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BLの丘
夏の遠足 8
2011-07-23-Sat  CATEGORY: 『想』―sou―
「なにしてんの――――っっっ?!!」
パコーンっと爽やかなくらいの快音が後頭部でした。同時に痛みも運んでくる。
手に持っていた椀がプールの中にポチャンと落ちていき、すくったはずの金魚も広々としたプールの中に逃げ出して泳ぎまわった。
「あー………」
恐る恐る振り返ると仁王立ちした雅臣が、走ってきたのか額に汗を滲ませて立っていた。
「ま、雅臣さん、…えーと…」
できることなら自分も広々としたところを走って逃げたい気持ちの龍太である。
「佐貫さんから『位置が全く動かないんだ』って連絡もらったのっ!!」
そのために確認しようと雅臣が駆けつけて来たらしい。
待機所に保護者を待たせたのは、万が一戻った時に姿が見えなかったら不安に思うだろうから、と言い含めたのだろう。
過去にも行き違いになってヤキモキした経験がある保護者だ。(←『冬の遠足』ロープウェイ参照)

雅臣「みんな、どれだけ心配してると思ってるのっ?!それがっ!金魚すくいってどーゆーこと?!のほほんっと遊んでないのっ!!」(現在金魚すくいをしているのは龍太一人)
龍太「だってそれはこの子たちがね…」(←どうして俺が(;_;))
もう一発雅臣からの平手打ちが頭上に飛んできた。これ以上怒らせないためにも大人しく叩かれるしかない。
雅臣「連絡っ!!!何かあった時に逐一連絡を入れるっ!!!基本でしょ―――!!!」
龍太「…ハイ、そうです…。ごもっともです…」
言われてみれば確かに、龍太が一言、「金魚すくいしています」って伝えれば大事(?)にはならなかった。
保護者だって気ままに遊んでいるんだな、と微笑ましく捉えてくれる。

英人「龍太さんね、4匹釣ったんだよー」(雅臣の声はどこ吹く風)
那智「ヒサね、5匹すくえるんだよー」(やっぱり自慢)
一葉「俺、一匹もすくえなかったんだよ…ヽ(‘A‘)ノ」
成俊「(*´・ω・)(・ω・`*)ね~」

龍太の自慢をされているのか、貶されているのか、宥めてやるべきなのか…。
雅臣は沸き上がる感情の矛先をどこに向けていいのか方向を見失った。
少なくても、雅臣が怒っている理由など、龍太以外の誰も気にしていないのは確かなのである。
熱い中、必死で走ってきた自分がなんだか可哀想に思えてきた瞬間だった。

宮原「あー、いたいたーぁ」
遠くから遅れて歩いてきた背の高い男の姿が、全員揃っていることを確認して大声をあげた。
宮原「(後ろを振り返って)美琴さ――んっ、見つかったよ―っ」(←やっぱり叫んでる)
体力のない野崎が宮原のペースについてこられなかったのは一目瞭然の状況だった(←雅臣は体力勝負の人がすぐそばにいるので慣れて…いるのか…。そして龍太ほどではないにしてもお仕事柄、体力はそれなりに?!)
どうせ千城あたりに、「雅臣君一人では心許ない」くらいのことを無言の視線で訴えられて追い掛けさせられたのだろう。
宮原はさらにそれを追った口だ。龍太は気の毒な気もしなくなかったが、その割には一人足りないことに気付いた。
確実に、この3人よりも俊敏に動けるはずの人間がいていいはずだ。
叩かれた痛みも忘れて那智の顔を伺ってしまう。
自慢話は散々聞いたが、肝心の実力者がいない。

龍太「ま、雅臣さん…、探すのが一番早そうな人はどうしたの…?」
小声で話しかけ、ちらりと待つお子様を見やればすぐに理解してくれる。
雅臣「(やっぱり小声)…それがさぁ。ちょうど川に洗濯に行っちゃった後だったんだよね…」
龍太「川に洗濯?!」(どう考えても久志が洗濯をするとは思えない)
雅臣「神戸さんと千城さんがふざけあって、神戸さん、穿いてたクロップドパンツ、ビールでずぶぬれにしちゃったの。日野君がそれを洗いに行くのを高柳君が付いていってさ…」(←大目に見てネ。『川で洗濯』)
龍太「それ、神戸さん、許したの?」
雅臣「許すも何も、神戸さん、今、下半身バスタオル巻いてるだけの状態だし…。ふざけたうえ、手間掛けさせてる責任も感じているみたいよ」
その格好で公共の場にいられること自体がすげぇぇぇ、と龍太は内心で思っていた。
まぁ、関係者がいられるテント内の椅子に座っているのであれば目立ちもしないのだろうが。(←関係者って佐貫のね…)
確かに動き回れる格好ではない。

