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BLの丘
【バレンタインコラボ企画】 7
2010-02-14-Sun  CATEGORY: コラボレーション
こんなにはしゃいだ英人をみるのは久しぶりだった。フランスを共に旅行した時以来だろうか。
英人は非日常の世界をとても好む。もっとも日常があって変化があるから人は楽しいとか嬉しいとか感じるものなのだが…。
これが神戸の言っていた「刺激を受ける」ということなのだろう。

ベッドルームのサイドテーブルの上に、世界の各国から取り寄せた高級チョコレートの粒が入ったガラスの器が置かれていた。
「いったいいくらのお金を使ったの?」
バスローブを羽織った英人が気付いて、ベッドに腰掛けながら呆れたように見上げてきた
千城にしてみれば飛行船クルーズも集めたチョコレートも、痛くも痒くもない金額だったし、英人が喜んでくれるなら惜しいとも思わなかった。
チョコレートの粒をくるんでいる包みをみればどれも一粒ずつしかないのが一目瞭然だった。
実際にはパントリーの中にまだ仕舞ってあるのだが英人に見せるにはこの演出で充分だ。

そういえば、もうひとつ黙っていることがあるな…と千城の頭に浮かんだ。
ビルの管理のことだが、こちらは今まで維持費やらなにやらとかかっていたのだから、賃貸料が入ることを思えばたいして変わらないだろう。
『安全対策』というプレゼントもありかもしれない。
もちろん英人は気に入らないだろうが、『会社関係』と言ってしまえば文句の一つも出ずに千城に従ってくれる。
物件を探していたところに目を止められた、とでもいえば丸くおさまるだろう。

隣に並んで座った千城が、一粒目を英人の口元に寄せてみれば眉間を寄せて躊躇っていた。一粒数千円程度のものなのだが…。
「俺一人で食べるのは気がひけるんだけど…」
「一緒に食べればいいさ」
「?」
キョトンとした英人に「口をあけて」と促し、その中に入れた。
千城は英人の唇に自分の唇を落とした。まだ塊のままのチョコレートが舌先に触れ、くるくるとかき回しながら互いの口の中を往復した。
「ん」
ただでさえ部屋にただよっていたカカオの香りが口腔内の熱で溶けだし更なる濃厚な芳醇さを生み出しているようだ。
千城もチョコレートを味わいながら最後は全て英人の中に流し込んでやる。
英人の口端に茶色い筋ができてしまって、舌で舐めとり綺麗にした。
「もう一つたべるか?」
問いかけてみると英人は小さく首を振って、恥ずかしそうに千城の胸に顔を埋めてきた。
「チョコは明日でいい。…それより、…もう…」

バスルームですでに疼いていたのは知っている。それが今のキスでまた昂ったのだろう。
そっとベッドの上に横にすれば待っていたように両腕が伸びてきた。
再び口付ければ、まだ口の中に残った甘さが伝わってくる。
…愛しい…。
どんな甘いものよりも、この身体、英人の全てのほうがずっと甘くて美味しい。
英人が作ってくれた素朴なチョコレートケーキの味を思い出しながら、同じように飾り気のない英人を堪能したかった。

千城は英人の肌と同じ色をしたバスローブの胸元に手を入れた。
本当はこの白くて美しい裸体の上に選りすぐった品を飾ってみたかったのだが、そんなことをすれば機嫌を損ねるだけだろう。
せっかく満足してくれているこの気分を壊したくはない。
うまく騙すのは明日でもいいか…と、最後の計画を目論む千城だった…。

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一応これで終わりです。
お楽しみいただけたでしょうか。
千城の続編をご希望される方がいたら…。(季節外れ企画になってもいいわという方はぽちっと。(ヤッター○ンか…))
もしくは1カ月後のホワイトデーまで待ってやるよという優しい心の持ち主の方、あんなのがいいこんなのがいいってご意見くだされば。リクいただけるって、読んでくれている方がいるんだ…って思えるから嬉しいんですよ。隠しコメ大歓迎ですから。(書けるかは疑問ですが…))拍手もなければ立ち消えってことで。
とにかくありがとうございました。



