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BLの丘
原色の誘惑 15
2012-08-26-Sun  CATEGORY: 原色の誘惑
由利と雄和が外で会っていたとはいっても一線を越えるには至っていない。
由利の中には由良に対する後ろめたさがあったし、雄和も由良の機嫌を損ねたくない感情があった。
ちょっとずつ近寄りながらも、今一歩のところで避けられてきた関係が、「大丈夫」と口にした由利の台詞にこの先が含まれてくる。
一晩を一緒に…。
別に由良の存在に脅えていたわけではない雄和だったが、依存度が確実に高い相手を敵には回せなかった。
由利自身が判断したことでようやくもぎとった…ともいえる夜の空間…かもしれない。
由利を傷つけたら、この先、決して近寄らせてなどもらえないだろう。
由利が由良を思うのと同じように、たぶんそれ以上に由良は由利を大事にしていることを、雄和は自然と感じ取れていた。

この日、仕事上がりのあと、外で一緒に食事をとった。
明日はお互いに休みで、特に用事などないと確認し合っている。
お洒落なイタリアンレストランで、今度こそ飲み過ぎないようにと、由利はワイングラスを傾ける手を緩めていた。
その後、雄和の自室に誘い込まれて、由利は少し戸惑った。
由利と由良が住む場所ほど広くないからだろうか。
1DKの部屋には、奥にベッドなのにソファ代わりとなるものが鎮座している。
手前のラグに座って雄和がいつも時を過ごすのだとは、いくつか転がっているクッションからなんとなく感じられるものがあった。
一人で使うには充分だと思われるテーブルがあって、その先にテレビやパソコン、オーディオといった機械類が並んでいる。
由利では何に利用されるのか分からないコードやこまごまとした道具も所狭しと散らかって(?)いて、雄和らしい、と思わせてくれる空間だった。
想像は働いても、実際使われる世の機械類には、全く疎い由利である。
仕事の差…なのか…。
由良と過ごす日常よりも狭いのに、そばにいられる思いが溢れて、嬉しくもなった。
由良とはどこにいても一緒にいる感覚があったが、雄和は離れるだけで不安を呼びこんでくる。
“そばにいる”という意識が全く異なっていた。
人が違うのだから当然のことなのかもしれないけれど…。
不思議と一つになれずにいた。

「由利、座っていて。紅茶でいいかな?」
飲み物を用意してくれようとする姿に、「うん…」と頷きながら、でも一人だけ座りこんでいるのも悪い気がして、由利もキッチンに立つ雄和の隣に並んだ。
由良とはいつもこうやって並んで立つのに、なんだか新鮮な感じがして胸の奥がくすぐったくなる。
同じことを一緒にする…。それだけなのに…。
五歳の歳の差にうろたえてもいいはずなのに、仕事からの繋がりがどこか奔放にさせてくれるのだろうか。
それとも最初の”痴漢男”に対する印象があるのか…。
由利はかしこまったような言葉使いをすることはなかった。
それはささやかでも二人を近付けてくれる感覚がある。
もちろんそのことを雄和は嫌がっていない。微笑んで受け止めてくれる。

「アールグレイなんてあるんだ…」
ティーパックではなく、きちんとした茶葉があったことに由利は驚かされた。
茶葉の入った小さな瓶を手にしながら、電気ケトルに水を入れて湯を沸かす雄和を見上げた。
ふわっと笑みを浮かべた雄和は、「由利が紅茶が好きって言ったから、少しだけお勉強しました」と誤魔化してくる。
少しでも由利の好みに近づこうとしてくれる姿勢には、ますます惹かれていくものがある。
曖昧にしない態度はまっすぐに向かってきてくれることを表していて、由利の不安を払拭してくれるものにもなった。
自分のそばにいてくれるのだと…。

「雄和さんは…?」
「コーヒーにする。濃いやつ。少し頭、スッキリさせないと、何、しでかすかわからないから」
それは痴漢行為の続きか…。
言いながらも、横に並んだ由利の腰をつかまえていた。
密着した体はスッと影を作り、覆いかぶさるようにくちづけが降ってきた。
最初は優しく触れる程度で…。やがて舌が差し込まれて、逃げられないようにと顎を手のひらが覆った。
キスは由良と何度もしたのに、それとは全く違う雄の匂いがする。
返す舌は絡め取られ、上顎をくすぐられ、いつの間にか激しい動きに、グンと腰にきた由利は、立っているのが辛くなって膝を落としそうになった。
両手で必死に雄和の腕を掴んで縋りついた。
その瞬間を雄和は見抜いてしっかりと抱きとめてくれた。
同じ時間に、湯が湧いた音を立てる。

「紅茶を飲むより、由利のを飲む方が先かも…」
首を傾げる間もなく、またくちづけが降ってくる。
片腕はしっかりと腰を支えてくれているけれど、もう片方の手は項から首筋をたどり、シャツのボタンを外して胸の蕾を撫でた。
「は…っふ…っ」
唇の隙間から声を漏らす。
いつ崩れ落ちてもおかしくない体は、支えを求めるように両腕が雄和の首に伸びた。
より密着する体は、沸騰したお湯よりもずっと熱いかもしれない。
「由利…」
「あ…、雄和…」
堪えることを知らない由利の体は、本能のまま動こうとした。
その積極さにおどろかされたのは雄和のほうだったか…。
「由利…?」
一声で、浅ましい姿を見せたと、後悔が襲う。
慌てて体を離そうとしたが、すでに囲われた体は自由にはならなかった。
羞恥で、それだけで体中が沸点に達していく。
「や…っ」
捩った体がよりつかまえられて雄和の熱を浴びた。
「由利、可愛い…」
耳元で囁かれた声がジンと鼓膜から背筋を辿って下半身に響く。
生まれたまま、本能のまま、そのままの姿を向けてくれる誘惑に、雄和は何の文句もなく喜んだ。

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コメント

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No title
コメントけいったん | URL | 2012-08-26-Sun 13:51 [編集]
紅茶好きの由利の為に お勉強するなんて 案外 可愛い所があるじゃないの、雄和♪

(内心は、どうであれ‥(笑))ギラギラのガツガツな男じゃない雄和だから 由利のペースを守りながらも 関係を深めていけるのだろうなぁ~

でも今日は、思い切ってジャンプしちゃうのね♪
☆⌒v⌒v⌒ヾ((*・∀・)ノ ヒャッホーィ♪...byebye☆ 
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-26-Sun 15:58 [編集]
けいったん様
こんにちは。
今日は記事upが遅れてしまいすみませんでした。

> 紅茶好きの由利の為に お勉強するなんて 案外 可愛い所があるじゃないの、雄和♪
>
> (内心は、どうであれ‥(笑))ギラギラのガツガツな男じゃない雄和だから 由利のペースを守りながらも 関係を深めていけるのだろうなぁ~

雄和は、これ以上嫌なイメージを植え付けたくないんでしょうね。
なんてったって最初が悪すぎた(いたずらが過ぎた)ところがあるので。
だから、"行為"にも奥手になっていたりします。
全ては由利のため。
失くしたはずの信頼をもぎ取るため。
その真摯な姿に、由利は騙されて(違うっ)引きずり込まれていきます。

> でも今日は、思い切ってジャンプしちゃうのね♪
> ☆⌒v⌒v⌒ヾ((*・∀・)ノ ヒャッホーィ♪...byebye☆ 

ハイ、由利も認めたしね。
影ながら、由良の許可もおりたしね。(←どんな兄弟だ…)
飛びこんで(押しこんで)いきますよ~♪
(でも疑問が…。今月いっぱいで終わらないだろう…)
コメントありがとうございました。
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