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BLの丘
一番近いもの 16
2010-07-28-Wed  CATEGORY: 一番近いもの
鳥羽も一度は見たことのある顔だと分かったらしい。
とはいえ、詳しいことは何も説明していないし、鳥羽の中でどういう存在として大希がいるのかは疑問だ。
「あ…」
海斗は心の中が急速に冷えていくような感覚を覚えた。
先程まで感じていた高揚感のようなものが大希の顔を見た途端に吹っ飛んだのだ。
大希に対して言い訳をするべきなのだろうが、それすらも思い浮かばない。
気を使ったらしい鳥羽が、「払っておくから」とレジを進んだ。
「ま、待って…」
思わず呼び止めてしまった海斗に、鳥羽は「いいから」と大希に向かわせようとする。
呼び止めたのは、言い訳の言葉すら紡ぎだせない状況に助けを求めたところもあった。
もちろん気付くはずもないだろうし、大希に知られるわけにもいかない。
鳥羽に誤解されている、と不安が駆け巡った。
実際、『誤解』ではないのだが…。何故そんな風に思ってしまうのだろう。

大希に腕を引かれ、一度売り場の中に戻される。
「誰?友達?」
大希には怒っている様子は見られなかった。
交友関係まで全て把握しているほど、これまでの付き合いは深いものではなかったけど、この先は変わるのだろうか。
「隣の家の人…。今日、またみんなで集まろうって話になって…。買い出しに…」
「ふーん。ご近所様と仲良くやってんだ。まぁ、この前の『御礼』もあるしな。海斗のこと、守ってくれたっていう意味では俺も後で挨拶でもさせてもらうかな」
「い、いいよ、別にそんな…」
そもそもの原因は、あの日の朝に大希との逢瀬を知った松島の怒りを買って事件にまで発展してしまったわけだが…。
それにあの時は大希と付き合っていたわけでもなんでもない。
何より、改まって『付き合っている』ということを鳥羽に知られたくない気持ちが湧いている。

「あんま、飲み過ぎるなよ。部屋に戻ったら電話でもメールでもちょうだい」
海斗の癖のある髪をさり気なく撫でられた。
普段、こうしてスキンシップを取ることもなかったから驚いてもいたのだが、鳥羽に見られているのではないかという焦りもあった。
大希との付き合い方が、全くこれまでと変わっていることを再確認させられた気分だ。
「…ん、…うん……」
気が重かった。
告白されて、安易に返事をしてしまったことを今更ながらに後悔している自分がいる。
それを伝えたら、大希とはもう元通りには戻れないのだろう。

大希の前で、鳥羽に並ぶのも躊躇いがある。
どこかに立ち去ってくれればいいのに、と思いながら、大希は海斗の行動を見守っているようだった。
すでに会計も済み、レジ袋へと商品を詰め込んでいる鳥羽が、時折チラリとこちらを見ていた。
大希に「また…」と声をかけ、先程までとは打って変わって、ぎこちない動きで鳥羽の横に戻った。
「もういいの?今日、会合するって話してなかったの?」
「ん…、…」
逐一報告するような間柄ではなかった。
恋人と思っているのだろう、鳥羽にしてみれば、海斗と大希のやりとりには不思議なものでも浮かぶのだろうか。
「なんだったらもう少し話してくる?駐車場で待っててやるよ」
「い、いいよ…。気温、高いし、傷んじゃうから早く帰ったほうが…」
鳥羽と会話をしているところを、これ以上大希に見られたくない…、なんだろう、これは…『焦燥』…?
同時に鳥羽にも大希との接触を見られたくなかった。
自然と、鳥羽に伸ばそうとした腕に気付いて、ハッと引っ込める。
たった数日しか過ごしていないのに、鳥羽とはさりげなく触れ合うことが当たり前になっていることに気付いた。
大希とは、違和感が生まれるというのに…。