妄想スパイラル SKY様編


 家に入る時にポストを覗くと、宅配の不在配達票がごっそり山のように入っていた。
「……なっ……なんですか、これ……」
「ああ、きっとチョコレートだろう。今年は日曜だから送ってよこしたんじゃないかな」
 結城さんは全然普通な顔であっさり答える。
 ……ってことは、ま、毎年こんなにたくさんチョコをもらってるのか!?……俺なんかせいぜい同僚女子からもらうくらいなのに……。それも、見る限りでは大手のデパートとか専門店の名前が入った物がほとんどで、明らかに高価なチョコだと分かる。その他にももしかしたら手作りのものもあるのかもしれない。
 俺はちょっと不貞腐れた。結城さんには俺というれっきとした恋人がいるんだぞ、いや、もう奥さんみたいなものなんだぞ!それなのに本命っぽいチョコを贈ってくるとは何事だ。そんなものを贈ってくる奴の気がしれない。
 俺はその伝票を思わず破り捨てたくなったが、結城さんのことだからホワイトデーには律儀に高い物をお返しするんだろうなぁと思い直してやめた。

「……それでこれ、どうするんですか?」
「そうだね。後で会社にでも配達してもらうように連絡するよ」
 結城さんはお風呂の用意をしながら呑気に答えた。
「そうじゃなくて……もらったチョコをどうするかって聞いてるんです!」
「ああ……そっちか」
 結城さんはくすくす笑いながら俺の傍に戻ってきた。
「きみが食べる?」
「食べませんっ!!」
 結城さんはにっこりして、俺の膨れた頬にそっと触れる。
「……毎年、僕の通っていた幼稚園に全部持っていくんだ。だから子供たちには『チョコおじさん』って呼ばれてる」
ウィスキーが入ってるのは先生用になっちゃうけどね、と言い、くすりと笑った。
「……安心した?」
 俺は赤くなって小さく頷いた。膨れた頬はあっという間に元通りだ。

「それからね……はい、これ」
 結城さんはもう片方の手に隠し持っていた小さな包みを俺によこした。

「チョコは毎年たくさん貰うけど……僕があげるのはきみにだけだよ?」
 俺は手の中にある包みに視線を落とした。真っ赤な包装に金色のリボン。小さくて可愛らしい、だけど結城さんの想いがきっとこの中にはたくさん詰まってる。……溢れて溶け出すくらいたくさん……。

「信哉さんっ!……」
 俺は結城さんの頸に抱きついた。
「……大好き!!」
「僕もだよ」
 そう言って結城さんはぎゅっと抱きしめてくれた。

 結城さんとの初めてのバレンタイン……チョコレートにも似た、甘くて優しくてうっとりする素敵な夜は……まだまだこれからだ。


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トラックバック0 コメント9
コメント

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コラボ企画 ありがとうございました。
コメント甲斐 | URL | 2010-02-14-Sun 03:06 [編集]
甘かった~
どこまでも甘かったです。
大好きなキャラたちがラブラブに過ごしているのを見るのは楽しいものです。
しかもゴージャスに!
英人&薫のかわいい贈り物に対して、さすがはセレブで大人な千城&結城ですわね。
この後どちらのおうちでも、濃厚なバレンタインの夜が待っていることでしょうね。夜っていうか朝まで寝かせてもらえないくらいに・・・。
コメントきえ | URL | 2010-02-14-Sun 07:37 [編集]
S様
おはようございます。

>コラボ企画面白かったです♪でも、終わっちゃうの~?ホワイトデーのお話も読みたいけど、続きも読みたいです!!欲張りですみません。

終わりました~。
コラボなんて初めてで緊張しっぱなしでしたが、喜んでくれる方がいて嬉しかったです。
予定では6日で終わるはずだったんですけど、1日伸びたんですよ。
読者様にも"プレゼント"でした。
千城のこんな意味深な終わり方じゃだめ?と思いながらのupでした。
リクをいただいておきながら書けるかどうかわからない…というこのいい加減な人間…(冷汗)
いつもご訪問感謝です。
コメントありがとうございました♪
Re: コラボ企画 ありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-02-14-Sun 07:50 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 甘かった~
> どこまでも甘かったです。

