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BLの丘
ただそこにいて 35
2011-09-28-Wed  CATEGORY: ただそこにいて
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


何もかもを見られている伊佐だ。体を開くことに抵抗したい気持ちも半減した。
何を見せても受け止めてくれる安心がある。
確かに、意識がある中で性器を見られる…ようなことはなかったけれど…。診察はあくまでも後孔だけだった。
求めたのは一緒に寝てくれる存在なのか、人として欲しいと願うものだったのか…。
スルリと着ていた衣類を剥がされた。
布団の中で陰になって直接見えない下半身でさえ、剥き出しの格好にされる。恥ずかしいはずなのに意識させないのは…、これまでの過去があるから…?
緊張感を持たせることなく、自然と剥いてしまう技術は、慣れ…というべきなのだろうか。
もちろん、こんな大人に出会ったことなどない。自分だって相手の動きがなかったらこんなにスムーズに一糸まとわぬ姿にされることはないと思う。
吉賀の時でさえ大きな戸惑いを覚えたというのに。
でもいいと思えた。伊佐だったら何だって許せた。
代わりに与えてくれるものを知っていたから…。

肌の上を撫でてくる唇。薄い胸の上にある小さな蕾やへこんだ腹の中心を丁寧に宥められる。
舐められ吸い付かれ、弄られて、官能という嵐の中に放り込まれた。
「あ…っ、あぁぁ…、…っ」
自然と漏れていく吐息と喘ぎは自分のものではない気がした。だけど感じるままに全てを晒せばいいと許された心が戸惑うことなく捌け口から零れていく。
人に触れられることが怖かったはずなのに、人が違えばこれほどまでに安心して全てを委ねられるものなのだろうか。
これが吉賀だったら…。
目を瞑った先に浮かんだ、この先の行為。
痛みを思い出したくないと、俊輔の体が今の時を思う。
そのことで伊佐を拒絶したくなかった。
強張る体をほぐすように、優しくて温かい手がゆっくりとじんわりと俊輔の肌を擦ってくれた。
『この腕は安全なのだ』…と…、まるで植え付けるかのように…。

蜜を滴らせて開放の時を待つ性器は、伊佐の掌に包まれて先端を口に含まれた。
「はぁ…っ、あっぁ…ぁぁ…」
どの体の一部にしろ、肉の中に含まれる、という行為はこれまで知らないことだった。
生温かな、そして湿った口腔内に包み込まれてドクリとさらに力をつける。
「あぁ、だめっ、でちゃ…っ」
堪えることなんて俊輔は知らなかった。確実に追い詰められる動きに焦りと気持ち良さの二つが襲いかかってくる。
先に訪れたのは…。

「だめっ、出る…っ~っ!」
緩やかなウェーブを纏う伊佐の髪の間に俊輔の指先が絡まった。
ビクビクッと腰が数度揺れた。
尚も吸い付かれる刺激の強さに、迸る精液が伊佐の口腔を汚していた。
一滴も零さずに伊佐の口腔は吸い付き、コクリと嚥下する喉の動きが見える。
「い…さ…」
呆然とする俊輔の思考は、相変わらずついていけていない。
吐き出せたことの気持ち良さと、相手にしてしまったことの粗相。同時に訪れてくるものに対しての悦びと焦り。
「伊佐…さ…」
掠れた声が空気を震わせた。
「もっと脅えるかと思った…。それとも俺だから大丈夫なのかな?セックスって気持ちいいものだって知ってほしいよ。間違った情報は訂正してあげたいけどね」
…その役は俺じゃない…と伊佐は小さく続けた。

結局伊佐は何だって見透かしていた。
一時的に縋ってしまった弱い俊輔の心も、本当に求めているものがなんであるのかも。
わざと…、わざと”あの時”を再現されて、悪夢が甦らないか試されていたのだ。
そして間違った方向に向かうなと…。

かぼちゃの馬車は、形こそそこにあったけれど、もう無邪気な心を抱えて乗れるものではなかった。
だけど、いつでも乗りに来いと伝えてくる伊佐は、どれだけ酷い魔法使いなのかと思う…。
一度は向き直った現実。
吉賀の元に戻るべきなのだと伝えられたさりげない思い。
離れそうになっていく伊佐の手を、体を…、俊輔は咄嗟に捕まえていた。
「や、だ…、ここに、いて…。ここにいてっ…」
天秤にかけたものを、最後の瞬間に選択した答えは、伊佐に言わせるところの”間違った答え”なのかもしれない。
一度身に受けた優しさや甘えは、俊輔をドロ沼の中におとしていた。
何よりも恐れたもの…。グズグズと崩れた自分。甘やかしてくれる環境を手に入れるためなら、自分はどんな犠牲を払うのだろう。