ビニール袋を手にした鳥羽が、後方を振り返って、まだこちらに視線を送っている大希に、小さく頭を下げた。
当然のこと、といえば当然のことなのに、朝から燻っていた『後ろめたさ』がまた心を占領していく。
大希はニコリと笑って手を振ってくれたけど…。

車に乗り込んでからもいつもと変わらない鳥羽の明るさがなんとなく心苦しかった。
ものすごくイケナイ事をしている気分に陥った。
それが大希に対してなのだ…と思おうとするのに、正面からまともに顔を見られない鳥羽に何故か必要のない言い訳の言葉を必死で探している。
無意味なのに…。
みんなでワイワイと楽しめると、踊るような気持ちがあったのに、今ではすっかり萎んでしまっている。
今更断るわけにもいかず、海斗はあまり飲まずに、早々に退散しようと思っていた。

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近いんだか近くないんだか…
もう、誰が誰と?!的な状況ですよね…。
半分(15話)過ぎたし、そろそろ何かの動きが欲しいわたくしなのですが…。
あいかわらず、カメ並みのすすみかたなのでしょうか…。

そして、60000hit様がすぐそこにっ!!
早いですっ!!早すぎですよっ!!(こっちはカメじゃない)
確か、今月の頭に5万とか言っていたはずが…。
一周年(6月末)に4万だか5万だかといっていただけに、その数字の恐ろしさに身悶えしました。
別に60000にこだわりはないので、59999とか60001とか、ニアピンも受け付けますので。
(書けるかどうかはともかく……、つーか、いつも受けつけ中じゃんっっ!!)
ハイ…。リク、いただいていながら答えていないものもたくさんあるんですよね…(反省)
半年くらい過ぎているんじゃないでしょうか。
英人と、ママの実家、(暮田家)、その確執もようやく書こうかなと思い始めました。(夏休み企画ってことで?!)
たまには榛名パパも出そうか。
すみません。
書こうとすると、どうしても、何故かこのシリーズ…。
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一番近いもの 17
2010-07-29-Thu  CATEGORY: 一番近いもの
あまり飲まずにいようとするのに、口淋しいのか、グラスに口を付ける回数が多くなって、その度に饒舌になった花巻がビールを注いでくれた。
「海斗~、全然食べていないじゃん。悪酔いするよ」
なかなか箸の動かない海斗を気遣うのか、鳥羽がたまに「あ~ん」とテーブルの上に並べられたあれこれを海斗の口元に運んでくる。
有馬が作った料理は相変わらず見事なもので、フライパンごと持って来られたパエリアは花巻から絶賛されていた。
「元女房だって、こんな立派なものは作ってくれませんでしたよ。男、一人暮らしになると、外食ばかりになっちゃってね~」
「単純にお金が無いんです。働いてお金稼げるわけじゃないし。花巻さんほどの収入があれば外食に頼れるんですけどね…」
「いえいえ、不健康ですよ。栄養バランスも何も考えなくなるしね」
海斗だってまともな料理ができるわけではなかったし、日頃の食生活を振り返れば花巻の言うことも理解できる。
栄養士のいる社員食堂で昼ごはんを食べているから、少しは救われているのだろうか。

