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観潮楼企画 作品目次
2000-12-30-Sat  CATEGORY: 観潮楼
観潮楼についての説明があります。
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作品一覧
観潮楼夏バナー


指先が触れた時 (2010年夏企画)
1 2 3 4 ♪5 6 7 8 9




作品一覧
観潮楼秋バナー

小麦色のかなた(2010年秋企画)
1 2 3 4 5 6

秋の夜長に想像したもの(2010年秋企画)
1 2 ♪3 ♪4 5 6 7 8 

想像と理想と現実(秋の夜長~番外編)
1 2 ♪3 ♪4





観潮楼冬バナー

贈り物




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【観潮楼企画】 ~指先が触れた時~ 1
2010-08-06-Fri  CATEGORY: 観潮楼
今頃になって、観潮楼「夏の企画」に参加です。
どっちをみても素晴らしい作家様ばかりで…オロオロ…(大丈夫かなぁ…)



この作品は、【観潮楼】「夏―心を焦がす恋―」参加作品です。



男子高校の教員という仕事に就いて1年と数カ月が過ぎた。
生徒になめられることは多いが、うまくカバーしてくれる年配の先生のおかげでなんとかやっている。
幼い頃からずっと夏には父方の祖母の家で夏を過ごしていた。
祖父は僕が幼少のころに亡くなっていて、祖母に両親と共に住まないかと誘っても、田舎の近所づきあいのあるこの場所が良いから…と祖母はその土地を離れなかった。
両親も年に何度か泊まりで訪れることはあっても、せいぜい一泊二泊程度で去ってしまう。
共働きの両親だったから、夏休みの間、僕が家に居られても困ったのかな…と思うこともあった。
就職してからは、丸1カ月というような月日を祖母宅で過ごすことはできなかったけれど、久し振りに訪れ、彼女の具合を確かめられたのは一種の嬉しさだった。

田園風景が広がる山奥。
農業、林業、と一次産業で生産を立てているような小さな村。
久し振りの再会に地元民が公民館を貸し切ってくれた。
たとえ一時的でも心を許して遊んでくれたみんなには感謝の気持ちしかない。
年齢はバラバラでも繋がった絆は今でも心に染み込んでいた。
なんだろう。級友たちとは明らかにちがう、もっと深い、何か…。

まだ昼間の2時である。
「そんな盛大な飲み会、いらないって~ぇ」
縁側で思わず悲鳴じみた声があがってしまう。
一番親しくしていた、隣(とはいえ100メートルも先の家だが)の一つ年上の陸(りく)が、僕、安里(あさと)を呼びに来た。
彼の誘いに反応してのことだった。
「もう、みんな、はじまってるしー。あさ、連れて行かないと、俺、困る」
「いっといで」
腰も曲がった祖母が『昼間から飲んでおいで』と顎をしゃくった。
仕事柄…というわけではないが、飲酒とは無縁な生活だった。
嫌いなわけではないが、問題を起こすことの多い生徒を抱えていると、すぐに対応できないと困る、と常に頭が働いていた。
何もかもを忘れてどんちゃん騒ぎをしたのは、どれくらい昔なのだろう。
それを祖母は気付いていたのか…。

縁側から引っ張られるようにしておろされ、その先にあったサンダルを引っかける。
「ちょっとまって、おれ、こんな格好…」
着替えもせず、半袖のシャツとチノパンを来た普段着に抵抗を見せれば、「どこが?!」と返された。
「充分っ!!一番まともな格好だって。俺ら、下着とかわんねぇし」
言われてみれば、改めて見て、陸はタンクトップにハーフパンツだ。
あちこちから見える筋肉は陽に焼けていて黒く、逞しさを余計に際立たせていた。
「こんな田舎で格好なんか気にすることねェって。それよか、あさが顔を見せること、みんなまってるんだ」

