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BLの丘
2012年 今年の夏の旅行に行った先なのだ♪
2012-08-02-Thu  CATEGORY: 『想』―sou―
川沿いの道をたどれば滝壺に行きつく。
マイナスイオンたっぷりの環境には、お子様を始め、保護者も大満足のようで添乗員もホッと胸を撫で下ろした。
気温は随分と低く感じるけれど、水遊びをしたい気持ちがわかる温度でもある。
少し水の深いエリアがあって、潜り込むことも可能だ。
お子様は上下つながった水着を用意されており、いそいそと着替えた。
ちょっとした、競泳用である。
千城「陽に焼けたら大変だからな」
安住「怪我の防止のためにもね」
佐貫「浮輪も持っていくか?」
肌を守る…。意識は確かに正しい。
ここは、いわゆる、『流れるプール』の原型のようなものだった。
神戸が期待したビキニパンツは全く見当たらず、水遊びをする体勢を整えた隣で、龍太と久志が、早速というように潜り込む準備を始めていた。
ハーフパンツの水着に着替えた龍太と久志が滝壺に飛び込んでいく。

久志「つめてーっ」
龍太「きもちいーっっっっ」
南国の強い日差しに照らされた肌が、ジンと水に浸っていく。
どこまで潜るのか…。ぶくぶくと潜っていった二人はしばらく水面に浮かんでこなかった。
水中散歩ができるのも、彼らならではだろう…。
ぱしゃぱしゃと後を追いかける子供に、溺れないかと不安が募るのが保護者というもの。
とはいえ、危険は分かるのだろう。子供たちは、川岸の脚がつくと分かる場所から離れない。
相変わらず、川べりに住む小さな生き物を追い掛け、また川魚とも触れあい、時を過ごしていた。
この南国の世界では、濡れることが当たり前で、それなりに保護者も着替えなどの準備は済ませている。
そのひとつが、この、水着なのだろう…。

それぞれが満足いくように過ごせた一時。

雅臣が今後の行程を気遣った。
雅臣「みなさまぁ~ぁ。今夜の夕食は、コテージに運びましょうか?それともキャンプファイヤーを兼ねたバーベキューがいいですか~?」

あくまでも確認を取りたかっただけなのだが…。
帰ってくる答えなど分かり切ったようなもの。
全員一致で「「バーベキュー♪♪」」となった。
ここまでくれば、不貞腐れそうな瑛佑も黙ってしまう。
これこそ、団体様だからできる、ダイナミックなものなのだと…。
島国で行われる、異文化的なものは、充分楽しめる要素を蓄えていた。

…そう、いい。この一晩を過ごせば、後は何をしていても分からない環境に放り投げられるのだから。
また、こいつらと過ごす、意外性の高さも、瑛佑は評価している。
ちょっとは文句を言ってしまったけれど、楽しんでいるのは自分も一緒なのだ。
分かるから美琴も誘ってくれるほうへと流してくれるのだろうか…。

唯一ある市場も、貸し切りでは他の客も来ない。
龍太と日野が率先して、珍しい食材を漁っている。
どんな料理に使えるのかと、現地の料理人まで呼んで、テント下の屋台を占領していた。
広場の真ん中に即席で作られたキャンプファイヤーは、地元の人も混じって、賑やかな祭りのようになった。
並べられた鉄板で二人の調理人(?)が動く。
良い香りが漂えば、そちらに体が向いていく。
カンだけで作り上げていく料理には、現地の人も驚いたくらいだった。
技術力の高さ、味付けの微妙さ…。全てがいい加減にしかみえないのに(←失礼)完璧なものが仕上がっていく。

果物の葉で包んだ白身魚の蒸し煮や、魚介の網焼き、肉類はハーブ類を多く使って香り高いものが焼き上がっていたり…。
ホテルの部屋では食せないものだとは、この熱さで感じられる。

瑛佑は悔しさもあったけれど、この美味しさだけは、このメンバーがあってこそだからとしみじみ感じている。
美琴さんと一緒に出掛ける旅行ももちろんいいんだけれどさ…。
美琴さんの繊細な料理ももちろんいいんだけれど。
非日常的な、普段では味わえないものがここにあってしまうのだから、逃げ出せない要素になるのだ。

意外性の高さは、この添乗員にもあるのだろうか…。
手持ちの皿を抱えながらチラリと見た添乗員が、誰よりもはしゃいでいるように見えるのは気のせいだろうか…。
鉄板に向かって調理する恋人(添乗員)のそばで、手助けをしているのか邪魔をしているのか、新しい地酒を空けながらからみついていた。

…えーと、なに…?みんながそれぞれ、楽しんでいるってこと?
仕事を忘れた添乗員を責める気にもなれない、自然な、愛らしいものがある。
みみっちい感情を抱いたことを少しばかり後悔したけれど、人前で絡まれることを嫌がる美琴さんのことを思えば…同じように弾けてほしいと願うのか。
彼の素の姿を知りたい。

