い」
はっきりと進路を見出していた態度に、曖昧な美琴の判断を責められているようでもあった。
そこまでの決断力が、今の美琴にはまだなかった。

同時に寄りかかっていたものを失う、喪失感が全身を流れていく。
どれほど紳平に委ねたのだろうか…。
「決めた…の…?」
覗き見上げた先の眼差しは逞しく強い。
「ああ、…でも美琴とは離れたくない…」
咄嗟に声が出なかった。
すでに未来を見据えた紳平についていけるのだろうか…。
それが自分の望んだ道なのだろうか…。
溺れていた時間に終止符が打たれることの危機感が背筋を這い上がる。
「しんぺ…」
まだ考える時間が欲しい。…でも考えてもその答えは変わらないのだろう。
幾度もくちづけられる唇の温かさに悲しさが混じった。愛を感じても一緒にはいられない。
たぶん、その心情を紳平も分かっている。
その上で口にされた、未来像にいてほしい存在は、昔からの呪縛をまだ忘れていなくてついてはこないこと…。
美琴にはやはり、目指すものがあったのだ…。そのことを紳平は悟っていた。

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この当時、携帯電話っていうものがあったかと悩んで、その表記はやめました。
(いや、まぁ、みこっちゃんクラスは手に入れられているはずですけれどねぇ)
折りたたんだメモとか、カンに頼る逢瀬とか、ちょっと懐かしいものを思い浮かべてくれたら嬉しいです。
(年、バレるけどな…)

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コメント

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No title
コメントけいったん | URL | 2012-09-07-Fri 21:42 [編集]
今日は、二話更新なんですね!
ラッキ~♪(*^-')b

紳平が提案した将来に繋がる話し
みこっちゃんには 受け入れられそうもない様ですね。

でも 紳平と離れたくないよね~【寂】v_v。)ノ))...byebye☆



Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-09-07-Fri 22:50 [編集]
けいったん様
こんばんは。
更新したくてしたものじゃないんですよ~.・゜゜・(/□\*)・゜゜・

相変わらずな、やっちまったぜぇ…でした…。
急遽、今、書いてきた。
この週末は、もう…わかりません.....(;__)/|

> 今日は、二話更新なんですね!
> ラッキ~♪(*^-')b
>
> 紳平が提案した将来に繋がる話し
> みこっちゃんには 受け入れられそうもない様ですね。
>
> でも 紳平と離れたくないよね~【寂】v_v。)ノ))...byebye☆

紳平とみこっちゃんはいっぱい考えてそれぞれの道を歩むようです。
愛おしい、愛された時間は、束の間でしたね(←)
だからハピエンじゃないよって言ったんだけどなぁ。
でも幸せな青春時代はおくったよね。ね。ね。
コメントありがとうございました。
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