一年に一度か二度しか来ない人間なのに、こうやって温かく迎えてくれることがとても嬉しかった。
年上の”兄”からは色々な遊びを教えてもらって、年下の”弟”には勉強を教えた。
安里は一人っ子だったから、夏のこの時間がとても好きだった。
格好なんてどうだっていいから、とサンダルのまま引きずられるようにして数百メートル先の公民館に連れ込まれる。
一番広い会場に、長テーブルが幾つも並べられて、座布団が敷かれ、持ち寄ったと分かる家庭の味が所狭しと並んでいた。
同年代どころか、その両親までいるような、総勢50名ほどの、まさに”宴会会場”に安里は瞠目した。
「な、なに、これ…????」
「安里、去年、来なかったじゃん。就職祝い?俺らの中でさ、『教員』なんてなれるやつ、いないし」
陸がそっと耳打ちするものの、全ての人間に聞こえていると言って良かった。
「そうだよ。あさちゃんがいなかったらうちの馬鹿息子が国立大になんか行けなかったって」
「馬鹿息子…ってうるせぇよ、オヤジッ」
クスクスと笑いが漏れる中でまだ大学生なのだと分かる浅黒い男が父親を睨んでいた。
…あぁ、こいつも大学生になれたのか…。
夏期講習を開いたわけではないが、教えたことはある。
なんだかしみじみしたものが心に生まれてくる。

「それにしてもあさちゃん、全然変わんないね~。どっちが生徒か先生か分からないだろう」
並んでいた酒屋のお父さんが「座って一杯やりなよ」と促してくる。
陸と共に長テーブルの前に座って、懐かしい話に華を咲かせた。
寄ってくる面々は懐かしいのに時間を感じさせない温かさがあった。

そして、端のほうからそっと視線だけを送ってくる男…。
人を射るような瞳を持ちながら、普段、人にそんな態度を見せることはない。
狙った獲物を追うような凶暴さはたぶん、安里しか見たことがないだろう。
年下とは思えなかった。
まだ21歳のはずだ。
浅黒く焼けた肌、鍛えられた上腕の筋肉、すらっと伸びた脚。
鼻の奥がツンとする。
夏だけの恋だった…。
捨てたのは…そう、たぶん僕…。
2年、3年とここに滞在する間だけ”恋”をした。


夏恋

なら様より「夏―心を焦がす恋―」をお借りしてきました。
無断転写はご遠慮ください。

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【観潮楼企画】 ~指先が触れた時~ 2
2010-08-08-Sun  CATEGORY: 観潮楼
この作品は、【観潮楼】「夏―心を焦がす恋―」参加作品です。



大学に入った年の夏、村で開かれる夏祭りに出掛けた。
遊び仲間だった陸をはじめとして数人で行くのが恒例だった。
その中に睦(むつみ)もいた。
小さい頃は人の後をちょこちょこと追い掛けてくるような子だったのに、気付けば安里の身長なんて越してしまっている。
みんなが年頃の、色恋ごとを話すようになっても、軽く流す程度で、どことなく大人びた雰囲気を纏うようになっていた。

夜の花火大会が終わって、さて帰ろうという時、睦が安里を呼びとめた。
「ちょっと相談したいことがあるんだけどさ…」
周りのざわめきもあったし、他の連中には聞こえていないくらいの小声だった。
勉強のことはもちろん、村の人間ではない安里だからなのか、内緒にしたいことを話されることは多かった。
だからこの時も安里は何の疑問も持たずに、「いいよ」と連れられるまま、神社の境内に向かった。
電柱につけられた電燈がポツンと付いているだけの暗い中、もちろん誰がいるわけでもなく、賑やかな祭り会場から突然静寂に包まれる世界にやってきたようで、安里は恐怖にも似た感情を抱いた。
「ね、ねぇ、何? 睦、話って…?」
まだ奥へと進んで行こうとする睦の腕を思わず掴んでしまった。
「いいから、こっち来て」
逆に安里の手を握られて、引っ張られるように建物の裏側に回った。
電燈の光も届かなく、暗闇といってよかった。
立ち止まった睦が振り返ると、安里が言葉を口に乗せる間を取らずに、腕の中に抱き締められた。
「ちょ、…っちょっと、睦?!」
いつの間にか力なんか敵わなくなっている。
「俺、あさちゃんのこと、好きなんだけど」
「はいぃぃっ?!」
突然の告白には驚くだけだ。
そんな素振りを見せることなんてなかった。
何がどう変化したら『好き』という感情に結びつくのか、憧れか何かで気持ちのやり場を間違えているのではないかと思ってしまう。
「安里が好き。ここに来てくれるの、嬉しいのに、いつも陸たちとばっかつるんでんじゃん。年が近いからっていうのは分かるけど、俺、まだガキだし。相手にならないとか思ってんだろ?」
「そ、そんなことは…ないけど…」
「俺のことも見てよ。ってか、俺の為の時間、作ってよ」
「む、睦、…なんか、勘違いしてない?!な、なんで僕…!?」
「理由、必要なの?安里だからいいってだけ」