「ほら、海斗、これも食べて」
有馬の作った夏野菜の揚げ浸しを鳥羽に再度すすめられた。
健康管理には人一倍うるさそうだ…。
口をあけて待つ子供のようで恥ずかしさが募り、鳥羽の手を押し留める。
「もういいよ。自分で食べられるし」
「箸、全然持たないじゃん」
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる鳥羽の存在が嬉しいのに悲しい。
たぶん、きっと、こいつは誰に対してもこうして優しく接するのだろう…。
「鳥羽君ってすっかり砺波さんのお世話役ですね。この前の『チュー』を見た時はびっくりしましたけど、二人の仲を思えば自然なことなんですかね」
「げほっ!!」
花巻から突然告げられたことに、海斗が激しくむせ込んだ。
男同士の付き合いを好む海斗のことはすでに知られたことなのだろうが、『鳥羽と…』と言われたら戸惑いと羞恥がわき上がってきた。
海斗の記憶の中からすっかり抜け落ちていたが、鳥羽が平気で人前で唇を寄せてきたことを思い出す。
かぁぁぁっと身体が熱くなるのも感じた。
同時に心苦しさも生まれた。
誰に対しても優しい存在なのだろうと思いながら、やはり誰に対しても平然とスキンシップをとる男なのか…。
「そ、そ、そ、そんな…、そんなんじゃないしっ…っ」
「え?違うんですか? 主婦の方から浮気調査を依頼されて、相手が男性だった、とかたまにありますから、私、そういうことに抵抗ないです。大丈夫です。口硬いですし」
ポロポロ漏らしている時点で「口の硬さ」の信用度はあるのかと思うが…。
激しく動揺する海斗を気遣うのか、鳥羽が苦笑を浮かべた。
「あの時はちょっとした『勢い』?海斗を慰めてやりたかったからなんだけど」
ズンと心が重たくなる。
『慰める』…?

「健太、すぐ手ぇ出すから」
「堪え性なしみたいに言わないでくれる?」
「若い時って盛んになっていいと思いますよ~」
笑い声が響き渡る部屋の中で、海斗一人が冷やかな感情を抱いていた。
自分だって、ずっと、性欲にかられて相手を変えてきたような人間だ。
人のことは言えたものではないのに、簡単に誰とでも手を触れ合わせる鳥羽が気に入らなかった。
苛立ち…だった。

やっぱりこんな場所に来るのではなかった…と、海斗は後悔していた。
昼間感じていた、そわそわした高揚はなんだったのだろう。
弄ばれたような感覚が全身を蝕んで、こんな場所で年下に対して大人げないと思いながら、酔いの為か率直な意見がこぼれた。
「おまえ、ほんと、気に入らないっ」
いきなり発された喧嘩ごしの台詞に、笑い事では済まない現実を感じた3人が黙った。
「人に慰められて生きていくような弱い人間じゃないしっ!!」
「海斗…」
「うるさいっ!!もういいっ!!関わんなっ!!!!」
立ち上がった海斗の手首を鳥羽がつかまえようとするのを渾身の力で振り払った。
訳の分からない悔しさで瞼が熱くなる。
どうして涙が出るのか…。
「砺波さん…」
花巻にも引きとめられる声を聞こえなかったことにして、玄関を飛び出した。
「海斗っ!!」
追ってくる声がアパートの廊下に響いた。
自分の部屋の鍵をあけることに手を焼いて…、その間に追いついた鳥羽が海斗の後を続いて部屋に一緒に入ってきた。
「出て行けよっ!!」
振り上げた掌をがしっと掴まれる。
「ごめん、言い方が悪かった…」
神妙な顔をした鳥羽が震える海斗の身体を腕の中に収めた。
気に入らないのに、ひどく安堵する腕だと思った…。
「こういう人、見ると、放っておけないんだ…」
傷ついた人間、と思われていることを知って、余計に愕然とした。

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一番近いもの 18
2010-07-30-Fri  CATEGORY: 一番近いもの
つかまえられた肌がぷるぷると震えた。
大希は『海斗は誰かに恋をしている』と伝えた。
その相手を海斗自身分かりはしなかったし、その相手を忘れろと大希に促されて返事までしてしまった。
だけど、改めてどこからくるものなのか、はっきりと知ってしまった今、悔しさや悲しさだけが海斗に打ち寄せてくる。
鳥羽の、全てを守ろうとする親切心が、重荷になっていた。
何故涙が出るのか、どうして苛立ちばかりが募るのか、『同情』にしか値しない鳥羽の感情を知って、海斗の中に生まれた『恋』がこの瞬間に打ち砕かれていた。
たった1週間の間に、鳥羽から寄せられた『優しさ』に海斗はしっかりと嵌り込んでいたのだ。
まだ何も知らず、興味が湧いている程度の『隣人』だと思っていた。
一番傷ついた時に傍にいてくれた人…。

『放っておけない』…。
鳥羽から聞かされた一言に、現実を思い知らされる。
鳥羽にしてみれば、この先、診ていく『患者』の一人のようなものなのだろうか…?

