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BLの丘
見下ろせる場所 39
2011-08-12-Fri  CATEGORY: 見下ろせる場所
話の流れが掴めない皆野は体勢を直して膝の上に慎弥を抱き上げた。
「岩槻さん、何を考えているの?」
「えーと…ねぇ…」
慎弥は戸惑いがあるように瞳を伏せた。仕事をしない慎弥が考え込むというのがそもそも不自然だ。
そこに慎弥の思惑が含まれているように思えてならない。
考えを巡らせるところ、たぶん、慎弥がここに通っていることが原因だろう。
淋しがる慎弥のために、会社としての立場も利用する気でいるのか…。
…恐るべし、兄上…。

皆野が悟ったような態度で溜め息をつくと、慎弥も説明しなくても理解してくれたことを感じ取ったのか、「へへ…」と小さく笑って見せた。
悪戯が見つかった子供みたいだ。
「へへ、じゃないだろう…」
「でも征司くん、皆野のそういうとこ、気に入っているんだよ」
「そういうとこ?」
「うん。ほら、言わなくても分かってくれるじゃん。勘がいいとことか、あと記憶力もいいし」
「褒められて悪い気はしませんがね」
それでも手腕をふるう岩槻のもとで、自分に何ができるのかと考えてしまう。
しかし、慎弥と付き合うことでヘッドハンティングの話まで飛躍するとは想像もしていなかった。
事業に関わらない慎弥にいたっては、実にのんきなものでいるが…。
ということは、もしかして住まいまで用意されるのだろうか…。当然のことながら、ここから通勤しろとは言わないだろう。岩槻のことだ。手抜かり無しに事を進めてくるに違いない。
頼れる存在はいいが、それもいかがなものかと思う…。

どちらにしても慎弥に話がいっているとは、岩槻は中途半端な計画を立てているわけではないのが知れてくる。近いうちに岩槻から連絡が入るのだと予想された。
慎弥に何を聞いても無駄なのは皆野も承知しているから無駄な時間をかけることもない。
皆野がもう一度溜め息を零すと、慎弥の両腕が首に巻きついてくる。
「ねぇ、続きは?」
途中でやめてしまった先程の行為を促された。
一時中断させたのが自分だとは気付いていないところは、また可愛くもあったけれど…。
皆野が額に唇をつけ、瞼へと移動させると、慎弥のほうから縋るように唇が向けられた。
…今日は泊まっていけるのだろうか…。
そろそろ皆野の欲求も限界に近い。
慎弥の唇に吸い付き貪っていると、「く~~~」という可愛らしい音が慎弥の下腹部から聞こえた。
「あ…」
僅かに離れた喉の奥から小さな戸惑いが吐き出される。
唇を離し、正面から向き合うと、慎弥が恥ずかしそうに視線を下げている。

皆野が仕事を終えて戻ってきて、そのままベランダから回収したところだった。
「え…と…、ご、ご飯にする…?」
躊躇いがちな声が上目遣いに見上げてくる。
「はぁ…」
それこそ、がっくりと肩を落とした皆野だ。
自分の不満よりも慎弥の欲求の方が優先される。今更の出来事に言葉を発する気力も失いそうだ。逆に笑みが浮かんでしまう。
「はいはい」
振りまわされているけれど、そんなところにも幸せを感じる。
今一度触れるだけのくちづけをしてから慎弥と共に立ち上がった。二人並んでキッチンへと入っていく。遠慮のない姿も慎弥のいいところだった。

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