「俊…」
耳元で囁かれる声が響き渡る。
抱き締めてくれる腕の強さが今までとは違うものを纏っている。
自惚れてもいいだろうか…。大切にしてくれるのだと…。
「…わかった…。俊輔の借金は俺が肩代わりするよ」
全くもって予想しなかった言葉が飛び出して、俊輔は束の間、その意味を何一つ理解できないで、ただ抱き締められていた。

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コメント

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コメント | | 2011-09-28-Wed 08:24 [編集]
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No title
コメントけいったん | URL | 2011-09-28-Wed 11:32 [編集]
今まで 遮二無二ひとりで 全て背負って頑張って来た俊輔
伊佐のような人の存在は、手離したくないでしょうね。

その気持ちは、すっごく分かるけど・・・分かるけどなぁ~...(。-`ω´-)ンー

何かが しっくり来ないと、感じるのは私だけなの~?
(。ω。;)...byebye☆
No title
コメント甲斐 | URL | 2011-09-28-Wed 18:52 [編集]
俊輔くんすっかり依存してますね
伊佐さんやっぱり魔法使いだ

しばしこの穏やかで優しい避難場所で癒してもらうのいいけれど…いいのか?

これは治療でしょうか
「…その役は俺じゃない…」って伊佐さん何を思って…
おまけに借金までって、あしながおじさん?
ん~
コメントさえ | URL | 2011-09-28-Wed 18:58 [編集]
俊くん安らぎが欲しかったのね~
家族のためにって一生懸命頑張ってたものね~。
仕方ないよね~。
でも、吉賀はいいの?
伊佐せんせは借金肩代わりしてつどうするのかな~?
津和野先生に怒られないの?
Re: タイトルなし
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-28-Wed 21:22 [編集]
は様
はじめまして。こんばんは。

> 素敵な展開に思わずコメさせていただきました
>
> 伊佐さんが優しすぎて
> もう伊佐さん相手でいいんじゃないかなと思ってしまったり(笑)
> 俊くんは今まで我慢してた分いっぱい甘やかされて欲しいです
>
> 更新楽しみにしております(= 'ω'=)

素敵な展開♪なんでしょうか…汗
伊佐、いい人なんですよね~。このままでもいいかな~ヽ(゚∀゚)ノ(←私も思っていたりする)
俊輔もいっぱいいろんなことがありましたけれど…。
甘えて可愛がられてウンウン…ってなってほしいですね。(相手がだれかはともかくね…)
頑張って更新したいと思います。
コメントありがとうございました。
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-28-Wed 21:26 [編集]
けいったん様
こんばんは。

> 今まで 遮二無二ひとりで 全て背負って頑張って来た俊輔
> 伊佐のような人の存在は、手離したくないでしょうね。
>
> その気持ちは、すっごく分かるけど・・・分かるけどなぁ~...(。-`ω´-)ンー
>
> 何かが しっくり来ないと、感じるのは私だけなの~?
> (。ω。;)...byebye☆

俊輔にとって伊佐は…。今までにいなかったタイプの人なんでしょうか。
知らないからこそ素を表せてしまえたのか…。
しかも伊佐も俊輔を受け入れてしまった仕草があったし。
しっくりこないですよね~。
どこか抱える何かがある…。
俊輔はわざと目をそらしちゃったんでしょうか。
コメントありがとうございました。
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-28-Wed 21:34 [編集]
甲斐様
こんばんは。

> 俊輔くんすっかり依存してますね
> 伊佐さんやっぱり魔法使いだ
>
> しばしこの穏やかで優しい避難場所で癒してもらうのいいけれど…いいのか?
>
> これは治療でしょうか
> 「…その役は俺じゃない…」って伊佐さん何を思って…
> おまけに借金までって、あしながおじさん?

伊佐ね~。思いっきり魔法使いまくってるみたいです。
この避難場所は、ある意味、危険だったかもしれません。
治療という名の魔法がはびこる世界です。
あしながおじさんも色々考えがあるんだとは思いますけれど…。
だから一度はちゃんとした考え(思い)を俊輔に向けたのに、その俊輔が~~~。
なので魔法使いはあしながおじさんに変身(?)
無理に考えさせることはせず、少しずつ体に覚えさせ…(←え?!)

コメントありがとうございました。

Re: ん~
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-28-Wed 21:40 [編集]
さえ様
こんばんは。こちらにもどうもです。

> 俊くん安らぎが欲しかったのね~
> 家族のためにって一生懸命頑張ってたものね~。
> 仕方ないよね~。
> でも、吉賀はいいの?
> 伊佐せんせは借金肩代わりしてつどうするのかな~?
> 津和野先生に怒られないの?

俊輔の望むものを伊佐は分かっているんですけどね。
どれだけの苦労があったのかも津和野から聞いているんでしょうが。
だからこそ、伊佐なりに可愛がった(甘やかした)んだと思います。
吉賀のことがすっぽりと消えてしまった現在の俊輔であります。
伊佐の爆弾発言はどう変えていくのでしょう。
津和野にもそろそろ登場してもらわないと…(←何気に影の番人)
コメントありがとうございました。

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