人を好きになるのに、確かに理由なんか無いだろうが、それにしても突然の展開に安里は頭の中がぐちゃぐちゃだった。
向こうの生活でだって安里はまともな恋愛もしたことがない。
告白なんてもちろんされたことはないし、この後、どう言えばいいのかも分からない。
睦のことを嫌いとか思うところもないが、恋愛感情になるかと問われればそれも疑問だ。
動揺しまくる安里に、雰囲気だけで睦がクスリと笑うのが感じられた。
ふと、睦の安里を抱き締める腕の力が緩んだ。
ごつごつとした掌が輪郭を確かめるように安里の頬を辿る。
それからいきなり、生温かなものに唇を塞がれた。
「?!!!」
湿った舌先が唇の上をなぞっていく。
くちづけをされているのだと気付くまでに時間はかからなかったが、抵抗する気も起きなかった。
何故だろう…。
それが睦に対して持つ想いだったのか…。

自分は単純なのだろうか。
たったそれだけのことで、途端に睦の存在が気になり始めた。
思えば、子供だと思っていた睦の策に見事嵌められたような気がしなくもない。
閉塞感のある村の中だったから余計に気になったのか…。
子供の独占欲とも言えそうな感情を睦はふたりきりの時に激しく見せた。
それほどまで欲してくれる人間がいるのか…と、安里は堕ちていった。

夏恋

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【観潮楼企画】 ~指先が触れた時~ 3
2010-08-09-Mon  CATEGORY: 観潮楼
この作品は、【観潮楼】「夏―心を焦がす恋―」参加作品です。



夏以外にもこの村に来ることはあったが、大概は1泊くらいで帰ってしまった。
いいところ、年末年始の3、4日だろう。
祖母の様子を見に来るだけだったし、陸くらいには挨拶をしても、遊び仲間にわざわざ声をかけに行くことはなかった。
突然睦と親しくするのもおかしいような気がして、距離を保ったまま、安里も睦も他の連中に二人の仲を打ち明けなかった。
それは睦にとっては、『秘めた恋』をしているようで、ちょっぴり大人になったような、背伸びをしている感覚があったようだった。
安里としては逃げていたのかもしれない。
もしもこの先、二人が『遊び仲間』になった時に、他の人に何か言われないようにと。
直接そういった話題に出会ったことがないから、いざという時にどんな反応を示されるのか分からない。
祖母がこの地を離れない限り、安里も安里の家族も来ることになる。
その度に睦だけでなく、村の誰とも気まずい思いをするのは避けたいことだった。
将来が分からないから、安里は睦を守る意味でもしばらくは黙っているのが良いと思った。

その夏は、突然手に入った宝物のように、安里は見つめられ続けていた。
睦は安里が帰るまで何かと傍に寄りたがった。
ほとんどは勉強を教える、という口実をつけて、睦の家に上がっていたか、祖母の家に寄りに来たか…だ。
もちろん、他の人間もいる。
安里はこの歳になって、虫取りに行く気もあまりなかったが、まだ遊びたい盛りの睦は違っている。
そんな光景を見ながら、何度か『やはり憧れの間違いなのではないか』と度々思うことはあったが、様子をみるためにも口に出すことはしなかった。
好かれているという想いを感じられることが単純に嬉しかったのかもしれない。
そして大学での生活に戻ってしまえば、いつしか睦の存在は薄くなっていった。