バレンタインにちなんで、とっても甘~く仕上げてみたかったのですが、どうにも私が書くと暗くなっているような気がして…
でも、甘かったって感じていただけて私も嬉しいです。

> 大好きなキャラたちがラブラブに過ごしているのを見るのは楽しいものです。
> しかもゴージャスに!
> 英人&薫のかわいい贈り物に対して、さすがはセレブで大人な千城&結城ですわね。

どうせ企むなら思いっきり差のあるものに…ということでこんなふうになりました。
お子ちゃまの考えることは所詮こんな程度です…。
野崎の予想は当たったってことで…(なんのつながりもない…)

> この後どちらのおうちでも、濃厚なバレンタインの夜が待っていることでしょうね。夜っていうか朝まで寝かせてもらえないくらいに・・・。

ええ。今年のバレンタインは日曜日なので、月曜日に4人が出社するのか非常に疑問です。(あ、いや、2人が…?)
とりあえず、うちは神戸が泣くことになるのは確実でしょうね…。
コメントありがとうございました。

管理人のみ閲覧できます
コメント | | 2010-02-14-Sun 08:08 [編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-02-14-Sun 08:25 [編集]
M様
おはようございます。
ちょうどご一緒できたようですね。

> バレンタインコラボ楽しかったです。千城さんのプレゼントにはビックリでした!良いなぁ~世界の高級チョコレート…。(飛行船より食べ物に惹かれます)ぜひホワイトデーもお願いします!!素敵な企画ありがとうございました。

楽しんでいただけて良かったです。
千城ってばここぞとばかりに企画したようです。
私も千城の選んだらしいチョコを見ながらよだれをたらしていました。
ぜひおすそ分けを…と。
ホワイトデーリクもいただきありがとうございます。
あと一カ月。からっぽの頭から何がでてくることやら…。
コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-02-14-Sun 19:47 [編集]
S様
こんばんは。

>とーっても気になるけどホワイトデーまで待ってます

お待ちいただけるようで感謝いたします。
千城、かなり意味深で終わらせてしまいましたので、私としてもどうしようかと考えておりました…。
そして更に考えております…。
コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-02-15-Mon 06:58 [編集]
MO様

>とっても素敵な企画を、ありがとうございました。毎日、甘くて幸せな気持ちにさせてもらいました♪ 千城は、チョコも用意していたんですね。英人とも甘い夜のためなら、どんなことも厭わないんでしょうね~。ぜひ これからも 甘い二人に会わせて下さい。よろしくお願いします。

おはようございます。
楽しんでいただけて良かったです♪
甘くなりましたでしょうかね…。
千城は必要なものはなんでも揃えますから。
うちの人気CPなので今後も何かの機会に登場させたいです。
コメントありがとうございました。
コメントkiki | URL | 2010-02-18-Thu 23:46 [編集]
はじめまして。
いつも素敵な小説書いてらっしゃってすっかり虜です。
英人君とっても可愛くて、大切に思う千城の気持ちがよ~く解ります。
ここまで来るのに色んなことがありましたが
幸せそうな2人の様子が見られてとってもとってに嬉しいです!
続編凄く気になります。
これからも応援してます。
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-02-19-Fri 01:04 [編集]
kiki様
はじめまして。ようこそいらっしゃいました。

> いつも素敵な小説書いてらっしゃってすっかり虜です。

大変恐縮なお言葉、ありがとうございますっ!!
別にたいしたものは書いちゃいないんですけどね…(汗)

> 英人君とっても可愛くて、大切に思う千城の気持ちがよ~く解ります。
> ここまで来るのに色んなことがありましたが
> 幸せそうな2人の様子が見られてとってもとってに嬉しいです!
> 続編凄く気になります。
> これからも応援してます。

コメントを残していただいただけでひたすら感謝です。
いろいろあった二人だから、今、ものすごくHappyなんだとおもいます。
続編…書きたいんですけど、あまりにも強い千城のオーラに邪魔をされていまして…。
(のぞくなっ…みたいな感じでしょうか…)

ぜひまた覗きにきてください。
コメントありがとうございました。
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