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BLの丘
『想』―sou― 宵よ 1
2011-12-23-Fri  CATEGORY: 『想』―sou―
久志&日野。
私の勝手な妄想です。お互い、からかっているのではなくもう一歩踏み込んだ場面になります。
どうにも我慢ならず書いてしまった…ってことで…。
地雷の方もいると思いますので、受け付けない方はこれ以上踏みこまないでください。


もう一回言います。
久志と日野です。


本編とは繋がらない、独自の世界だと思ってください。

ご理解いただけた方だけ進んでくださいね。
苦情などはお断りいたします。


眠りにつけなかった…わけではない。なんとなく最後の夜だと思い、名残惜しい気分でもあるのか…。
うとうととしてからふと目覚めた。
隣ではスヤスヤと眠る愛しい人がいる。
スィートルームの部屋はベッドルームとリビングが分かれているために、隣に移動してしまえば激しい物音を立てない限り響くことはないだろう。
その他にバーカウンターも備えられていたが、ここで一人チビチビする気にはなれなかった。
「ど、すっかな~。…最後の夜、バーにでも行ってみるか…」
初めての場所でも滞在すれば慣れることもある。周りがあまりにもスマートにこなしてしまうために見逃しそうだったが、どうすればいいのかくらいは学べた。
ずっと人に囲まれていたが、見知らぬ地で一人になってみるのも冒険的で憧れた。
いつぞや見た映画スターを思い出す。…まぁ、あんなふうに過ごせはしないだろうが…。
熟睡する姿を眺めて安心してルームキーを手にした。

大きなホテルだ。レストランもバーも数多くある。
部屋から一番近いバーへと足を踏み入れようと思ったのは長く歩きたくない横着からだった。ホテル内とはいっても、移動距離は長くある。
部屋を出れば、まだ活気づいている夜が感じられる。さすがにカジノに行く気にはなれなかった…というより、予算がなかったというべきか。
気軽な格好で来てしまったが、バーの入り口でルームカードを見せると、上客と分かったのか通してくれる。
『さすが、スゲェ、シャチョー』と内心で感心しつつ…。
案内されそうになった奥のボックス席(完全にVIP扱いだ…)に向かおうとして、カウンターに座る一人の後姿に視線が向いた。
「日野?」
静かな空間に響く声は小さくても届く。しかも他の人間には通じないであろう日本語。
クイッと振り返った顔は見慣れたソレで…。緊張が安堵に変わった瞬間でもあった。
一人で過ごそうなんて思っていたけれど、誰かを求めていたのは隠せない。
案内しようとした店員を断って、カウンターの席に近づいた。
「ヒサシ?おまえ、なにしてんの?」
「それ、こっちの台詞。こんな時間にどうしたわけ?」
視線だけで一人なのかと問いかけ、隣に座ってもいいかと尋ねる。

日野はこんな場所でも躊躇わない久志の仕草に感心したくらいだ。かなり場馴れした人間だと、色々な人間を見てきた側から知ることができた。
話には聞いていたが、彼の手管がいかなるものなのか、今の一瞬で見えた気がした。
言葉にしない、仕草だけで相手の意向を伺う。僅かでも拒絶の態度が見えればそれ以上近づきもしないのだろう。
来るもの拒まず、去る者追わず…。過去の自分と一緒だ…。その距離感を分かち合えるところが良い。
眠れぬ夜に降り注がれる雰囲気に強引さはなく、さりげない優しさが伺える。こんな時だから…こんな場所だから余計に見えてしまうのだろうか。
自分も遊んだ口だが、男相手に心をくすぐるような態度、ここまでの気遣いはできない。
そこは熟練されたもの…と言ったら失礼にあたるのか…。
あぁ…。女に対してなら、多少の気遣いは見せたか…。振り返りながら、否と首を振った。
欲求不満を解消するだけの過去に、気遣いなんて微塵もなかったと過る。
単なる通り過ぎた相手であっても、扱いは全く違ったのだと今更ながらに知らされる指先の動きが知らしめてくる。
近づいた久志に日野は静かな頷きを見せた。

静かに漂う時。さりげなく触れてくる指先。
相手の心を掴むことを熟知した手練に溜め息しかこぼれない。
俯いては「顔が見えない」とかきあげられる髪や、時々囁くように耳元に寄せてくる唇。
たいしたことを告げるわけではないのに、その一仕草が男に興味のないものですら惹かせる魅力を持っている。
神戸という特定な相手しか無理だと思っても、久志の仕掛け方は絶妙だと舌を巻いた。
遊んだレベルが全く違っている。女しか相手にしなかった日野と、どちらも食い尽した猛獣の違いだった。
「ヒサシ…。こんなことしてていいわけ…?」
一瞬でもゾクリときた体の反応を咎めることで誤魔化したかった。
受け入れる…という意味を覚えたから、余計に感じてしまいたい衝動も日野の中にはあった。
昔の自分なら絶対に拒絶したであろうこと。
教えたのは長流だ…。
なにより久志には、縋ってもいいと思える逞しさがある。
長流に対しては年上を気遣う者。安堵しないわけではないが、親友として許せるものとはまた違った。
久志にはどんな火遊びをしたところで黙り誤魔化し、一過性のものと流してくれる精神がある。
自分の過去があるからだろうか…。
…いや、むしろ、久志の方がそうであってほしいと願っている。後腐れない関係を求めた時、ある意味、一番近い存在がいいのかもしれない。
何もかもが見えているから…。


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