「出て…いけ…っ…、出ていけってばっ!!」
鳥羽の腕の中で突然暴れ始めた海斗を、怪訝な顔つきで見下ろされる。
海斗の部屋の玄関を、続いてきた有馬が開けて、二人のただならぬ情景に眉をひそめた。
「健太、離してやれって。おまえ、何してんの…?」
男が男を抱き締める風景など、一般市民には受け入れがたいものだろう。
救われるのは、様々なことを学習している二人だからなのか…。
「海斗、俺が悪かったって。『慰める』って、変な意味じゃなくて…」
「うるさいっ!!もういいっ!!」

悔しい…。
こんな男の為に、毎日溜め息を繰り返していたのか。
守ってくれる腕は自分だけには向けられないと悟って、あまりの淋しさと悲しさで涙が止まらなかった。
こんな想いは知りたくなかった。
幼稚園の頃に憧れた尚人先生とか、いつも面倒をみてくれた登校班のあっちゃんとかに抱いたものとは明らかに違う情熱。
そして、もう一人。
海斗の身体を開いた『父』とも違った。

「ごめん。俺の言い方、ほんと、悪かったって…」
「慰められたくなんかないんだよっ!!慰めてくれる奴ならいるからっ!!」
本心ではない言葉が漏れてしまったが、その意味を鳥羽も有馬も理解しているのだろう。
大希の存在を示唆し、思うものとは裏腹な言葉に、瞬間、海斗は後悔したがもう後の祭りだ。
鳥羽の腕を解かせる有馬の手と、諦めたように離れていく鳥羽の腕が、更なる焦燥感を生んでいるのに何もできなかった。
言わなくてもいい発言で、返って鳥羽を傷付けたことも分かる…。分かるけど…。


取り返しのつかない発言に隣人との距離は否応なく開いた。
その夜、部屋に帰ったのかと確認する大希からのメールが何通か届いた。
いままでと同じように、深入りする気にもなれず、返信もしないでぼーっと過ごす深夜に電話が鳴る。
『海斗、帰った?ごめん、何回もメールしちゃって…』
「ん…。ちょっと酔っちゃって…。返信できなくてごめん…」
正直言えば、『面倒くさい』の一言だった。
誰かに束縛されることをこんなに嫌っただろうか。
改めて大希とはもうこれ以上の付き合いができないことを知る。
後腐れない、欲求をはらす為だけの関係だったからこそ、うまくやってこられたのだと思った。
そしてそんな穢れた関係を、鳥羽に、今更ながら知られたくなかった。

昨日、告白をされて、たった一夜で後悔の嵐の中に落される。
大希に何と言ってやればいいのだろう…。
『ちゃんと帰ったんだって分かったからいいよ。また明日から忙しいだろ?仕事、頑張れよ』
今まで聞くことのなかった、鼓膜を撫でてくるような声音に大希の本気さを感じた。
弄んでいるのは自分なのだろうか…。

心苦しさを抱えながら電話を置く。
溺れたい男は誰なのだろう。
想いを寄せてくれる人間と、想いを抱く人間。
知りたくなかった…と両手で顔を覆った。
距離があいてしまった隣人の中にも、確実に、『海斗が付き合う男の影』があって、言い訳のしようもない。
だけど、その男に縋ることを拒絶した海斗がいる。
とはいえ、フリーになってしまうことが怖かったりもする。
『一人にされる…』
一番の恐怖だった…。

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く、暗すぎて『チチ』とか書きたくなるのはビョーキか?!
しぼるとこ間違えて顔にどぴゅっとかひっかけられるの、保護者は許さないだろうが読者様は許してくれるんだろうか。
あ…すみません、もう、いらないあいつらですよね…(でも書きたいらしい)
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一番近いもの 19
2010-07-31-Sat  CATEGORY: 一番近いもの
R18…はなくてもR17くらい(変わんない?!)あります。
お子様のイケナイ『性教育』みたいなところがありますので、ご注意ください。