「美琴さーんっ」
「ぐぇっ…。お離れくださいっ」
背後から抱きついた手は速攻で叩き落とされた。
でもみんながイチャイチャ(瑛佑にはそう見える)していれば、自分たちだって…っと対抗意識が湧く。
たぶん、美琴も分かっているのだろう。
だからこその、照れ隠し。

あっちは肩を寄せ合い、あっちは「あーん」と箸を交わし合い、こっちは「おいしい?」と囁き合っている。
一緒にいるくせに、独自の世界をさり気なく作りだしてしまうこいつら…。
世間の一般常識なんて、こんな場所では関係なくなるんだよ…と、知りもしない癖に知ったふうな態度に出た。

料理は美味しい。
みんなで盛り上がる雰囲気も良い。
日常でありながら、非日常の世界でもある。
だけど、火が消えたら、新しい火が灯されるリゾート地。
胃袋の満腹はあっても、体の満腹はいつだろう…。

そっと寄り添い、「先に退散」…と促す瑛佑に、美琴も頬を染めながら頷いた。
所詮、こいつらのことは、添乗員に任せておけばいいのだ。
この先に待ち受けるイベントなど…高が知れると言った感じで、興味も湧かなかった。

分かったような社長は無言のままだ。
知らずに消えた二人のことも、それとなく誤魔化してくれるのが伺える。
それどころか、皆の気をそらしてくれること…。
投げキッスの一つの間も取らせず、美琴に促されるまま、ふたりの空間、コテージへと向かうボートに乗った。
たぶん…、余程のことがない限り、もうこの島で彼らに会うことはない。

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コメント

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龍太と雅臣に言いたい
コメントmiki | URL | 2012-08-02-Thu 03:35 [編集]
その仕事よこせーー(`´)
なんだよいい所に連れてきてもらって、その上遊べるってどんな仕事なんだよ。という訳で、よこせその仕事!羨ましすぎるわ!(ーー゛) 
以上、貧乏人の僻みを叫んでみました(笑)
あー、誰か私を旅行に連れて行って下さい。旅費込みで(誰がいくか)
そうだった
コメントちー | URL | 2012-08-02-Thu 04:49 [編集]
おはようございます。
良いなあ、良いなあ、良いなあ。楽しそうだな。

川遊びにバーベキュー。美味しそうなお料理は、イケメン達が作るし。可愛いお子様に添乗員さんはいるし。素敵な保護者達もいるし。
私も行く!これぞイケメンパラダイスだもん。
あっち見てもこっち見ても楽しい♪

隊長~。出張しますっ。これこそシークレット部隊の任務ですってばー。行かなきゃ!隊長~。

でも、この旅行って。みこっちゃんカプのアマアマなデレデレな旅行の筈だったんですよね?
瑛佑さん、お腹も満たされたらやっぱり・・・
今宵は思う存分みこっちゃんと仲良くね。
(見張るのは成くんとこかぁ、添乗員チームが良いから平気よ←おい)
Re: 龍太と雅臣に言いたい
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-02-Thu 07:08 [編集]
miki様
おはようございます。

> その仕事よこせーー(`´)
> なんだよいい所に連れてきてもらって、その上遊べるってどんな仕事なんだよ。という訳で、よこせその仕事!羨ましすぎるわ!(ーー゛) 
> 以上、貧乏人の僻みを叫んでみました(笑)
> あー、誰か私を旅行に連れて行って下さい。旅費込みで(誰がいくか)

いー仕事ですね~。
これ、仕事って言えるんですかね。
どう見たって一緒に遊んでいますよね。
趣味がそのまま仕事になっているっていうのもねぇ。
私もどこかに行きたい~。
願望がこいつらに表れております…。
コメントありがとうございました。
Re: そうだった
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-02-Thu 07:17 [編集]
ちー様
おはようございます。

> おはようございます。
> 良いなあ、良いなあ、良いなあ。楽しそうだな。
>
> 川遊びにバーベキュー。美味しそうなお料理は、イケメン達が作るし。可愛いお子様に添乗員さんはいるし。素敵な保護者達もいるし。
> 私も行く!これぞイケメンパラダイスだもん。
> あっち見てもこっち見ても楽しい♪

思いっきり遊んでおります。
ここぞとばかりに、これ以上ないくらいはしゃいでおります。
誘導してくれる人がいるから、余計ね。
南国イケメンパラダイス(爆)

> 隊長~。出張しますっ。これこそシークレット部隊の任務ですってばー。行かなきゃ!隊長~。
>
> でも、この旅行って。みこっちゃんカプのアマアマなデレデレな旅行の筈だったんですよね?
> 瑛佑さん、お腹も満たされたらやっぱり・・・
> 今宵は思う存分みこっちゃんと仲良くね。
> (見張るのは成くんとこかぁ、添乗員チームが良いから平気よ←おい)

そうそう、みこっちゃんと瑛佑のラブラブ旅行のはずだったのに、意外なところで出会っちゃって捕まったんですよ~。
と、いいつつ、瑛佑も楽しんでいるようなのでいいんじゃないでしょうか。
楽しいパーティー(?)が終われば二人の時間ですよ。
ちー隊員、覗きですか?(←)
頑張ってね。
コメントありがとうございました。
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