翌年の夏、陽が高くなる前に祖母の家に辿り着くなり、「スイカ持ってきた~」と早速睦がやってきた。
奥から祖母がのそりと顔を出して玄関に向かって話している。
「むぅちゃん、いつもありがとうね。安里がちょうど来たとこだよ」
「あさちゃん、来たの?」
祖母にでも聞いて知っているのであろうに、わざとらしい口調に思わず苦笑が漏れる。
「あがっておいで」
「うん。あ、陸はおじさんの手伝いするから午後来るって~」
いつもなら真っ先に来る陸が来ないのは、そのためか…と、家の手伝いをする陸に感心な心を抱いた。
安里はこの時期、床の間がある和室を居室として使わせてもらっていた。
荷ほどきの手を止め、そろそろと立ち上がりかけたとき、重いスイカを台所まで運んでやったのだろう、戻ってきた睦が飛び込んできた。

久し振りに見た睦のあまりの変貌ぶりに安里は瞠目した。
去年までの少年っぽさがなくなり、鋭敏さを備えた『年を重ねた』感じが、ありありと見て取れた。
春から夏にかけての日焼けもあるのだろうし、身体はまた一回り以上成長していて、筋肉をつけた逞しさが人目を惹く。
Tシャツの袖を肩まで折り返して、下半身は太腿が丸見えといえる短パン姿だった。
子供とは…成長期の子とは、こんなにも激しい変化を見せるものなのだろうか。
自分も通り過ぎてきた道なのに、比較できるほど安里は成長しなかった。
「あさちゃん、久し振り~っ!!」
再会を喜ぶかのように抱きつかれて、安里の方が年がいもなく慌てふためく。
「ちょっ…っ!!睦っ!!」
すぐそばには祖母もいるのだ。
幼い頃のように、無邪気に飛びつきあう背格好でもなくなっているし、祖母だって違和感を持つだろう。
直接肌に触れる筋肉質な体格に、自分との差を充分なほど知らしめられ、またこの歳になっても滅多に取らないスキンシップにドギマギとした。
「おばあちゃん、今お昼の用意してたから大丈夫」
覗き込んできた睦が声のトーンを落とし、安里の不意をついて掠めるようなキスを落としてきた。
「!!」
このませたガキはこんな早業をどこで覚えているのだろう…。

会っていない間に、どこの誰かとなにかがあってもおかしくない年頃だし、むしろ、そのほうがずっと自然だと思える。
わざわざ問いただすほどのことでもない、と安里は聞くような野暮なことはしなかった。
大人としてのプライドなのか…。
色々な要素を踏まえても安里と睦は釣り合わないという気は常に持っていた。
つい今しがたまで子供のころと変わらない声音をあげていたというのに、二人きりになった途端に大人びた雰囲気を纏わせる。
「会いたかった…」
脳髄に染み込んでくるような低い声で耳元で囁かれ、再びぎゅっと背中に回した腕に力を込められる。
鼻腔に届いた彼の香り。
睦の態度の変わりようにも安里は驚愕した。
それは安里が見たことのない睦の姿だったから…。

睦が積極的に物事を進めようとする性格だからなのか、安里が何の抵抗もせず彼の求愛をただ受け止めてしまったせいか、その年から二人の関係はこれまでとは全く違うものへと変わったのだ。


夏恋

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予想外に長くなってる…(;一_一) 2、3話の予定だったのに…。
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【観潮楼企画】 ~指先が触れた時~ 4
2010-08-10-Tue  CATEGORY: 観潮楼
この作品は、【観潮楼】「夏―心を焦がす恋―」参加作品です。


(いらないかもしれませんが) R15 少しの性描写が入ります。閲覧にはご注意ください。


集落から少し離れた山の上からは、村全体が一望できた。
それほど広い距離がある村ではない。
だから子供の足でも1日もあれば端から端まで往復できた。
ほとんどは田畑が占めており今の季節は緑でいっぱいだった。
山の上まで来るには、誰が整備したのかも分からないような、丸太と石で作られた木々が生い茂る山道を登ってくるしかない。
子供にとってはかっこうの秘密基地(大人から順序良く教えられたのだから秘密でもなんでもないが)で、安里も良く連れてきてもらった。
山の上までは麓から徒歩20分といったところだろうか。
頂上にはこれまた誰が建てたのか分からない物置のような小屋があった。
村の人間が作業に使うための道具を入れておく場所のようだった。