海斗は幼いころから3人の父親を持っていた。
母親は何度か再婚を繰り返した。
虐待をうけるとかは無かった。
どの父親もやさしくて、別れてからも時折母に逢いたがった。
必ず海斗を連れていくことが条件だったようで、いつも海斗は同行させられ、可愛がられて過ごした。
その度に母は金を貰い、海斗も欲しいものは確実に与えられた。

身体の異常に気付いたのは小学校の高学年の時だった。
海斗は学校の授業で性教育を受け、自分の感じるものが『男』に向けられるものだと知った。
習ったのは男女の交わりで…、(具体的なものはもちろんなかったが)営みで子供ができるのだという事実を教えられた。

当然、その交わりがあって自分が生まれたことも知るのだが。
女に対しての興味は確かにあったけれど、それよりも、筋肉質な胸板や、自分と同じく変化を遂げる男性の性器に視線を奪われた。
憧れたのは守ってくれる『父』だったのだろう…。
その感情を『隠すべきこと』なのだと悟ったのは、『男女』が正しいと言われたその頃だったのか…。

一番最初に海斗の身体を開いたのは、4番目の父だった。
母親には絶対に内緒の中学3年の夏…。

その日、母は中学の時の同級生とバス旅行に出かけると言って一泊留守だった。
『母親』という女がいないからなのか、父は無防備にも風呂上がりの裸体を腰に巻くバスタオル一枚というスタイルで堂々とリビングに座っていた。
血の繋がりもない、10歳しか違わない父は逞しい体つきをしていて、海斗は見てはいけないと思いつつ、凝視していたのだと思う。
そんな海斗に気付いて、父は隠すこともせず、「何が知りたいの?」と声をかけてきた。
男同士…という気安さもあったのか、友達同士で話す話題にいつも恥ずかしさを覚える年ごろだったが、知識の豊富さは格段に上だ。
海斗には『知りたい』という思いの方が強かった。

「み、見てみたい…」
顔を真っ赤に染めていた…かどうかは分からないが、それだけで身体の中心が熱くなっていった。
クスリと笑うだけで父は海斗をけなすこともなく、蔑むこともなく、当然だという態度で受け止めてくれた。
「むしろ、遅いくらいだよ」
とても母には相談できない『性』の相談という形だったが、さらりとバスタオルを剥ぎ取った父は、同時に海斗も丸裸にしてしまった。
人に見られることの恥ずかしさで目尻には涙も浮かんでいた。
宥めるように口付けを落とされ、口腔を舌先でなぞられる気持ち良さと、生まれたままの姿に解放感を覚えた。

「海斗は女の子としたいの?」
やりかたを教えてあげる、といった雰囲気だったのか、父の言葉に首を振ってしまった。
女に対して当然興味を持って良いはずの年齢なのに、その意思がないことが伝われば分かったように父の口角が上がった。
『女』とナニかをするよりも、筋肉質な胸や形を変えたモノを見てみたいし、触れてみたい…。
「それなら、とっておきのものを海斗に教えてあげる」
リビングのラグマットの上に、先程まで父の大事な部分を隠していたバスタオルを敷いて、その上に海斗を横にさせた。
何をされるのか恐怖もあったが、興奮の渦の中でピンと勃ってしまった中心に想像以上の期待があるのだと思った。

体中を触られることも舐められることも体験などない。
一つの動きが起こるごとに、ビクビクっと身体が震えたし、膨張したさきっぽが蜜を零すようになっていた。
初めて咥えてもらった生温かさだけで、海斗は白濁を喉元に叩きつけてしまった。
自慰のやり方くらいは知っていたが、人にやってもらうものとは全く違う感触に我慢もきかなかった。
怒られるかと思ったが、父は全く気にした様子もなく、「元気が良い証拠だよ」と残滓を舌先で掬っている。
「もっと気持ちいいものを覚えよう」
そう言って両脚を大きく割り開かれた。
自分でも見たことのないような箇所が明りの下にさらされて…、小さな蕾の上を舐められた。
「うあっっ!!」
思わず腰が引けそうになるのをがっしりとした腕につかまえられた。

