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BLの丘
淋しい夜に泣く声 18
2009-09-18-Fri  CATEGORY: 淋しい夜
R18(?)一応くっつけます。閲覧ご注意で…。

深く口づけられ、溜め息の一つも零すことができなかった。
口腔内を蹂躙されるのはどんな愛撫よりも勝ると思う。
きっちりと整えられた蝶ネクタイを外され、硬く結ばれた胸元を解き、冷たく感じる指先が肌へと触れてきた。
たったそれだけで欲望は肌を煽り、抗いようのない世界へと誘い込んでいく。
「ち、しろ…さん…」
ようやく発することができた言葉も、榛名の唇の中に飲み込まれた。

負けそうだった…。想いは元樹へと向いていたはずなのに、目の前の男が自分に与えてくれるものは大きすぎる。
身体、欲望…。夢や希望、将来…。蔑まれない未来、と何もかもこの男は英人の望むものを見せた。
だが、一番欲しいと思う『心』だけは闇の中に葬られる。
卑しい自分には手に入るものではないのだと気付いていた。
身体だけが全てだ…。
高級な男のもとでは、今着ている服のように、榛名を飾る一種の『道具』にしかならない。
望むのはそんな生活じゃない…。
そして、言われた。『身体ごと買いとる』と。
元樹のように『大事にする』などという言葉は一切聞かされていない。

「んっ…ふ…っ…」
自分は意地汚い…。
榛名から与えられる熱に浮かされてはいたが、心の奥底に潜む小さな想いもどうすることもできなかった。
離れた唇の先で大きく息を吸い込む。榛名の唇が耳元に寄りクチュとした水音を立てた。
官能的な仕草は英人をひたすら煽り、自ら望む態勢へと導いた。
「あっ…や…っ」
「欲しいのか?」
意地悪な聞き方だった。英人の身体は充分なほど榛名を求めているのを触れた指先で感じているはずだ。
榛名の胸に押し付けた額が、プルプルと震えながら頷けば、榛名は満足したように英人をきつく抱きしめた。

「従順でいることを覚えろ。おまえには何でも与えてやる」

自分、というものを失う瞬間だった…。


「…ふ…ぁ…ぁぁ…」
抱いて欲しいと求めたのは確かに自分だった。身体の奥から沸き上がる熱をどうにかしてほしかった。
何よりも望んだのは初めて自分を抱いた男の手だったが、目の前にそれはない。
そして今の男は、優しさと強引さで英人を捩じ伏せていた。快楽と引き換えに英人が一番望むものを捨てろと言われた瞬間でもあった。

ベッドの上で裸体を晒し、咥えられた股間は張り詰め、いつでも絶頂を迎えそうなほどだった。同時に攻められる後孔が綻びて、もっと大きなものを…とかき回す指意外のものを欲しがった。
厭らしく蜜を零し、快感の波間を漂う。
「…あっぅ…も……」
溢れ来る快感の渦の中を彷徨い、ひたすら目の前の男に縋った。
いつだって相手をした男は、元樹の代わりであり、熱を沈めてもらうためだけの存在にしかならない。
それがたぶん榛名には気付かれていたのだろう。
社会的地位を確立し、洞察力に長けていた榛名に英人の想いなど透かして見えるようなものだった。
「忘れろ。おまえが惚れるのはあの男じゃない。俺だ」

張り詰めた自身の根元を指先できつく結えられ、放出を許されなかった。
あの苦しみは二度と味わいたくない…。
英人は頷くこと以外の選択を与えられていなかった。
薄らと涙を浮かべながらコクリと顎を動かすと僅かに笑った榛名の顔が見えた。

「俺の名前を呼べ。最高の夜にしてやる」

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