野崎は速攻であちこちに連絡をとっているようだった。
とりあえずこれで一騒動は治まった…はず…。

那智「ねぇねぇ、雅臣さんは何匹すくえるの~?」(無邪気)
雅臣「へっ?!」
英人「みんなで釣ったらさー。百合子(千城ママ)さんに大きい水槽と水族館作ってもらおうよ~」(祝『水族館開設』)
一葉「そうだね。千城さん、建設関係、専門だもんね」
成俊「個人専用の水族館ってすごいなぁ…」
那智「エビとカメも増やしてもらおうよ~」
野崎「…(その計画の大部分は私の勤務外の仕事となるのですが…)(/_;)…」
龍太「『特別なエサやり体験』企画とか、打ち立てるかな…」(←いきなり仕事モード)
雅臣「(ボソ)…客ってこの遠足メンバーじゃん…」(しかも指示を出すのは千城)
それを『企画』と呼べるかはかなり怪しいところだった。
しかし、臨時収入は入るし、雅臣にとっては滅多に行けない場所を見学できる特典付きなので文句もない。
遠足は常に大歓迎企画である。
雅臣「いっぱいすくわなきゃだね~」
龍太「…なんだよ、このちがい…」
すっかり龍太に対しての恨み事が消えたらしい雅臣の態度には、龍太だけでなく野崎も頭を抱えたくなっていた。

宮原「金魚すくい~~~。俺もやる~~~」
野崎「あなたはやらなくていいんですっ!!」
野崎にとって、追随してくる頭の痛い問題がここにもある。

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コメント

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水族館♪
コメントさえ | URL | 2011-07-23-Sat 07:20 [編集]
わ~い。
水族館ができる~。
私、水族館大好き~。
以前、六本木ヒルズで金魚だけのアクアリウム見てきましたが、凄かったです。
No title
コメント甲斐 | URL | 2011-07-23-Sat 15:12 [編集]
なんだも~
お祭りなんかどうもいいんじゃなーい、子供たちは
せっかくはっぴまでそろえたのにね
ま、目の前のお楽しみに引きづられちゃうのが、お子ちゃまなんですけどね
高価な水槽に金魚すくいの金魚って・・・
千城家のお庭の池でウン百万円の錦鯉と同居じゃダメ?
Re: 水族館♪
コメントきえ | URL | 2011-07-23-Sat 20:46 [編集]
さえ様
こんばんは~。

> わ~い。
> 水族館ができる~。
> 私、水族館大好き~。
> 以前、六本木ヒルズで金魚だけのアクアリウム見てきましたが、凄かったです。

水族館、本当にできるんですかね…。
アクアリウム以前拝見させていただきました~。
すごす涼しそうだった~ヽ(゚∀゚)ノ
でっかい水族館じゃなくて、えーと、まぁ、そんな程度の…???
コメントありがとうございました。
Re: No title
コメントきえ | URL | 2011-07-23-Sat 21:02 [編集]
甲斐様
こんばんは。

> なんだも~
> お祭りなんかどうもいいんじゃなーい、子供たちは
> せっかくはっぴまでそろえたのにね
> ま、目の前のお楽しみに引きづられちゃうのが、お子ちゃまなんですけどね
> 高価な水槽に金魚すくいの金魚って・・・
> 千城家のお庭の池でウン百万円の錦鯉と同居じゃダメ?

はい。お祭りなんてどうでもいいヽ(゚∀゚)ノ 何のためのお揃いのはっぴ…。
まぁね。所詮、目の前のお楽しみには我慢することなく吸い寄せられていくのですよ。
そうそう!!なにも金魚すくいで金魚を仕入れなくったって(爆)
お願いすればプールごと(?)買ってくれるだろうに。
でもまぁ、そこはね。金魚すくいっていうイベントを楽しみたいんですよ。
…鯉と同居…。お上品な鯉なら大丈夫かなぁ。
はるか昔。リアルに金魚の水槽(庭の池?ひょうたん型のあの池です)に鯉を入れました。
数日後、金魚はいませんでした…。
「喰われたんだ」と父は淡々と語ってくれましたけど。・゚・(ノД‘)・゚・。
そういえば、ヤギ牧場(だったかな)でも千城、同じこと言いましたね。
『エビとカメ、鯉が泳ぐ池にでもいけておけ』とかなんとか。
誰もがそう思いますよね~~~。
コメントありがとうございました。
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