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BLの丘
原色の誘惑 21
2012-09-01-Sat  CATEGORY: 原色の誘惑
日付が変わって大分経ってから、雄和が由利をバスルームに運んでくれた。
足腰はガクガクでとても一人で身動きできる体力など残っておらず、だけどこのベタベタな体はどうにかしたい。
一度目は怖くて苦しかった挿入行為も、立て続けであれば余裕も生まれた。
脳が吹っ飛ぶような快楽を覚えてしまったことのほうが、この先の恐怖につながったけれど…。

念入りに洗い流されて、由利一人がバスタブのお湯に浸けられる。
自分の家ほど大きなバスタブではなかったけれど、お風呂に入れることは嬉しい。何故こんなにホッとするのか…と思う時でもあった。
目を閉じて大きな吐息をつき、由利の後で体を洗っている雄和の水音を聞いていた。
その後、全く物音がしなくなり、どうしたものかと瞼を上げると、洗い場にしゃがみこみ、バスタブの縁に両腕を組んで覗きこんでいる雄和の姿があった。
視線が合い、クスッと微笑まれる。
「ちょ…っ。なにしてんのっ?」
由利は驚いて慌てて身を起こした。全てを晒した後だとしても、こんなふうに見られているのは喜ばしい出来事ではない。
「なに…って、一緒に入れるほど広くないし。気持ち良さそうだなって見てただけ」
「あ…、僕、もういいよ。雄和、入って…」
「俺はいいよ。由利、ゆっくり休んで。無理させちゃったし」
濡れた髪を梳かれ、また背を倒していいと促される。
「でも…」
無理…かどうかはともかく、雄和だけが愉しんだとは言えない状況でもある。
一人だけ寛いでいるのも悪い気がして、由利は「いい、出る…」と雄和に両手を差し出した。
その態度にまたクスっと笑った雄和は素直にその腕を掬う。
「じゃあ、ベッドでゆっくりしよう」
「も、もう、なにもしないよ…」
半ば焦りながら呟いた由良に、雄和は笑みを止めることはない。
「あのなぁ…。体力の限界っていうのは俺にだってあるの」
しかし、こうも軽々と由利を抱きあげて連れ出してしまう力を感じれば、どこまで本心で言っているのか疑問が浮かぶ。

バスタオルで軽く水滴をふき取られただけで、また横抱きにされてベッドへと連れて行かれる。
ドロドロだったシーツは取りかえられ、サラリとした心地良さに迎えられて、ここでもホッと息が漏れた。
雄和の入るスペースを作るべく、背を向けて寝返りを打つと、背後に密着してきた。
「ちょっ、ちょっと、雄和、…近い…」
「なんで。いいじゃない、抱き合って眠るくらい」
平然と言い放ってくれながら片腕は枕の役目を果たし、もう片腕は腹の前へと回ってくる。
密着することに、雄和が本当に何もなく眠ってくれるのか…、それより由利の身のほうがまた熱くなってしまいそうで焦る。
すぐそばにある雄和の吐息一つですら、先程までの行為を思い返させてしまう。
由利はなるべく気にしないように、…これが由良なのだと思おうと努力した。
瞼をぎゅっと閉じて呼吸を整える。
暗闇になれば、疲れと体温の安堵で気が緩んでくるのもすぐ。
心配は杞憂に終わり、あっという間に眠りに落ちた。
背後でフッと息を吐いた雄和の姿を、由利が知ることはなかった。

昼過ぎ、ようやく目覚めた。
もぞもぞと動くと、すぐそばにあった肌に当たる。
「由良…?」
体に巻きついている腕が不思議で咄嗟に漏れた言葉に、激しい溜め息が聞こえた。
「…似ててもその違い、すぐ分かる…。『ゆら』じゃなくて『ゆうわ』」
少し苛立った声音に一気に覚醒した。
そう…、昨夜は雄和の家に泊まったのだ。
寝ぼけ眼、はっきりと口にしたわけではないのに、感づかれてしまうのだろう。
言い間違えたことに後ろめたさが生まれたが、雄和は分かったように包んでくれただけだった。
「良く眠ってた。安心してくれているっていうのは、本荘さんと同レベルに上がれているってことかな。由利の刷り込みは理解できるけれど…。…回数重ねても間違われたら落ち込みます」
語尾はからかいを含んでいる。
背後にいながら微笑んでいる雄和の表情が見える気がする。
抱きしめられた腕の中で体を回転させ、正面から雄和と向きあった。
「ごめん…」
とりあえず謝罪の言葉を述べてから、申し訳なさと朝(?)の挨拶を意味したくちづけをすると、キョトンと雄和の動きが止まった。
その仕草があまりにも慣れていたために、普段の由利とはギャップがあり過ぎて、雄和のほうが動揺したのだ。