「ここを開いたらママに怒られちゃうかな」
絶対に内緒にするべきことなのだとは判断がつく。
秘密を持てる、それが何故か余計に興奮を生んだ。
断るよりも、『もっと…』という感情が湧きおこる。
一舐めされる気持ち良さに足を閉じることもわすれ、快楽の中へと堕ちた。

今振り返れば、初体験なのに痛みも苦痛も感じさせなかった父の手腕は相当なものだったのだろう。
気を許した人間の前では平気で肌を晒すことができるような感覚、必要以上の苦痛を味わうことがないようにと事前に準備をする方法とか、相手を煽るための技法、また人の選び方、全てをあの父に教えられた。
可愛がられて過ごせる日々を事細かく教えてくれたのは…、…どうしてなのかとたまに思う。
大希を選べたのも、彼の手ほどきがあったからなのだろうか。

大学に進学して、一人暮らしを始めるまで、高校生活の3年間、父との関係が途絶えることはなかった。
もちろん母親には内緒だったし、家の中での行為には抵抗があって、会うのはいつもホテルだった。
まるで、近所の道路で出会ったかのような素振りで二人並んで帰宅し、母親と顔を合わせても後ろめたさもなくなった。
内緒ではあったけど、『性』に関しては戸惑うこともないよう教育されたのかもしれない。
進学して海斗に相手がいるのだと分かれば父はもう手をだしてくるようなことはなく、静かに見守られた。
淋しさはあったけれど、後腐れない、はっきりとした関係は、まだ若い海斗には心地よいものだったのか…。

『気まずい…』
久し振りにそう思ったのが、鳥羽だった…。

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学校の授業って書いちゃったんですけど…、今の性教育っていくつくらいからどこら辺まで教えられているんですか?すみません、知識、何もなくて。『ありえない~っ!!』的な意見があったら取り消します。あくまでも想像の世界なんですが…。今、いっぱい『青少年なんたら』って取り扱われているし、FC2さんも厳しくすぐピョンってはじかれたりするので曖昧な記事になっているかもしれません。あまり危険なことは書きたくもないので…(え?もう充分かいた?!)純粋な海斗の過去編です)

んでもって週末お休みかと思います。
仕事、とかいっていた粗大ゴミが今朝になって「休み」とかほざいて、『え?!何も書けてないのに!!どーしてくれんの?!』とわめきたくてもアレの前でパソコンを開く勇気がありません…。日中がんばったけど、どうも筆が進みませんでした…。

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一番近いもの 20
2010-08-03-Tue  CATEGORY: 一番近いもの
里帰りはたまにする。
新幹線に揺られること、数時間か、航空便で何時間か。
大概は予定を組んだ日の航空券が送られてきて、海斗は一番楽な移動方法で懐かしの地に足を運んでいた。

年末年始の時期やお盆のころ…と時期は決まっていたが、兄弟もいなかったから一年に一度でも顔を出せば母は満足してくれたし、血の繋がりのない父も喜んでくれた。
4番目の父と母との仲は長い。
過去の3人が、2年、3年と短い周期で変わったことを思えば、10年以上も続いているのだから驚きもするが…。
海斗には特別な意味もあったから、同じ顔が見られて居てくれることは嬉しいことでもある。

この夏は今まで過ごした時とは全く違っていて、どこか安堵するものにすがりたかったのかもしれない。
松島に手酷く扱われ傷つき、大希との関係もどうしていいのか決断できずにいる。