小屋の周りは木々も伐採されていたから夏の日差しが照りつけている。
じりじりと焦げるような太陽でも吹き抜ける風が心地よくて、茂る草の上にレジャーシートを敷いて安里と睦は昼食をとった。
残り物を詰め込んだようなお弁当だったが、場所が変われば新鮮な味がするのだから不思議だ。
聞こえてくるのはさえずる鳥の声と、遠くで農作業をする機械の音くらいなものだろうか。
最近ではここまでくる子供は少なくなったという。
ただでさえ過疎化が進む村だったし、暑い中、家の中でテレビゲームなどをして過ごすほうが良いと思う気持ちも分かる。
「ご飯食ったら寝たくなる…」
睦がごろんと、あぐらをかいた安里の膝の上に頭を乗せてきた。
人がいなければ睦は所構わずこうして安里に触れたがった。
子供が甘えてくるような仕草は、安里は嫌いではない。
教員を目指したのも、そんなふうに思えるところがあったからだろう。
「安里…」
睦は人前では『あさちゃん』とこれまでと変わらない呼び名で安里を呼んだが、二人きりの時は独占欲を表すように必ず呼び捨てだった。
睦の片手が安里の後頭部に伸びてきて、そっと身体を折りたたまれる。
くちづけを交わすのはもう何度目になるのか分からないくらいだ。
差し込まれた舌が歯列をなぞって、奥へと侵入してくる。
柔軟に動き回る舌先に舌をからめとられ引っ張られる。
互いの口腔を交互に行き交うような激しい動きに、安里から流れる唾液が睦の中へと零れ、溢れたものが睦の頬を濡らした。
「安里、キスうまくなった」
「おまえこそ、こんなことどこで覚えてんだよ」
キスがうまいかヘタかは比べる相手もいない。
「それ、嫉妬?」
「単なる疑問」
「心配しなくても、俺の『初めて』は安里だよ」
睦はフッと笑っただけだ。
こういう仕草や精神の落ち着きは、時々自分よりも年上なのではないかと思う時がある。

去年、睦の部屋に行った時に、それなりに卑猥な写真の載った雑誌が隠されているのを安里が見つけたことがある。
あの頃はまだ『照れる』という部分を持っていて、『陸が置いていったやつっ!!』なんて言っていたけど。
思春期の男子には当然の行為と安里も目を瞑ってやった。
それが今年になったら、なんだろう、この開き直り具合。
睦の部屋で勉強を教える、などという口実に連れ込まれた後には、あれよあれよという間に貫通式まで済んでしまった安里だった。
確かにあの時のことを思い出せば、手慣れていないのは明白なのだろうが、単純にヤリたいがために選ばれた人間なのではないかという疑問も浮かんでしまう。
どこでどんな教えを受けているのか研究をしているのかは不明だが、安里を気持ち良くする技はあっという間に身につけたようだった。
「学習能力高いのかも、俺」などとのたまわっていたが、逆に睦に嵌っていくようで怖かった安里である。

「安里、ここ、元気になった?」
あぐらをかいていたせいで、まったく無防備だった中心を睦の手が撫でた。
「なに、する…っ?!」
「俺、今のキスだけで、ちょっと…」
安里の腹側に顔を向けるように、横向きに転がった睦が少し身体を丸めるようにした。
その反応は何を示すものなのか理解できる。
…嫌な予感がした…。
睦の頭を膝から転げ落してやろうと動くよりも早く、睦の両腕が安里の腰にぐるりと巻きついた。
「今の時間なんて、こんなとこ、誰も来ないよ」
股間に顔を埋めるようにして、布越しに熱い息を吹きかけられた。
ピクッと動いたものを、当然睦は見逃していない。

夏恋

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