「由利…?」
「ん?」
何を不思議に思われるのか、首を傾げた由利に、今度こそ雄和から盛大な溜め息が零れた。
「だから、無意識に煽ることはやめてくれ…って…」
昨夜の展開を振り返っても、自然とやっていることは、由利と雄和では温度差があるようなのだと気付かされた。
同時に雄和は由利と由良が、見せつけるためだけではなく、やはり自然と見えないところでこういった行為をしているのだと改めて認識させられることになる。
その壁を取り払うのは、かなり手強いだろう…。
「あ、煽ってないもん…」
尻すぼみになる由利の言葉に、雄和がとりあえず狼にはなりませんという態度で「体は大丈夫?」と気遣った。
何やらまだ鈍痛は残るが、昨夜ほどだるくはない。
「うん…」
頷いた由利に、「何か食べるか」と声がかけられる。
「夕方までに帰さないと、本荘さんに乗りこまれそうだからな…」
冗談だとは分かるけれど、由利と由良の結びつきを再確認されるようで、少し居た堪れなくなった。
「べつに、そんな…」
「俺だって誘拐犯扱いされたくないんで」
またクスクスと笑みがこぼれる。
だけどその影には、たった一日でも離れた双子の淋しさを汲み取るものがあった。
急に離れていけるわけではない。
慌てなくていい。ゆっくりと、徐々に…。
なにもかもを受け入れるから…という雄和の温かさを感じて、また由利は頷く。

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もう結果は分かったようなアンケ。9/5日でおとします。
とりあえず、みこっちゃんは書くからね~。
続き(他の人)があるかどうかは疑問ってことで。
ただし、いつ始まるかは謎…。
(誰だよ…スピンオフとか話ふったやつ…。苦情はそちらへ ( ゚Д゚)<呪呪呪呪呪) 嘘です。

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コメント

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またやっちゃった
コメントちー | URL | 2012-09-01-Sat 02:43 [編集]
いい加減学習したい・・・コメント消す事。バカ。

双子の常識は、違う人から見たら違うんだよ~。ユーリ。あ、まあ、親愛のチューだってわかってるみたいだからね、雄和。
可愛いから許す?でも、ジェラシー感じるよね。

由良はちゃんとお家に帰ったのかな?
こっちも王子様がいるから大丈夫なんだろうけど。
まさか、双子のシンクロがここにもって事はないんだろうけどね。

スピンオフ・・・誰、そんな事言った人~。
スピンオフって、何?美味しい?

逃げようっと。
Re: またやっちゃった
コメントたつみきえ | URL | 2012-09-01-Sat 07:52 [編集]
ちー様
おはようございます。

> いい加減学習したい・・・コメント消す事。バカ。

私みたい(笑)
間違って記事をupすること…。

> 双子の常識は、違う人から見たら違うんだよ~。ユーリ。あ、まあ、親愛のチューだってわかってるみたいだからね、雄和。
> 可愛いから許す?でも、ジェラシー感じるよね。

雄和はよーく分かっていると思います。
さすがですよね~。
ええ、もちろん嫉妬はたっぷり感じているでしょうが。
由利と由良は一心同体みたいなところがあるから、半分は"諦め"でしょう。
双子の常識…。
会社の人は呆れかえっていますけれど、今まで見られなかったことが見られるようになったんだから良しとしなきゃね。

> 由良はちゃんとお家に帰ったのかな?
> こっちも王子様がいるから大丈夫なんだろうけど。
> まさか、双子のシンクロがここにもって事はないんだろうけどね。
>
> スピンオフ・・・誰、そんな事言った人~。
> スピンオフって、何?美味しい?
>
> 逃げようっと。

由良も痴漢に?!
こっちはボディガードが3人いますからね。
たぶん大丈夫でしょう。
つかね、由良にあんなことしたら、ボコボコにされていますよ、きっと。

ε=┏( ̄▽ ̄)┛
あ、逃げられた…。
コメントありがとうございました。
No title
コメントけいったん | URL | 2012-09-01-Sat 11:21 [編集]
ほんと このまま 雄和が由利を帰さないと、由良+SP達が乗り込んで来そう~(笑)
で、
由利姫は、泣く泣く雄和王から引き離され お城の高い塔に閉じ込められちゃうの...
な~んてね:*:・'゜ (〃ゝ∇・)ゞえヘッ♪


「ス」だの、「ピン」だの、「オフ」だのと言えば
きえ様に 呪いをかけられちゃうのか~~~!(笑)
(ノ`0´)ノ~∮呪 m(xдx)m 呪∮~ヘ(`0´ヘ)...byebye☆
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-09-01-Sat 12:44 [編集]
けいったん様
こんにちは~。

> ほんと このまま 雄和が由利を帰さないと、由良+SP達が乗り込んで来そう~(笑)
> で、
> 由利姫は、泣く泣く雄和王から引き離され お城の高い塔に閉じ込められちゃうの...
> な~んてね:*:・'゜ (〃ゝ∇・)ゞえヘッ♪

籠城ですか。
まちがいなく踏みこんでくることでしょうね。
泣く泣く…はないと思いますのでご安心を。
(喜んで由良のもとへダイビング~ 雄和はポツーンて感じですが…)

> 「ス」だの、「ピン」だの、「オフ」だのと言えば
> きえ様に 呪いをかけられちゃうのか~~~!(笑)
> (ノ`0´)ノ~∮呪 m(xдx)m 呪∮~ヘ(`0´ヘ)...byebye☆

読者様に刺激されなければ動かないこの頭もどうなのかと…。
皆様に言われて、あれもありかぁ、これもいけるかぁと妄想している私なのです。
呪いっていうより、呪文だね。
新しいプロットが舞い降りてきますように~。
コメントありがとうございました。

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