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BLの丘
夏の遠足 12(最終回)
2011-08-06-Sat  CATEGORY: 『想』―sou―
何の注意もなく最初に砂利の上で転がったのは一葉だった。
一葉「あっ」
那智「かずはぁぁぁぁぁ」
膝がすりむけていないか、とか、足をねんざしていないか、とか、脳震盪をおこしていないかと、まわりにいた連中が寄ってくる。
一葉「う、うん…。だいじょうぶ…。…こんなところで怪我したら享利さんに怒られちゃう…」(←一応分かっているらしい)
成俊「安住さん、速攻で連れて帰って病院に見せるよね」(←良く知る病院)
那智「無事で良かったよ~」(夏休みが終わらないか心配)
英人「蛍鑑賞にみんな連れてくれば良かったね」
那智「でも大勢だとうるさくなって逃げちゃいそうじゃない?」
生態系のことなど何も知らないお子様は無邪気なものだ。だからこそ勝手な行動が起こせたのだろうが…。
これ以上動いてはまずそうな気がした4人は暗黙の了解のように、その場に座り、また寝転がって上空を見つめた。
青白い光を放つ蛍は幻想的な一夜を演出してくれる。
心地良い水音と涼しい風に吹かれて、いつしか、はしゃいだ一日の疲れを癒すように4人は眠りについていた。
熱帯夜ばかりだった都会とは違って、ここはとても居心地が良い。

サーチライトの光が土手の上から照らされた。
『川』の字に一本増えた姿勢で寝転がる姿に、探していた連中は咄嗟に青ざめた。眩しいはずの光を当てたのに、ピクリともしない。
大慌てで川岸に降りられる道を進む。こちらも浴衣姿の下駄だったが、慣れた様子で動きは実にスムーズだ。
「英人っ」
「一葉っ」
「成俊っ」
「那智~ぃ」
それぞれに声をかけると、「むう…ヽ(‘Д´)ノ」と言った感じでむくりと起き上がった。

龍太「よ、良かったよ~。無事だよ~」(←ホッと一息)
雅臣「見てない龍太が悪い!!」
龍太「…(ボソ)花火に見惚れていた雅臣さんには言われたくないですが…」

神戸「こんなところで寝て…。誘拐されるとかいう危機感はないのかね」
日野「今更だろう」
野崎「佐貫さんが保護者に加わり成俊さんも面倒見が良いですから甘えていらっしゃるのでしょう」
宮原「だからさ~。もう子守りする必要ないじゃん」(いちゃいちゃ)
神戸「野崎さんに遠足の手配してもらわないとねぇ」
野崎「Σ( ̄□ ̄;)」
宮原「そこは『手配』だけにしてくれない?」
神戸「現地での咄嗟の対応はどうしたらいいわけ?」
日野「…(ボソ)なんのための添乗員だよ…」
神戸「千城に何か言えるの、野崎さんじゃない」
すでに見知ってきたことを平然と神戸は告げる。いや、神戸だって充分言うだろう…と他の連中は思っていたがあえて口にはしなかった。
神戸にしろ野崎にしろ、結局言い含められて好き勝手にされることに変わりはない。だが、千城の感情を先読みして手を回す素早さは野崎ならではのこと。

千城「英人、蚊に刺されたのか?」(←肌をさすっていつもと違う感覚を知る)
安住「一葉、足をひねったの?」(←立ち上がった姿がおかしいと気付く)
那智「さっき、一葉ころんだの…」
安住「転んだっ?!」(←じっくり一葉を見る)
一葉「あ、いや、そのね…(モジモジ)」
成俊「だからここから動かなかったんだよね」
佐貫「そーいう問題じゃぁないっ!」
龍太「(ドキドキ)怪我してんのかよ……」
雅臣「え、と、診療所のご紹介……???」
神戸「おおげさな…」
久志「那智は無事だから連れて帰れる」
日野「容赦ネェなぁ…」
千城「ホテルにも医療スタッフは揃えてある。今の時期は何が起こるか分からないからな」
夏山登山のことについていっているのだろう。それでも24時間体制かと言われればまた違う話で…。
「とにかく戻ろう」という千城の言葉には誰もが頷いた。