花巻の家を飛び出した後、有馬が改めて謝罪しにやってきた。
一時的に鳥羽を引き離したかったようだ。
「言葉が足りなかったって本人も反省しているから。本当に悪気はなかったんだ。飲んでいた席で調子に乗っちゃって…。何となく海斗さんが元気ないような感じもあったから気にしての上で…。すみませんでした」
鳥羽を庇って謝罪までしに来るとは有馬にも何か特別な感情があるのだろうか。
それともただの近所づきあいを思ってなのだろうか。

海斗は今頃になって、自分が怒りだしたことが理不尽だったと反省した。
こちらの感情に答えてくれないと分かっての苛立ちで、やつあたりと言っていい。
何も知らず、元気づけてくれようとした鳥羽にすれば、これまでと変わらず接していただけなのに、いきなり怒鳴られた上に泣き出されれば意味すら分からなかっただろう。
それなのに、たった数分のうちに事態を判断し、こんなにもあれこれと気遣ってくれるのは、二人だからなのだと思った。
「いい…。ゴメン、俺も感情的になっちゃって…」
感傷に浸る海斗を思ってか、有馬もダラダラと何かを言いはせず、すぐに帰っていった。
隣の部屋で、鳥羽がどんな気持ちでいるのか、申し訳なくなってくる。
彼の親切心を良く知るから、余計に自分が取った行動を後悔した。

だから大希から電話をもらったことで燻るものが大きくなり、海斗はなかなか寝付けず、最悪な月曜日の朝を迎えた。
偶然だったのか、玄関を飛び出すなり、鳥羽と出くわした。
気まずさはあったけれど、無視する気も起こらず、鳥羽も何か言いたそうだった。
だが、海斗にはもう時間がなく、立ち話をしている暇は一秒もない。
「おはよう…」
「おはよう。ごめん、寝坊してすごく忙しいんだっ」
謝りたい気持ちを持ちながら、慌てふためく海斗の姿はどう捉えられているのだろう。
決して話をしたくないわけではない、と誤解されないか心配しつつ伝えれば、「駅まで送ってやるよ」と申し出られた。
駅まで徒歩で20分足らず。一つの乗り換えはあっても、会社が駅の正面にあったため、海斗は車を持っていなかった。
「でも…」
「俺も出掛けるついでだし。会社の方がいい?」
いくらなんでもそこまでしてもらう必要はない。
躊躇する海斗の腕をつかまれ、「ほら、急ぐんでしょ」と促される。
昨夜のことを気にしている部分はあるのだろうが、いつもの鳥羽と変わらない態度に安堵している自分がいるのも確かだった。
助手席に乗せられた途端に鳥羽が口を開いた。
「昨夜はさ、本当にごめん。あんな言い方になっちゃったけど、海斗のことはすごく心配しているんだ。なんていうか、ちょっと無防備なところがあるっていうか放っておけないっていうか…。海斗だから守ってやりたいって思うんだと思う。 俺、いつも勢いで動いて蓮にも怒られるんだけど、もうちょっと海斗のこと、考えてやるべきだったな…って。あんな事件まであった後で、俺が言ったこと、酷かったな…って反省してる」
いつもは明るい口調ばかりの鳥羽が神妙に言ってくれば、その気持ちも伝わってくるようだった。
「もう、いいよ…」
「昨日は落ち込んでいるようにも見えたし、そんな時に非常識だったよな」
鳥羽はスーパーで大希に出会ってしまってからの海斗の変化に確実に気付いていたのだろう。
昨夜の有馬もそんなことを言っていたことを思い出す。
鳥羽なりの優しさだったのだとも今では冷静に振り返ることができた。
「俺こそ、怒鳴ってごめん…」
「もしさぁ、心配ごととか悩みとかあるんだったら、いつでも話きいてやるから。まだまだ頼りないかもしれないけど」
照れくさそうに笑う鳥羽の姿が新鮮だった。
これまで振りまわされるような態度ばかり取られていた。
何も知らないことばかりの隣人に、海斗はまた一つ興味を持った。
だが所詮、鳥羽が向けるものは同情でしかないと改めて教えられたようで、心苦しいものが胸を覆っていった。

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