その後、無事を確認されたが、お子様たちはまさか、数泊あるはずの『夏の遠足』が次ぐ日に中止されるとは思ってもいなかった。
勝手な行動ばかりを取るお子様たちにお灸をすえるつもりで放たれた言葉は効果てきめんだった。
お休みを取り上げられたくない子供たちは次々に逃げ口上を作る。
英人「ちゃんとそばにいるもん…」
一葉「言うこと聞く…し…」
成俊「探知機離さないから~」
保護者「「「あたりまえだ(です)っ!!!」」」
那智「(ボソ)うまくおさまるかなぁ」(ついてくるだけの人)
久志「なんだーかんだーいって、甘い連中だからな~」
日野「続いてくれたら俺もちょっと嬉しいかも」
神戸「ショウが喜ぶのはなに?高柳君との入浴タイム?」
日野「Σ (゚Д゚;)…な、ナンノコトデショウ…」
宮原「いぃねぇ。それぞれに楽しみがあってぇぇぇ」
野崎「仕事だけしに来ているわけではありませんが…」
全員「…………」
宮原「みことさぁぁぁぁん♪♪♪」
日野「(ボソ)また墓穴ほってるよ…」
神戸「いいんじゃない?秘書いなくて喜ぶ社長もいるんだし。自由行動で」
日野「…えっと、…つまり、残りの日は自由行動なわけね…」
龍太「(☆∇☆)まじっすかっ?!」
雅臣「りゅ、りゅうた…」

暑い日が続く都会に戻りたくないと思うのは誰もが同じ。
涼やかな風の流れるこの地を少しでも長く堪能したいと思っていた。嫌な冷汗をかかずに済むならいつまでも…。
その為にも保護者の存在はとても大事で…。
お説教には全員が耳を傾ける。
大人しく従う素振りを見せるお子様に、誰もが安心した。
一回り成長した『夏の遠足』なのである。

―完―

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なんかいつもながら、強引に終わらせました…。すみません…。
成長していないつもりでも成長しているお子ちゃま…???
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コメント

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コメント | | 2011-08-06-Sat 21:51 [編集]
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No title
コメント甲斐 | URL | 2011-08-07-Sun 00:35 [編集]
成長した?のか…
いろいろあったけど楽しめましたね
バーベキューに花火に温泉にお祭りに蛍
夏を満喫って感じです

また次の機会にも
成長したんだかどうかわからない子供たちと
保護者達の愉快な休日を楽しみにしています
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-08-07-Sun 12:33 [編集]
j様
こんにちは。

> 遠足シリーズ(勝手にシリーズにしてる…)大好きです。
> 26歳の青年が6歳(くらい?)のお子ちゃまになって、
> 保護者から溺愛されているところなど、微笑ましくて、
> 大好きです。
> Hシーンが無くても、いえ、Hシーンの必要の無いBL小説として充分楽しく読ませて頂きました。
> 読む側の勝手ながら、次はどんな遠足?なんて期待してしまいます。
> 私としては、安住&一葉のカップルが大好きです。
> どんなことにも完璧な安住さんをいつか、一葉くんが手助けする様なことは、無いのでしょうか…あって欲しいなぁ~

シリーズ化されてますか(笑)
ありがたいことです。書いている方としては嬉しい限り。
6歳くらい(爆)、いい感じの年齢ですね。
すっかり若返って楽しんでおります。保護者は大変ですが…。
他の話(本編)があまりにも暗い我が家なので、こんなところではっちゃけてますね~。
一葉が安住の手助けですか~~~。
そうですね~。一葉も色々と成長しましたからね~。(←)
また次の遠足も書けたらいいです。
コメントありがとうございました。
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-08-07-Sun 12:37 [編集]
甲斐様
こんにちは。

> 成長した?のか…
> いろいろあったけど楽しめましたね
> バーベキューに花火に温泉にお祭りに蛍
> 夏を満喫って感じです

成長した…らしい?!
言うことは聞くようになった…と思います。
楽しいことを取り上げられちゃったら困るしね。
遠足はイベント目白押しですね。

> また次の機会にも
> 成長したんだかどうかわからない子供たちと
> 保護者達の愉快な休日を楽しみにしています

(甲斐様、絶対に成長したと思っていませんね…)
はい。お待ちになっていてください。
また何か書けたらいいです。
コメントありがとうございました。
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